小雨の降る中、天満宮を二人で歩いたのだが、なぜか彼女がよそよそしい。あまり喜んでないようなんだな。話しかけても、素っ気ない返事を返してくるだけだったし。何の進展もないデートだった。
「この付き合いは失敗だったかも」と感じたぼくは、その後だんだん彼女と距離を置くようになり、付き合いは自然消滅したのだった。
それと前後して、ぼくは停滞期に入っていき、運気に活発さがなくなっていった。再び活発になるまでおよそ5年かかってしまう。
今日のタイトルである『傾きかけた日々』という詩は、運気が再び活発化した5年後に、その太宰府前後のことを思い出して書いたものだ。
『傾きかけた日々』
傷ついた部屋に閉じこもって
ぼくは何気なくマッチをすった
前からやっていたような気もするけど
これが初めてのような気もする
その日太宰府は雨の中にあった
ただいつもと違うことは傘が二つ
小さな梅の木はただ雨の中に
そうやっていつも春を待つんだろう
マッチをすっては何気なく消して
また新しい火を起こしながら
うつろに風を眺めている
だけどそれも何気なく忘れて
騒ぎすぎた日々と別れるように
今日太宰府は雨の中にあった
もう今までのようなことはないような気がする
あるとすれば次には君がいる
→ ♫傾きかけた日々
「小さな梅の木はただ雨の中に・・・」
結局、なぜ彼女がよそよそしかったのかは、わからないままだ。実は馴れ合いで付き合いだした二人だったから、彼女の心の中にぼく以外の人がいたのかもしれないな。かく言うぼくも、心の奥底に忘れようとしていた人がいたのだから、もしかしたら彼女もぼくのことをよそよしく感じていたのかもしれない。お互い、心の内を傘で隠すことが出来なかったということだ。
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