吹く風ネット

影響

 小学2年の後半に、少年サンデーに載っていた『おそ松くん』を読むようになってから、ぼくの性格は変化した。
 それまでどちらかというと引っ込み思案で内向的だった性格が、『おそ松くん』の影響でえらく外交的になったのだ。

 思慮のないぼくは、世間を『おそ松くん』の世界だと見るようになり、その辺にいる人を登場人物と捉えて、誰にでも話しかけるようになった。それまで挨拶もしたことのないような、近所のおじさんやおばさんにも、「おいちゃん」「おばちゃん」などと軽々しく声をかけては、減らず口を叩いていた。おかげで、近所で有名になってしまった。

 10年ほど前に小中学校の同窓会があったのだが、当時近所に住んでいた子が、
「うちのお父さん、今でも『しんたはどうしよるか?』と聞くんよ」と言っていた。ぼくはそのお父さんのことは、あまり憶えていない。

 数年前、母が町内会の役員をしていた時に、集会で知らない人から
「息子さんは元気にしていますか?」と声をかけられたらしい。
「えっ、しんたのことですか?」と聞くと、「ええそうです。息子さんが小学生の頃、うちに来て、よく屁理屈を言っていた」と懐かしがっていたということだった。

 母は、ぼくのことをずっと内向的な性格だと思っていて、外ではそういう人間だとは知りもしなかったのだ。

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