《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

安倍晋三首相の「空白の2日間」

2018-07-22 15:42:03 | 日本の社会―日本の動きⅢ
一国の首相職はじつに多忙である。スケジュールは過密をきわめる。 ところが、西日本豪雨・水害で死者、行方不明者、孤立者が続出する甚大な被害が生み出され、数十万人もの被災者の悲鳴があがっている最中の7月7日と8日、安部首相は何をしていたのだろうか。 . . . 本文を読む

西日本豪雨・水害の甚大な犠牲は安倍を告発している

2018-07-19 23:16:09 | 日本の社会―日本の動きⅢ
西日本豪雨・水害の甚大な犠牲は安倍を告発している /――住民の命と安全をないがしろにしてきた積年の自民党政治が招いた人災、安倍首相による早期救援の放棄・妨害が人的被害を拡大 /(1)広域にわたる豪雨・水害と想像を絶する被害 /2018年7月、西日本一帯を襲った豪雨は恐ろしい状況を生み出した。ここ36年来の災害で最大最悪の水害である。 /7月5日から8日にわたる西日本を中心とする豪雨災害で17日午後1時時点の警察庁まとめで死者が14府県で223人。さらに行方不明者や連絡途絶者は朝日新聞の17日午後7時の時点での調べで少なくとも15人とされている。 /この災害の大きな特徴は、現時点での死者223人中、広島県での死者112人、岡山県での死者61人、愛媛県での死者26人と、この3県で死者の約9割を占めることである。今回の豪雨は、瀬戸内海周辺の多くの県を巻き込んだものである。しかし、なぜ広島県、岡山県、愛媛県というこの3県に集中したのだろうか。 /災害関連死を含め死者数は増えるであろうことはまちがいない。 /また負傷者、被災者、避難者の数は、これまでの公式発表ではまったく触れられていないが、膨大な数に上っているであろうと思われる。 /今回の豪雨では、山から平野まで懸念されていたあらゆるタイプの災害が広い範囲で多発した。大雨特別警報が出されていた11府県(岐阜、京都、兵庫、岡山、広島、高知、愛媛、山口、福岡、佐賀、鹿児島)に加え、滋賀、鳥取、宮崎をあわせ14府県で死者が出る大規模水害となった。大雨特別警報が一時に11県に出されたことも、気象庁史上初めてである。 . . . 本文を読む

【資料掲載】文在寅大統領の3・1記念辞

2018-05-06 20:23:23 | 韓国・朝鮮問題
(管理者から) /韓国の文在寅政権は、近年ではほとんど類例がない、世界史的にも独自の特質をもつ政権であると言えます。文大統領とその政権を理解するために、文大統領の2018年3・1節での演説を紹介します。 /そこでは、99年前の3・1独立運動の意義を改めて強調し、3・1運動以来の数多の民族独立の流血の闘いとその伝統を讃え、その流れの中に昨年のキャンドルデモがあることを表明しています。文氏は、3・1独立運動の精神と闘いと伝統を21世紀の世界史の中に復権、継承し、その道を進むことに、朝鮮民族の尊厳をかけようと全韓国民に訴えているのです。そして日本と日本人に向って、朝鮮植民地支配の歴史の加害責任を認め、人類普遍の良心を持つよう呼びかけています。 /しっかりと向き合うべき歴史的演説ではないでしょうか。 . . . 本文を読む

‘朝鮮半島にもはや戦争はない’と全世界に宣言――南北首脳会談は21世紀の新たな型の民族自決のうねり

2018-05-06 19:39:07 | 韓国・朝鮮問題
(1)板門店宣言をもって朝鮮半島の平和、繁栄、統一への歩みが始まった /去る4月27日、韓国・朝鮮の南北首脳会談が開催され、東アジア史上のみならず世界史上も画期的な歴史的転換が印された。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による板門店宣言は、「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店(パンムンジョム)宣言」と題され、「両首脳は、朝鮮半島にもはや戦争はなく、新たな平和の時代が開かれたことを8000万のわが同胞と全世界に厳粛に宣言した」「南と北は、わが民族の運命は自ら決定するという民族自主の原則を確認し、すでに採択された南北宣言とすべての合意を徹底的に履行することで、関係改善と発展の転換的局面を切り開いていくことにした」と高らかに謳いあげている。 . . . 本文を読む

岸宏一さん追悼会のご報告

2018-04-11 20:14:21 | 日本の新左翼運動と共産主義運動をめぐって
友人の皆様、岸宏一さんをご存知の皆様 /岸宏一さん追悼会のご報告 /1)昨年2017年3月26日(日)、私たちのかけがえのない友人である岸宏一さんが谷川連峰の西に位置する東谷山での山スキーで遭難しました。それから1年たった去る3月24日(土)、遭難の地で岸宏一さんの追悼会をもちました。 /当日の昼、新潟県の越後湯沢駅前に集合し、そこから田代スキー場に向かい、ロープウェイで田代山頂に登りました。 /山頂に、岸さんの遺影を置き、全員で黙祷し、各人の思いを込めて献花しました。遺影に使ったのは、映画『三里塚のイカロス』に登場した岸さんの画像の一つ、快活に笑っている顔写真です。 /山頂からは岸さんが山スキーを試みようとして遭難した東谷山が望めました。雪に覆われたまことに厳しい山の姿でした。昨年は雪がもっと深かったそうです。そして、眼下には、リュックサックのみが発見された清津川が見えました。ここで岸さんが遭難したのかと思うと、言いようのない、やり場のない思いが胸にこみあげてきました。 . . . 本文を読む

沖縄からの通信~保良の弾薬庫説明会にみんなで押しかけよう

2018-02-24 20:20:17 | 沖縄問題
2月25日、沖縄防衛局は宮古島保良公民館でアリバイ的な「弾薬庫配備」住民説明会を強行すると通告してきた。3月4日には中央公民館でも行うことを明らかにした。保良の住民に限らずみんなで押しかけて追及しよう。 /防衛省の福田達夫政務官は1月17日、沖縄県宮古島市の市役所平良庁舎で下地敏彦市長と会談し、城辺の保良鉱山を選定したと正式に伝えた。その際下地市長は「(鉱山は)保良集落に非常に近い場所にある。地域の理解と協力を受けられるように努力をしてほしい」と賛成を述べている。 . . . 本文を読む

小熊英二氏はなぜ「轢死説」を唱えるのか――本の紹介(下):10・8山﨑博昭プロジェクト編『かつて10・8羽田闘争があった 山﨑博昭追悼50周年記念〔寄稿篇〕』

2018-02-16 20:31:07 | 日本の新左翼運動と共産主義運動をめぐって
(承前) /三 『1968【上】』で検証抜きの悪意ある情報操作 /小熊英二氏は『1968』上下巻(二〇〇九年、新曜社)を世に問うた。同書は、一九六八年とそれを前後する過程の日本の社会運動の全貌を描き出そうとした意欲的な大作である。きわめて膨大な史料を渉猟した重要な史料集成でもある。著者の並々ならぬ努力の賜である。 /同書において小熊氏は、一見したところ政治学・歴史学による研究の基本である客観性に基づく姿勢を打ち出している。つまり、主観を排除して当時の史料・証言により客観性を徹底しつつ当時の「出来事」を検証し再現しているような姿勢である。だがよく読むと、この小熊氏の姿勢は実は、用いる史料などを自己の都合に合わせて利用するという手法を取り入れていることがわかる。それは自己都合による史料操作に外ならず、冤罪裁判でも見られる手法であり、極めて悪質なものであると言わざるをえない。慶応大学教授の社会的職責のある小熊氏には、およそ研究者としての節度を欠いているのではないかと根本から疑問視せざるをえない。それを最も端的に露呈している箇所が、山﨑博昭さんの死因についての記述なのである。 . . . 本文を読む

“ジュッパチ”の全貌と真実が浮き彫りにされた――本の紹介(上):10・8八山﨑博昭プロジェクト編『かつて10・8羽田闘争があった〔寄稿篇〕』

2018-02-14 22:14:48 | 日本の新左翼運動と共産主義運動をめぐって
はじめに /一九六七年一〇月八日の三派全学連・反戦青年委員会による「佐藤訪ベト阻止羽田現地闘争」は、機動隊の戒厳令的支配を突破する闘争であり、羽田空港周辺にわたって長時間におよぶ大衆的実力闘争で闘われた、日本階級闘争史上に記されるべき一大政治闘争である。この闘争は羽田空港突入を目的として闘われて、空港へと繋がる弁天橋、穴守橋、稲荷橋、首都高から空港へと突入する鈴ヶ森ランプを主な「戦場」にして闘われた。それは《ジュッパチ》として語り継がれてきた。 /三派全学連・反戦青年委員会は行動隊を組織し、一部の者がヘルメット、角材で身を守り、投石などで機動隊の壁を実力で突破せんとする闘争戦術を用いた。そして、早朝から夕方まで闘い抜かれたのである。この闘争の過程で三派全学連の実力闘争に恐怖した機動隊が京大生・山﨑博昭さんを頭部集中乱打で虐殺したことを、渾身からの怒りを持って記憶するべき闘争である。 . . . 本文を読む

沖縄からの通信~陸自の宮古島配備をめぐって

2017-03-16 11:06:12 | 沖縄問題
宮古島の地元紙に掲載された石嶺香織議員バッシング記事です。「全国から批判する書き込みが殺到した」というのは全国のネトウヨを総動員した炎上攻撃のこと。ところが、一言もそんなことを書いていません。「議員辞職の声が上がっている」というのは、ネトウヨが書いていること。おまけに、宮古地区自衛隊協力会の紹介記事まで。明らかに「辞職しろ」と、つぶしを狙った記事になっています。 . . . 本文を読む

友への手紙~権威主義と闘う党であるためには、どこに問題があったのか――水谷・岸「対談」を読んで

2016-06-18 20:02:41 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
友への手紙~権威主義と闘う党であるためには、どこに問題があったのか――水谷・岸「対談」を読んで /●腐敗行為が組織に与えるダメージは甚大 /対談「自著『革共同政治局の敗北』を語る――党概念のコペルニクス的転換ができるか」を読みました。水谷氏と岸氏の人柄がにじみ出ており、これはこれで楽しく読みました。お互いがお互いを深く信頼し、激しい党内闘争を共に闘いぬいたかけがえのない同志関係であることも感じられました。/本題に入ります。『革共同政治局の敗北』は2006年3・14Ⅱを断罪し、その背景にあった党の路線的誤謬と清水指導の誤りを、著者ら自身の誤りへの自己切開を通して鮮明に浮かびあがらせた点に、その特徴があります。現在の革共同の衰退と混迷が、3・14Ⅱに凝縮されていることを鋭く突き出しています。多くの読者の共感と共鳴を得たのも、このあたりにあったのではないでしょうか。  対して「対談」は、「財政問題」と「男女関係の問題」という極めてシリアスな組織問題=思想問題を、「革命を目指す党の腐敗」として抉り出している点に特徴があります。 . . . 本文を読む

沖縄からの通信~闘うオール沖縄の正念場がきた ――6・19県民大会を前にして

2016-06-13 08:21:07 | 沖縄問題
沖縄からの通信~闘うオール沖縄の正念場がきた――6・19県民大会を前にして /A.少女暴行事件から21年、それから何があったのか /心が痛い、心が重い……。2016年5月20日、またしても米軍軍属による20歳女性の殺人・死体遺棄事件が起きてしまいました。/この感覚、この重く垂れこめるこの空気は、あの日と同じです。1995年9月4日、少女暴行事件がおきた時です。最初は小さな記事でした。ところが、全容が報道されるにつれ、沖縄中が凍り付きました。/わずか12歳の少女。「ごめんなさい、ごめんなさい」……。それは、沖縄中が少女に向かってかけた言葉です。みんなが守ってやれなかったことを悔やみました。今度は成人式を終えたばかりの20歳の女性。結婚を控えていて、ご両親にとっては大事な、大事な一人娘でした。またしても「ごめんなさい、ごめんなさい」と、また20年前と同じ言葉を言わなければなりません。 . . . 本文を読む

6・19沖縄県民大会に呼応する国会前行動が呼びかけられています

2016-06-12 11:54:54 | 沖縄問題
6・19沖縄県民大会に呼応する国会前行動が呼びかけられています /当ブログの「沖縄からの通信~闘うオール沖縄の正念場がきた――6・19沖縄県民大会を前にして」でも明らかにされているように、琉球武力併合以来、第二次大戦以来、戦後米軍政以来、また復帰以来、虐げられ、差別されてきた沖縄の怒りはほんとうに限界にきています。/沖縄の怒り、悲しみ、悔しさは何なのか、その深い、大きな意味を本土―日本の労働者人民がしっかりと認識し直さなければならないでしょう。/まずは沖縄に連帯する行動を起こし、それを拡大することだと思います。  . . . 本文を読む

「党の革命」というペテン性――「自著『革共同政治局の敗北』を語る」を読んで

2016-03-30 10:16:26 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
「党の革命」というペテン性――「自著『革共同政治局の敗北』を語る―党概念のコペルニクス的転覆ができるか」を読んで /福原 銀之助 /2016年3月25日 /1.『敗北』の補論としての意見 /上記の題名で『流砂』第10号に水谷保孝・岸宏一元革共同政治局員の意見が掲載された。この意見は言うまでもなく『革共同政治局の敗北 1975~2014』(以降『敗北』とする)での水谷・岸両氏による革共同政治局の歴史および現実の検証作業の補論である。親本である『敗北』が左翼本としては驚異的な売り上げを積み重ねており、その影響力は現在なお私の住む地域の図書館での貸し出しが15人待ちであることにも見られるように広まっており、その内容は衝撃的なものである。 /だが、『敗北』で書ききれなかったことや読者の批判などが水谷・岸両氏に寄せられており、それに応じる形で『流砂』に「意見」として掲載されたものと思われる(以降「語る」とする)。なお、この意見は水谷・岸両氏の対談形式となっており、読み手に取って理解し易い工夫がされている。私はここでこの「語る」について読書感想を述べたいと思う。 . . . 本文を読む

『敗北』本メモ⑧~⑩

2016-03-18 20:02:41 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
『敗北』本メモ⑧~⑩ /白土kamui /2015年11月7日~12月19日 /ブログ:「狂おしく悩ましく」から転載  ttp://blogs.yahoo.co.jp/hutagoyama_1 /(承前) /◆⑧ 節目に沿って /●堅実全面論文の棚上げの意味 /桜 『前進』646号論文(「堅実・全面論文」73.08.06)にも触れているけれど、すう勢的「後退局面」の1文が削除されたというちまたの話は無視された。今が階級闘争の高揚局面か逆か?全体として運動にとって不可欠な議論をネグレクトしている感もある。74年=75年恐慌(オイルショック)を経て、清水さんの『現代戦争テーゼ』「恐慌⇒戦争」論に進まなかった現実。「豊かな社会」の出現。時代の変化への無関心と排斥。 /梅 とはいえ,堅実論文が本多さん自身によって「棚上げされた」こと、『清水選集3』では参考文献からも削除されたことの暴露は意味がある。90年代の転換の混迷期には、多くの人がこの古証文を引き出して必死に読んだものだったけれどね。 . . . 本文を読む

『敗北』本メモ①~⑦

2016-03-18 16:57:43 | 『革共同政治局の敗北』の感想、批判
『敗北』本メモ①~⑦ /白土kamui /2015年11月7日~12月19日 /ブログ:「狂おしく悩ましく」から転載  http://blogs.yahoo.co.jp/hutagoyama_1 /◆① 全体像と著者らの想い? /今回はできるだけ「中立的目線」を意識して書いてみたい。 /本書でいいたいことは、ほぼ全体の半分を占める第1部「3・14Ⅱ」だろう。 /2006年の関西の3・14(党の革命、3・14Ⅱ)での攻防と敗北、そして失脚がすべてといえる。「路線闘争を腐敗問題にすりかえて与田にテロ・リンチを加えたのは不当だ」というに尽きる。 /関西の3・14を受けての中野・天田さんそして清水さんの変貌の前に、いわば「抵抗勢力」として槍玉に挙げられて追放された過程が「本体」になる。 /関連する諸事件がそれなりに網羅され、ま、資料としては数少ないまとまったもの、ともいえるかもしれない。 入り口段階で2点の修正と指摘をしておこう。 ①当ブログでの修正。3・14当日の本社での「党内集会」について。 「留守番内閣云々」は誤認のようだ。(修正済み) ②西島文書による「天田と中野があらかじめ仕組んだ3・14」説は、この本では撤回されている。 . . . 本文を読む