《試練》――現在史研究のために

日本の新左翼運動をどう総括するのか、今後の方向をどう定めるのか

お知らせ:『革共同政治局の敗北』が図書館協会の選定図書に

2016-01-11 09:12:11 | 思いつくままに
お知らせ:『革共同政治局の敗北』が図書館協会の選定図書に

 公益社団法人・日本図書館協会がその業務の一つとして毎月、公共図書館に備える選定図書の決定をしている。年間約6万点にものぼる新刊書籍のなかから、図書館が蔵書を決めるための参考となるように選定図書を決めている。選定委員は約50人いて、実際に1冊1冊に必ず目を通して選択されている。約6万点のうち約15~20%が選ばれているとのこと。
 15年5月刊行の『革共同政治局の敗北』は刊行後ほどなく分類「社会科学」「成人一般」の選定図書に決まり、それが少し間隔をおいた9月18日付『週刊読書人』の該当欄(5面)で発表された。



 図書館協会によれば、「図書館がどの本を蔵書として選ぶかを決める図書の選択は、図書館にとって最も重要な仕事であり、子どもたちに大きな影響を与えるだけに非常に大切です」と意義づけられている。
 革共同関係の書籍では、かつて本多延嘉編『勝利にむかっての試練――安保問題革共同重要論文集』(1969年6月15日刊、前進社)が図書館協会の選定図書となったことがある。この度『革共同政治局の敗北』が選定図書になったのは、それ以来のことであり、46年ぶりとなる。
 革共同が67年10・8羽田闘争を新たな突破口に70年安保・沖縄闘争の前面に躍り出て、革命闘争を登りつめていこうとした時の書籍が図書館協会選定図書となり、その革共同が腐敗・堕落し没落したことを論じ記録した書籍が同じく選定図書となったとは、非常に象徴的なことだ。新左翼の隆盛と衰退がこのような形ではっきりと示されたのかと思うと、悲しいものがある。しかし著者たちの努力が公に認められたということであり、著者たちは素直に喜んでもいいことだろう。
 なお、図書館協会の選定図書決定の作業は、2015年度(2016年3月)をもって終了するとのこと。『革共同政治局の敗北』は選定事業の最終年度で選ばれたことになり、何か因縁めいてもいる。
(管理者)

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