Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

列島縦断帰省記 ~めくるめく国鉄特急物語 第4回 ハイブリッドライン五能線(後編) 鰺ヶ沢→秋田

2015年11月05日 | 鉄道 ‐ 旅行(2015年)

《鰺ヶ沢 15:40着》

 リゾートしらかみ4号で鰺ヶ沢までやってきました。
 時間調整のため、この駅で12分停車します。格好の撮影タイムです。



 HB-300系の全容。初代青池編成からのデザインを引き継ぎつつ、より洗練されたデザインとなっています。



 片道切符で来ているので、途中下車もできます。



 鰺ヶ沢の駅舎は、観光と需要駅を兼ね備えた中規模の木造駅舎。五能線で数少ない有人駅でもあります。

 時間もあるので車内も観察しました。



 1号車はガラガラ。9月の平日では無理もないですか。



 2号車はボックス席。ボックス単位で売られています。すいている車内も、ここだけはほぼ満席でした。



 1つだけ空いていたボックス。五能線内では海側に向かって開けています。



 3号車もガラガラ。私も本来はこの車両にせきがありました。



 4号車も座席はガラガラですが、先頭の展望ボックスに人が出入りしているので少々せわしなく見えます。もっとも、ハイシーズンに比べたら少ないことには変わりません。



《鰺ヶ沢 15:52発》

 小休止を経て、リゾートしらかみは再び動き始めます。



 鰺ヶ沢からはカーブが深くなります。



 山から海に向かってまっすぐ下降!



 水面が近づいてきました。青森を発車したときよりも雲が薄くなっています。



 北金ヶ沢に運転停車。対向列車はありませんが、信号の関係上必ず停まらなければいけません。



 スプリングポイントを通過。バネの力で片一方に固定されているポイントで、分岐方向の逆からきた列車は分岐器を押しのけて進みます。



 ここで五能線は崖下のトンネルへ突入。



 抜けた先が千畳敷駅です。リゾートしらかみの一部がここに停車しますが、4号は通過。



 線路の向こうに奇景・千畳敷が見えてきます。

 千畳敷は海岸が地震で隆起したもの(江ノ島(神奈川)や青島(宮崎)と同じ)で、昔津軽藩の殿様がここに千畳もの畳を敷いて宴会をしたという言い伝えがあります。
 地上側はおみやげ屋や駐車場が目につきます。



 再びトンネルへ。



 抜けた先には、延々と続く線路と海の二重奏。この先深浦までの区間、海をさえぎるものはトンネルだけです。



 なによりも、この浜辺は西に向かっているため、夕方に通る4号からは沈みゆく太陽を真正面から眺めることができるのです。



 振り返れば、今走ってきた線路が後方に見えていました。



 海岸線に沿って走る線路は右へ左へと曲がりくねっています。五能線の最高速度は85km/hですが、カーブのせいで60km/hをだすのがやっとです。それでも列車は上下左右に揺れます。
 おまけに、海に近いということは海風や潮も被るということ。特に冬は強い風が西から吹きつけるため、しばしば運休となります。過去には地盤が波にさらわれて宙吊りになった線路に列車がつっこみ、転落する事故まで起きています。



 複雑な海岸線を物語る1枚。浜辺は奇岩だらけです。



 奇岩と奇岩を縫うように走ること1時間。列車は深浦に到着しました。
 この駅ではくまげら編成の5号と行き交います。



《深浦 16:37着》

 深浦は鰺ヶ沢と並んで運転上の主要駅です。運転士がここで交代します。



《深浦 16:39発》

 深浦を定刻で発車。



 太陽が水平線まで下りてきました。



 このまま夕日が見られるかと思った矢先、西から一際暗い雨雲が流れてきました。ああ、あともう少しなのに!



 艫作を通過。地元民以外で何もヒントなしで読めたら、相当な鉄オタとみて良いでしょう。



《ウェスパ椿山 16:53着》



 温泉を中心としたリゾート施設に「ウェスパ椿山」に接する駅。4号からもぞろぞろとお客さんが降りていきました。



 陸奥岩崎を通過した当たりで、西の空が強烈な光に包まれます。



《十二湖 17:04着》

 とってつけたような駅に停車。



 屋根も内1面1線の駅ですが、位置的には白神山地の入口にあり、駅名の由来になった十二湖へのバスが発着しています。
 普通の快速とは違って、リゾートしらかみは観光に特化した列車なので、停車する駅は駅の規模によりません。



 金色に輝きだした矢先、再び西から雨雲が襲来。あ、終わった。
 夕日を見るために、この当たりで日の入りを迎える4号に乗車したのですが、結果は惨敗。天気には勝てなかったよ……



 よく目を凝らすと、雨が降っているところが見えました。局地的に塗りつぶされたように暗くなっています。これがゲリラ豪雨と言うやつでしょうか。ここまではっきり見えるのも珍しいのでは?



 肝心の夕日が雨雲に塗りつぶされたのに呼応するがごとく、「しらかみ」は陸に向かって舵を切ります。鰺ヶ沢から延々と続いた海岸線は、ここでお別れです。



 山をつたうように走る線路。夕日はその向こうに消えていきました。



《岩館 17:24着》

 岩館に到着。



 首都圏色+五能線色のキハ40とすれ違います。



 深浦行きの普通列車です。乗客は少なく、ぱっと見女子高生が1人乗っていたぐらいでした。
 五能線のダイヤはリゾートしらかみに特化しているため、乗客の多い東能代~能代と鰺ヶ沢~弘前を除き普通列車はほぼ朝夕に限定されます。岩館~深浦~鰺ヶ沢は最も少ない区間で、1日5往復しかありません。



《岩館 17:25発》



 秋の日はつるべ落とし。太陽がいなくなると急速に暗くなってきました。



《あきた白神 17:29着》

 1つ隣のあきた白神は、「八森いさりび温泉 ハタハタ館」に隣接する駅です。



 白神山地関係の施設ではもっとも南にある施設で、観光拠点でもあるのですが、この時間では客もまばらです。



 30分ほどで列車は能代の市街地へと入ります。



《東能代 17:58着》

 東能代に到着。ここが五能線の終点です。



 能代はバスケで有名な街。ホームにもバスケットゴールがあります。リゾートしらかみの1号・3号ではシュート体験もできるのですが……



 リゾートしらかみは再び向きを変えます。これで3回目の方向転換です。



《東能代 18:04発》

 奥羽本線となり、終着秋田を目指します。もっとも、ようやく快速らしい走りになるかと思いきや、いきなり次の北金岡で運転停車します。奥羽本線ではあくまで『臨時』快速。定期列車を尻目に走ることになるのです。



《秋田 19:00着》

 こうして、無事秋田に辿り着いたのでした。

 次回、国鉄特急の幕が回り始める! 


 続く!

追記:
 私のリニアPCM録音機が行方不明です。
 少なくとも「白鳥22号」で使用し、「リゾートしらかみ4号」下車後に発覚したので、青森~秋田のどこかと思われます。
 時間は2015年9月11日13時21分~19時00分の間です。
 品番はSONYのPCM-M10(黒)です。
 心当たりのある方は、allstop711313localliner@gmail.comまで。


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