Local-Liner ~静サツ雑記帳

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札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

ダイヤ改正で廃止になる8駅を見てみる その1 鷲ノ巣・東追分・十三里・花咲

2016年03月03日 | 鉄道 ‐ 北海道

 今回は、次のダイヤ改正で廃止となる駅を見ていきます。
 尚、写真は北海道一週旅行('15/10/1~10/7)のものなので、まだ雪が積もる前の写真となっています。


①鷲ノ巣駅 Washinosu




[駅データ]

開業:1944年9月1日(信号場※1)→1949年8月1日(仮乗降場※2)→1987年4月1日駅昇格
構造:2面2線(千鳥式配置)

※1……信号場時代から旅客を取り扱っていた模様。
※2……1962年9月30日に信号場へ降格。旅客扱いは継続。





 最初に紹介するのは函館本線八雲~山崎間にある鷲ノ巣駅です。
 戦中の1944年に輸送力増強を目的に設置された信号場でした。しかし、信号場だったころから既に旅客を取り扱っていたようです。
 国鉄になって仮乗降場に昇格するも、1962年には信号場へ降格。旅客を取り扱ったままJRになって一足飛びに駅へと格上げされました。

 ホームは千鳥配置の簡素なホームです。



 下り線(札幌方面)ホーム。構内踏切で連絡しています。特急がばんばん通過する駅なので、構内踏切は遮断器つき。



 上り線ホーム。ホーム脇に待合室があります。



 待合室。元は信号小屋だったのでしょう。



 待合室内部。枕に毛布まで完備されており、その気になれば寝られます。
 あ、暖房はないので冬はやめたほうがいいかと。



 1984年に八雲側が複線化されましたが、山崎側は単線のままです。そのため、廃止後も信号場として存続します。
 といっても、設置当初から信号場を名乗りつつ乗客を扱ってきたので、『旅客を扱わなくなる』が正解です。

②東追分駅 Higashi-Oiwake




[駅データ]

開業:1965年3月1日
構造:1面1線(当初)→2面2線(1981年6月1日~現在)




 続いての駅は、石勝線追分~川端間にある東追分駅です。
 開業してからしばらくは1面1線で、旅客専用のため、仮乗降場に近い駅でした。この当時は、目の前を走る線路は夕張線を名乗っており、貨物を扱わないこの駅は路傍の石ころ同然でした。
 ところが、1980年、札幌と道東を結ぶ高速線として石勝線が開業したことで、東追分は劇的な変化を迎えます。駅を移設した上で、高速通過に耐えうる交換設備を備えた駅となったのです。



 跨線橋には待合室が設けられています。といっても、小さな机と椅子一つですが。



 ローカル線の小さな駅から本線の交換駅に進化を遂げた東追分ですが、周りは何もありません。田畑のど真ん中にあります。



 駅前広場的な何か。右を見ても左を見ても人家は見当たりません。



 貨物列車(札幌~帯広・釧路)が通ることから、交換設備はかなり余裕を持って設計されています。そのため、追分側の分岐点はホームから300メートルほど離れた場所にあります。



 追分方面へ、線路に沿って道が続きます。
 この日は強風で道東方面の特急は運休しており、走っている列車は撮れませんでしたが、見通しのいい直線区間なので撮影はしやすいでしょう。



 駅から100メートルほど離れた場所を道道川端追分線が走っています。
 東追分駅は写真中央の林の影にあります。



 周りに人がいないので、普通列車の一部は通過していきます。といっても、通過するのは上り(千歳方面)2本だけです。



 駅前には信号取り扱いの設備があります。
 駅としてはなくなりますが、現在特急列車の交換がいくつか設定されています。
 隣の追分までは4.0km、川端まで5.4kmあり、追分駅の配線上石勝線が事実上1面1線になっているため、今後信号場として存続するでしょう。

③十三里駅 Tomisato




[駅データ]

開業:1962年12月25日
構造:1面1線(当初)→2面2線(?~現在)


 滝ノ上~新夕張間にある十三里駅も、東追分同様、旅客専用として開業した駅です。
 開業当初1面1線からの石勝線開通で2面2線になった経緯も東追分と同じです。

 ちなみに、名前の由来は、追分から夕張川沿いにさかのぼったときに13マイル→十三里の位置にあるから。
 本来「里」と「マイル」はまったく別の単位で、マイルの正しい漢字は『哩』です。1里=約4kmですから、正しくは5里と少しになります。
 (1マイル=約1.6kmで、追分~十三里の営業キロは22.6km=約14.2マイル)



 駅構造も大体同じ。
 田畑の中心にある東追分と異なり、十三里は山あいの土地にあります。



 駅前は国道274号線(三川国道)が走ります。札幌から夕張・日高町を経由して帯広に向かう最短ルートでもあることから、車がよく通ります。



 1kmほど先に道東自動車道の夕張インターがあります。
 現在では高速道路が開通したため減っていますが、日中でもトラックが走っています。



 機械室も東追分と同じスタイルですが、十三里の文字が国道からも分かるほど目立っています。



 跨線橋の中にある待合室。椅子が3個並んでいます。



 東追分同様、普通列車の一部が通過します(下り1本、上り2本)。



 一日数回列車の交換が設定されている十三里駅。
 当面は東追分と同じように信号場として存続しますが、新夕張まで2.6kmしかないため、将来的にはなくなってもおかしくありません。
 まあ、その前に1線スルーの滝ノ下信号場(川端~滝ノ上間)がなくなるのが先か……


④花咲駅 Hanasaki




[駅データ]

開業:1921年8月5日
構造:2面2線(当初)→1面1線(?~現在)


 根室本線西和田~東根室間にある花咲駅は、1921年8月5日の根室本線根室延伸からある由緒正しい駅です(東根室は1961年開業)。
 名前の『花咲』は丘を下った先にある花咲港に由来します。ハナサキガニが有名です。
 そんな歴史ある花咲駅も、時代の流れには勝てず、合理化で1面1線になったのを経て、廃止になってしまうのでした。



 わずかに湾曲した線路が、かつての構内をしのばせます。
 対向式ホームの片割れは、既に草むらの中に姿を消してしまいました。



 駅舎代わりに置かれた車掌車改造の待合室。
 よく北海道の象徴として『ダルマ駅』などといわれますが、ここ根室地区はダルマ駅のメッカとも言えるべき場所で、お隣の西和田も、その3つ手前の別当賀もダルマ駅です。



 白のペンキで綺麗にされた内部。他のダルマ駅に比べても装飾が多いです。
 10月に訪れたので、中はハロウィン風味となっていました。



 駅前を国道が走りますが、集落(花咲)は丘の下の入り江にあることから人気は皆無です。



 普通列車の一部が通過していくため、下り4本、上り5本と少なめ。あの東追分より少ないです。
 根室市街地からわずか5kmということもあり、花咲の人たちは車を使ってしまうのでしょう。
 人がいても列車を使うとは限らないということを、この駅は教えてくれます。

 次回、廃止駅の紹介後編です。


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