◎「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」
楽しかったです。
智子役の橘田さんの演技も
2013年春アニメの「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」(→感想へのリンク)の比企谷八幡(cv江口拓也)は小学生(途中から?。ちょっとイジメられてもいた。)から高校2年の始めまで独りぼっちでしたが、それでも高校では材木座義輝(cv檜山修之)という一応の友達(材木座だけが友達と思っているフシがありますが。)はいましたが、これは、高校では独りぼっちなアニメ。
黒木智子(cv橘田いずみ)は、独りぼっちが短いというか、独りぼっちを極めていないというか、独りぼっちを受け入れていないというか、独りぼっちから脱出しようとあがいているとか努力しているとか、独りぼっちでなくなることに希望を持っているとか、そもそも以前からの親友がいるとか、そんなところは現実を受け入れてもっと諦めている比企谷に比べればまだまだ前向きであり、実は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」よりはずっと気楽で救いのあるコメディでした(但し、小さな頃は弟の智貴(cv中村悠一)にも好かれていて普通に会話をしていましたから、智子が精神的な病気によって人付き合いが苦手になったのなら、その病気が改善するものかどうかによりますが。)。
(例えば、現実世界では(昨今の10代の親友の定義は、私からすればせいぜい友達でしかないように思いますが、それはさておき。)、親友は多い方が良いことは確かですが、現実的にはせいぜい2~3人くらいのものであり、親友が1人いれば、たいていは友達も自然に数人は出来る/出来ているものです。)
○ さて、コメディなのでしょうけれど、不憫で情けなくて、それでもやっぱりコメディなのでしょう、楽しかったです。
智子は「喪女(もじょ)」でモテない女のことをそう呼ぶようですが、男性と交際経験が皆無、告白されたことがない人、純潔であること、だそうで。
○ 高校生になったらモテると思っている智子は残念過ぎでイタイですが、高校で同姓の友達もできないのに何でいきなり彼氏ゲットを目論んでいるのかなあ、まずは同姓の友達だろ、と思って見ていたら2話、高校は別々ですが中学のときはオタク親友の成瀬優(cv花澤香菜)がいたんですね。唯一の友達のようですが・・・
高校になってコンタクトに変えて明るくなってお洒落になって彼氏も友達も出来て、と智子の目標を達成してしまった優に、智子は思いっきり凹まされますが、今でも仲が良さそうで。
ただ、同類と思っていた親友の優が、高校で彼氏ができて少しずつ遠い存在になっていくところは、智子はかなりの寂しさを味わっていたとは思いますが。
まあ、他校とは言え親友がいるのであまり独りぼっちとは言い難いですが、親友がいるから、次は高校で彼氏という流れは概ね納得。
でも、中学でも実質的に男子と話したことがない智子ですから上手く行かず。
目の下のクマとか、変にギラギラした目とか、ボサボサの髪とか、思い込みの激しい性格とか、重い中二病とか、モテないのも何ら不思議はないのですけれど。
○ ところで、11、12話しか出てきませんでしたが、2年で文化祭実行委員長の今江恵美(cv野中藍)が智子を少し気にかけてくれていて、智子にとっては、今後、キッカケになるのではと思いますが、優しくて成績優秀な先輩は、野中さんの声だと嫌味にならずに良い感じ。
女子のネクタイは好きですが、智子のネクタイは今一つなのに、恵美のネクタイは良い感じ。
(結局、ファッションは、着るものの良し悪し以上に着る人の良し悪しの方が重要だということですけれど。)
○ 最終12話後半で智子が好かれるコツを聞こうと声をかけようとしたところ、風が吹いて恵美の白いパンツが見えましたが、何故か逃げる智子。
人が良くて白いパンツの恵美に、自分の下心と情けなさが心苦しかったのでしょうが、凄い形相で駆けていったり。
途中、智子を見かけて追いかける優が、黒猫を見かけて智子を追いかけずに黒猫を抱いて嬉しそうなところが、意外と冷たいのね優はと思ったり、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の黒猫(cv花澤香菜)と重ねてクスッとしたり。
自室に駆け込んだ後、「これは、とある女の子、、、モテない女の子の、どーでもいい、物語。」とナレーション(大林隆介)が入り、智子が大笑いして「ほんと、どーでもいいわ。」と言うラスト。
これで智子は少し救われ、少し開き直れることが期待できるわけですが、そのシーンは無しにして、情けない智子にはまだまだ情けないままでいて欲しかったかな、その方が面白いのでは、と思います。
このアニメを見て身につまされた人も多かったのかも知れませんから、智子というよりアニメの視聴者を救うために必要だと制作者が判断しただけかも知れませんが。
○ さて、モテるかモテないかというのは、その人に対する需要があるかどうかということで、どんなに優れた人であっても、どんなに素晴らしい人であっても、どんなに可愛く美人であっても、凡人には畏れ多くて近付きがたいということもあるので、智子も多分・・・(略)。
秋葉原にて、畏(おそ)れ多くも、智子と一緒に写真を撮ることを御許可いただいたのですが、あまりに畏れ多いので、遠慮しました・・・・・イヤ、別に、写真を一緒に撮る相手は選びたかったというわけでは(略)、智子と写真を撮ると魂を吸い取られそう(略)、しかも公衆の面前(略)。
本心ではこんなにも智子とお近づきになりたいのに、それを直接言ったり行動したりする勇気のないヘタレな私をどうかお許し下さい。
だから題名通り、智子がモテないのはどう考えても私達が悪い、のです・・・・・
写真も略、、、と言うわけにはいかないか。
【shin】