1,2001年5月13日の日記です。
今日閉店前に、またあの酔っ払いのおいちゃんが来ました。今日は筍が3本売れたそうで、上機嫌でした。あまり酒は飲んでなかったけれど、相変わらず大声を出していました。
ちょうどテレビで野球をやっていたのですが、
「今日西武はどうでしたか?私は西武が好きでねえ。どうもダイエーは好きになれんですたい。巨人も長嶋が好かんですけねえ」などと言っていた。
ぼくは今日ホークスが延長負けしたこともあって、イライラしていた。そしておいちゃんに向かって
「巨人の悪口は言うてもいいけど、おれの前でホークスの悪口を言わんでくれんね」とちょっと語気を強めて言うと、おいちゃんは話をそらし、
「大将お疲れ様でした」と退散していった。
相変わらず小心者である。弱い奴ほど大きな声を出すものだ。そしてよく吼える。
あのおいちゃんを見ていると、それがよくわかります。
2,2001年5月16日の日記です。
酔っ払いおいちゃんの話である。
夕方の5時半頃に現れ、店の通路床に座り込み相撲を観戦していた。再三そこに座るなと、うちのパートさんに注意されていたのにまただ。そこでぼくがおいちゃんの側によってみると、そこにタバコの灰が落ちていた。
「おいちゃん、ここでタバコ吸ったらいけんて言ったやろ!」
おいちゃんはかなり飲んでいたのだろう。真っ赤な顔をして「消した」とひとこと、あとは知らん顔をした。
いつまで待ってもそこを動こうとしないので、ぼくは『まあ相撲が終わったら帰るだろう』と思い、事務所に行った。
ぼくが用を終えて売場に戻ってみると、もうおいちゃんはいなかった。店長が店の外に連れ出したということだった。おいちゃんが座ったところを見てみると、タバコの吸殻と吐いた痰があった。
それからしばらくして、仕事を終えたパートさんが売場に戻ってきて、
「おいちゃん、入口の前で寝とるよ」と言った。
入口に行ってみると、おいちゃんは地べたに横になって寝ていた。
「おいちゃん、おいちゃん」とぼくは起こした。
おいちゃんはちょっと目を開けたが、また寝てしまった。何人かのお客さんがこちらを見ていた。ぱパートさんは
「倒れたんかもしれん。救急車呼ぼうか?」と言った。
「今、目を開けたけ大丈夫。酔いで寝とるだけよ」とぼくが言うと、こちらを見ていたお客さんたちは「なーんだ」と言って店の中に入っていった。ぼくも売場に戻った。
それから何度か見に行ったが、おいちゃんはまだ寝ている。明らかに寝ている。さっきと寝相が違うのだ。
7時前ぐらいだったか、ぼくはまたおいちゃんを起こした。
「おいちゃん、おいちゃん」と揺さぶってみた。それでも起きないので、軽く蹴りを入れた。おいちゃんは目を覚まし、
「なんか、こらあ。文句あるんかあ」とすごんだ。
「誰に言いよるんね」とぼくが大声で言うと、一瞬顔色が変わった。そして、ぼくとわかると
「あ、相撲はどうなりましたな」と言った。
「相撲なんか知らんよ。それより暗くなるけ、早よ帰り」とぼくは言ったが、相変わらずおいちゃんは知らん顔をしていた。
それから10分ほどして、警察がやってきた。店長が呼んだらしい。おいちゃんは暴れていたが、パトカーに乗せられてしまった。営業妨害や迷惑条例に引っかかることばかりやっているけど、酔いが覚めたら釈放されるだろう。気の小さいおいちゃんだから、酔いが覚めたら、きっと真っ青になるはずだ。
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