(1)
車を運転している時、よく大型トレーラーを見かけるのだが、そこに乗っている荷物を見て、「いったい、あれは何に使うんだろうか?」などと思ってしまうことがある。
昨日横を走っていたトレーラーに乗っていたのは、ドラム缶を10本くらい繋げたような鉄管だった。
まさか煙突になるわけでもないだろうし、一体何に使うものなのだろうかと首をひねってしまった。
鉄管といえば、かつてぼくの前を走っていたトレーラーに乗っていた鉄管を見て度肝を抜かれたことがある。その径が相撲の土俵大ほどあるのだ。
それがどうもグラグラしているような気がする。時折「ドンドン」という音までする。後ろを走りながら生きた心地がしなかったのを覚えているのだが、その土俵大の鉄管は何に使うものなのだろうか。
(2)
十数年前、かつて北九州にあったスペースワールドの横を通った時のことだ。
近くの空き地に3メートルほどの黒い鉄骨のようなものが、いくつも置いてあった。ぼくはそれを見て、いつものように「何に使うのだろう」と思っていた。
その数ヶ月後のことだった。スペースワールドの横を通ると、入り口の横に『U』という文字を逆さにしたような巨大な鉄骨が立っていた。
よく見ると、数ヶ月か前に見た例の鉄骨がいくつもあった。どうやら巨大鉄骨は、それをつなぎ合わせて作ったものらしい。「ああ、これに使ったのか」と、ようやく納得がいった。
が、再びぼくは首をひねった。その『逆さU』の巨大鉄骨が何だかがわからなかったのだ。
その疑問はほどなく解けた。それは新種のジェットコースターで、『ザターン』というものだった。
当時、一番かなり話題になったアトラクションで、一気にスタートダッシュして垂直に急降下する乗り物だった。
一度乗ってみたいと思っていたのだが、行列ができていると聞いて、ほとぼりが冷めた頃に、スペースワールドに行き乗ろうと思っていた。ところがなかなか行く暇がない。そうこうしているうちにスペースワールドは閉園してしまった。結局、『ザターン』に乗ることは出来なかった。