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吹く風ネット

楽しい超能力

先日、本屋に向かっている時だった。
途中にある店の前で、一瞬場が変わったような感じがした。
「え?」と思って、店の中を覗いてみた。
すると、店の中からぼくを見ている店の女の子がいるではないか。
「こういう店に知り合いはいないはずだけど・・・」と思って、見ていると何とその子は手を振って近づいてきた。
そして「やっぱり、しんたさんですね」と言った。

よく見ると、昔ぼくがいた会社で、いっしょに働いていたアルバイトの女の子だった。

「お久しぶりでーす」
「こんなところで何をしよると?」
「私ここに就職したんですよ」
「そうなんか」
「しんたさん、今どこにいるんですか?」
「おれは今○○におるよ」
・・・と、これまでの経緯を一通り話したのだった。

しかし、知っている人と偶然会ったりする時というのは、どうして場が変わるのだろう?
どういう風に場が変わるのかというと、その空間がクローズアップされたような感じがして、そこが何か特別な場所のように感じるのだ。

そういえば、今回はなかったが、知人に会う時に、そういう予感がすることもある。
また、「この人にどうしても会わなければならない」と思っていると、ひょんなところで、それも絶妙なタイミングで会うこともある。

やはり人には超能力が備わっているのだろう。
まあ、そういうことを当たり前のことと思っている人にとっては、「何が超能力だ」ということになるだろうが、ぼくは超能力だと思っている。
なぜなら、そう思ったほうが楽しいからだ。


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