『ねぇ、ルカ。この学校の屋上に行ってみない?すごく見晴らし良くて気持ちイイらしいよ♪そこでイケメンの先輩とかに逢っちゃってさ、瞳が合ってちょっと何故か分からないけど、ドキドキしちゃう!緊張し過ぎて、ちょっとナニ言ってるか分からない、とかあるかもよ〜?』
『そんなパン咥えて走ったらぶつかって、運命の出逢いみたいな事、ある訳無いでしょ』
在るかも知れない・・・これは恋愛小説なのだ。
『じゃ、とりあえず屋上行くまで、まずは螺旋階段でぶつかるの期待しますかっ♪』
と、夕夏はどんどん歩いていく。
これは夕夏にロマンスが訪れるパターンでは?
そもそも螺旋階段ではぶつからないのでは?
・・・
・・・
・・・屋上入り口に無事着である。
ガチャ。
扉を開けると円形校舎の形そのままの屋上が広がり、みな想い思いに過ごしている。
友達同士だったり恋人同士だったり、吹奏楽部が練習していたり。
共通して言えるのは、みんな屋上から見える街並みが好きで、高台にあり街から少し離れているためか湿度が低く、初夏の吹き抜ける心地よい風も大好きだった。
「ルカに合う人は居ないね」
勝手に品定めを始めた夕夏を他所に、流歌は中央にあるソファーに向かう。屋外クッションが敷いてあり、3人くらいなら座れる長さで、2つ並んで置いてあるが、運良く誰も座ってない。それならと、うーん!と腕を上げて伸びをすると、そのままゴロンと仰向けになり、空を見て詩を浮かべる。
ーサクラ散る6月の水色の空。散乱して人の瞳には本当の君の蒼は届かないー
「ん?何か書いてある。」
雨除け用の屋根の裏側に誰かの言葉が書いてあった。ーはしたないなーと想いながらもソファーの上に立ち、そっと爪先でなぞると微かに熱を感じる。そんな錯覚に陥るような想いがたしかに在った。他の人は感じないかも知れない。だけど、流歌にはちゃんと伝わりその琴線に触れたのだ。
ー織姫と彦星とデネブを別つ理由はどこに在るんだろう。
織姫ベガと彦星アルタイルは天の川で逢瀬を重ね、デネブは二人を照らしながらどこかを目指している。
その瞳に涙を溜めながら。
あぁ、そうだったね。君はいつか北極星になるんだったね。
いつかみんなが君を見上げて進むんだ。北極星が道標となって迷わず行ける!と。
君が光となって星々を照らし、他の星たちの目印になるんだよー
なんて儚くて、なんて切なくて、どうしてこんなに力強いの・・・。
自分が織姫と彦星に割って入れないのは、未来が約束されているからだとしたら、未来を捨てたなら結果は違ったの?
ねぇ、こんな素敵なココロを標した貴方。わたしならどうしただろうか・・・と、自然と涙が溢れ落ちた。
恋なんてした事ないのに不思議ね。
あれ?続きかな・・・小さく小さくそれは誰からも読まれたくないかのように、ひっそりと書かれていた。
ーその涙の理由を話してよー
ーその涙の理由を離してよー
それは運命であるかのように伝わり、ココロを揺さぶられた流歌。
ここから流歌のまだ見ぬ恋が始まった。
『そんなパン咥えて走ったらぶつかって、運命の出逢いみたいな事、ある訳無いでしょ』
在るかも知れない・・・これは恋愛小説なのだ。
『じゃ、とりあえず屋上行くまで、まずは螺旋階段でぶつかるの期待しますかっ♪』
と、夕夏はどんどん歩いていく。
これは夕夏にロマンスが訪れるパターンでは?
そもそも螺旋階段ではぶつからないのでは?
・・・
・・・
・・・屋上入り口に無事着である。
ガチャ。
扉を開けると円形校舎の形そのままの屋上が広がり、みな想い思いに過ごしている。
友達同士だったり恋人同士だったり、吹奏楽部が練習していたり。
共通して言えるのは、みんな屋上から見える街並みが好きで、高台にあり街から少し離れているためか湿度が低く、初夏の吹き抜ける心地よい風も大好きだった。
「ルカに合う人は居ないね」
勝手に品定めを始めた夕夏を他所に、流歌は中央にあるソファーに向かう。屋外クッションが敷いてあり、3人くらいなら座れる長さで、2つ並んで置いてあるが、運良く誰も座ってない。それならと、うーん!と腕を上げて伸びをすると、そのままゴロンと仰向けになり、空を見て詩を浮かべる。
ーサクラ散る6月の水色の空。散乱して人の瞳には本当の君の蒼は届かないー
「ん?何か書いてある。」
雨除け用の屋根の裏側に誰かの言葉が書いてあった。ーはしたないなーと想いながらもソファーの上に立ち、そっと爪先でなぞると微かに熱を感じる。そんな錯覚に陥るような想いがたしかに在った。他の人は感じないかも知れない。だけど、流歌にはちゃんと伝わりその琴線に触れたのだ。
ー織姫と彦星とデネブを別つ理由はどこに在るんだろう。
織姫ベガと彦星アルタイルは天の川で逢瀬を重ね、デネブは二人を照らしながらどこかを目指している。
その瞳に涙を溜めながら。
あぁ、そうだったね。君はいつか北極星になるんだったね。
いつかみんなが君を見上げて進むんだ。北極星が道標となって迷わず行ける!と。
君が光となって星々を照らし、他の星たちの目印になるんだよー
なんて儚くて、なんて切なくて、どうしてこんなに力強いの・・・。
自分が織姫と彦星に割って入れないのは、未来が約束されているからだとしたら、未来を捨てたなら結果は違ったの?
ねぇ、こんな素敵なココロを標した貴方。わたしならどうしただろうか・・・と、自然と涙が溢れ落ちた。
恋なんてした事ないのに不思議ね。
あれ?続きかな・・・小さく小さくそれは誰からも読まれたくないかのように、ひっそりと書かれていた。
ーその涙の理由を話してよー
ーその涙の理由を離してよー
それは運命であるかのように伝わり、ココロを揺さぶられた流歌。
ここから流歌のまだ見ぬ恋が始まった。
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