◎「朗読劇『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』~トノキヨの夏休み~」
2024年9月29日(日)、原作と脚本と演出は末原拓馬さん(劇団おぼんろ主宰)、池袋駅近くのThaeter Mixaにて、9800円+手数料、配信は3800円+542円。28日は別のメンバーで2公演。
出演は、佐藤拓也さん(トノキヨ役)、鈴木崚太さん(クラゲ役)、末原拓馬さん(ワカメボーイ役)、上村祐翔さん(ラッコ役)、藤田咲さん(サンゴの姫役)。
なお、ワカメボーイ役は畠中祐さんの予定でしたが、数日前の告知で、インフルエンザで休み、代役として末原さんでした。
末原さんが描いた絵で、上がポスター、下は舞台美術に。
・なお、私は池袋で美味しいものを食べてから帰りました。
○昼夜とも5分前に注意事項などのアナウンス、本編の冒頭は役者が客に手を振ったりわちゃわちゃしたりとともに、本作は夢落ちであるなどのナレーション。
昼は、本編は14時から15時52分位まで、全員退場してから少し間があってアフタートークが16時12分位まで、末原さんだけ残って宣伝などを数分。
夜は、本編は18時から19時59分位まで、全員退場してから少し間があってアフタートークが20時20分位まで、末原さんだけ残って宣伝などを数分。
カーテンコールは各1回。
・ファンレターコーナーがありましたが、事前に知らなかったような気も知っていたような気もする一方、バースデーイベント(10/19)で手紙を書くから知っていても出さなかったでしょう。
2公演とも女性が90%以上だったと思います。私の席は、前と2階。2階席の後方は、足が床に届かないという謎の椅子、足が短いわけではありませんよ(座面を倒して座る、映画館とかでもよくある形式の椅子で、この会場の他の椅子と同じに見えたのですが、そういう作りの椅子です)。
1階の前の方は、舞台の床が見えないものでしたが、演劇となると床が見える方がいいので、実は全体がよく見える2階席の方がいい席なのかもとか、1階の後方がいいのかもとか、良い席を見つけるのが難しい会場なのでは。300人くらいの会場なので、2階席でもかなり近いですし。
結果から言って、全体を見渡せる2階席と、藤田さんを間近で見られる1階前方というセットでベストだったと思います(席の指定はできませんでしたが)。
・昼より夜の方が7分程度長かったはずですが、特に終盤で、誰かのセリフのあとの別の誰かのセリフなど、セリフのあいだが長めだったような気がするので、それが原因かなあ(涙を流しながら、感極まって、という感じで)。
役者の全員なのかまでは分かりませんでしたが、終盤は、昼は涙ぐみながら、夜は涙を流しながら、という感じでした。
○朗読劇とありますが、実質的に演劇、台本を持ちながらの演劇でした。舞台上を動き回っていましたし、衣装もありましたし、表情も大きく変えていましたし、声音も演劇のように変えていましたし。
で、2公演とも少しの違和感を持ちながら見ていましたが、昼の途中で、演劇なのに台本を持っていることに違和感を感じているのだろうというのが一つ、長めの終盤は大きな声でセリフを言い合うので見ていて少し疲れる気もするというのが一つ、かなあと思いました。
これは人それぞれ。2公演とも、特に終盤ではすすり泣きが客席のあちこちから聞こえてきましたし、2021年と2022年は「劇団おぼんろ」で演劇として、2023年は朗読劇として上演しているので、好評なのだと思います。
・物語は良くできています。分かりにくいということもなく、とはいえ分かりやすいということでもなくていろいろと考えることもできます。中だるみみたいな感じもなく、ドンデン返しもあり、楽しめると思います。
なお、鈴木さんか佐藤さんだったかがアフタートークで同じ意味の事を言っていましたが、2024年10月6日の末原さんのアメーバブログでは以下の記述が。
「リュズタンのご観劇、ずいぶん難しいことだったと思うんです。想像力と、物語に没入する才能が必要ですから、実は人を選びます。もしもお楽しみいただけたと言うなら、あなたは僕のとっても貴重な仲間である気がするのです。僕は生涯こうやって物語を創り続けるし、それこそが世界を変えるための、僕に持ち得る唯一の手段と思っています。
想像力至上主義、物語愛好家のあなた、どうか、これからも、僕の物語の中に遊びに来てほしいと強く願います。」
私が本作自体を楽しんだかと言われれば、それほどではないので、私には向かないものだったということでしょう。
○出演者がそろってのアフタートークがあるのもありがたいです。
末原さんが「咲」と呼んでいて、声優かと思って後で調べましたが末原さんは脚本家、演出家、俳優なので、藤田さんとはあまり接点がないなということで、となると、たぶん人狼ゲーム仲間でしょう、たぶん(笑)。
藤田さんは、「藤田さん」呼びが多いですが、先輩や同じくらいの人からは「咲ちゃん」、後輩からは「咲さん」と呼ばれることが多く、公の場で「咲」と呼ぶのは浅川悠さんと下田麻美さんと緒方恵美さんがそうですが、少ないのでは。
喜多村英梨さんは「さっきぃ」と呼びますかね。
○アフタートーク昼(主に藤田さんを記載)
・感想。
藤田:終わったばっかで感情が追い付かない。
鈴木君(がっしりした体格。)をガシッと掴むところがあるんですけれど、あまりにがっしりしていて。
佐藤:後ろから抱きつくときに手が届かない。クラゲは華奢な設定なのに。
藤田:本当ならここに祐がいたはず。
(→配信で見ている畠中さんに、皆で話しかけたり。畠中さんは何回かXでつぶやいていたようです。)
・心がけたところ。
佐藤:ジジイの体は不自由。小学生になると体が軽くて楽。
藤田:(サンゴの姫は)あんま好きなタイプの女の子じゃないよね?。女の子はあまり好きじゃないんじゃない?。
役者のたぶん全員:可愛いよね。そんなことないよ。
藤田:ありがとう。
藤田:ここが池袋だから聞くんですけれど、(2人を指して)ここにLOVEはあるんですか。ノリムネ(ラッコ)のキヨ(クラゲ)LOVEを感じる。
末原:LOVEじゃないけれど、同じくらい好きみたいなことはあるじゃない、守らなきゃとか。あまり区別していない、という感じかな。
・挨拶。
藤田:昼だけの人は、美味しいご飯を食べて帰ってください。
・末原さんのみになって宣伝など。
末原さんから、夜に記載の発言を少し短くした発言がありました。
○アフタートーク夜(主に藤田さんを記載)
・皆が物販のTシャツを着ていました。まずは感想から。
佐藤:最後はみんなで発表をしているじゃないですか、終わりたくないってね、終わっちゃう終わっちゃうと思いながら、ボロボロでしたね、メイクが流れるくらい。
上村:ご清聴どうもありがとうございました、で終わっちゃうんだなと思うと、言いたくなくて。でも(夜は)拍手が来て嬉しかった。
藤田:楽しかったです。畠中君、元気~。
末原:練習中一番しゃべっていたのは祐。祐のワカメも見せたかった。
・子供の頃の夏休みの思い出。藤田さんは、覚えていない、みたいなことを言っていました。
上村:小3のころかな、声優デビューがぼのぼので、20何年ぶりにラッコをやりました。
鈴木:波打ち際のクラゲを取って海に投げていた(クラゲを拾って投げる仕草をしながら)。
佐藤:リュズタンは2年目だけど、こんなに楽しい夏休みはない。2年連続、最楽し(さいたのし)。
・やりたい役を末原さんに聞かれて。
藤田:ほんとにない。今はみんなだから。声優の時も、Aという役をふられているのに、他の役で何をやりたいかと聞かれてもという、それと同じ。今日見たみんなが凄すぎるから。
・挨拶。
藤田:夜も美味しいものを食べて帰ってください。
鈴木:こういう形式で朗読することはなかなかないので、俺芝居好きなんだな、と再認識させられる。終わったあとの気持ち良さったらない。
上村:終わることに寂しさはあるが、素敵な作品を素敵な座組でやれてよかった。
佐藤:顔合わせで声を聞いたときに、ああラッコだ、ああキヨ(クラゲ)だ、ああサンゴの姫だ、とかストレートに感じて大好きになった。
・末原さんのみになって宣伝など。
末原:人生の大事な重要なタイミングで書いた。やるたびにしんどい思いに戻るが、一生やっていくことが大事なことだなと。
物語は語る側と語られる側があって、皆さんはその物語を今日この瞬間から持って明日からを生きていくと思う。皆さんがどう生きるのかが一番大切な物語だと思う。また再会したらというものを楽しみに、想像しながらやっていきたい。いいですか皆さん、長生きをしてください。
(2024年10月6日の末原さんのブログに記載がありました。
「この作品は僕の父が他界したことににまつわって描いたものです。詳しくは2021年7~8月あたりのブログを読んでもらえたりするとこの作品が生まれた経緯がよくわかるとは思うんですが、リュズタンは、僕にとってとてつもなく私的な意味合いも持っている物語です。
死の直前まで父はこのリュズタンのサウンドトラックを創っていました。筆の遅い息子より先に音楽を創ってしまうというタイプの創作はこれまでも何度かありましたが、その後でこんなに遠くに行ってしまうのは初めて。父の遺した音楽を使って物語を創る、歯を食いしばりながら挑んだのもいまや懐かしい記憶です。
だからこそ、この物語をみんなのものにしたいと言う強い気持ちがあります。それは、世界が父と、父の音楽を忘れないで欲しいと言う思いです。父は肉体を捨てて音楽になってしまったのですが、それはそれで、父なので。世界から忘れ去られ無い限りは、父は消えてなくなったりはしないな、と。
なんで、父とリュズタン、そしてその音楽を知る人が次から次に現れてくれますようにと願いながら物語を続けるし、そんな仲間が、リュズタンに触れる度に末原康志という存在を思い出してもらえれば嬉しいです。
この物語が、いつか古典と呼ばれるようになるのを願っています。」)
○公式HPから。
「自ら命を絶とうとする老人。
彼の部屋に窓から入ってきた少年は、男の目の前に瓶をかかげて言った。
「海を盗んできた!」
瓶が床に叩きつけられ割られると、中から海があふれ出し、ベッドは大海原に浮かんだ!
夢が何層にもダイナミックに交差する、子どもと老人の不思議なストーリー!」
プラスして言うなら、トノキヨは60歳位で小学5年生から引きこもりみたいな生活で、70歳の姉(藤田さん)にもあきれられています。小学生の記憶が無くて、ずっと一人ボッチだったと思っていますが、それは夏休み初日にあった親友たち(トノキヨを含めて5人。)との出来事が原因で、夢の中での、その原因が何なのかと、その解決が見せ場です。
【shin】