前回のあらすじ

「富士」と富士山を見れました。
2013/12/28 12:35 下吉田駅

とある中小私鉄に、JR西日本金沢支社も真っ青な電車が存在します。
その名は「富士急行5000形」。
真っ青な車体にカラフルならラッピングをまとい、今日も大月と河口湖を行ったりきたりしています。
[富士急行 20 河口湖12:18→大月13:11]
《下吉田 12:35発》
現在の富士急行の車両は、ほとんどがJRや大手私鉄の中古車両です。
2014年3月初めの時点では、以下のようになっています。
・1000形/1200形(普通列車用) 2両×5本 ←元京王5000系
・2000形(「フジサン特急」用) 3両×1本 ←元JR165系「パノラマエクスプレスアルプス」
・5000形(普通列車用) 2両×1本
・6000系/6500系(普通列車用) 3両×4本 ←元JR205系
(※6000系/6500系のみ『系』となっているのは誤字ではありません)
・形式不明(「フジサン特急」用) 3両×1本 ←元小田急20000形RSE 2014年夏より運転開始
これ以前の主力車両は元小田急2200形の5700形でしたから、やはり中古にはかわりありません。
その中で唯一自社製造の車両が5000形なのですが……

富士急では貴重なクロスシートの車内は、見渡す限りトーマスの柄で埋め尽くされていました。
そう。5000形は「トーマスランド号」として、トーマスのラッピング電車となっているのです。
トーマスのラッピングでは京阪が有名ですが、本来の車体色を残している京阪とは異なり、富士急のラッピングはトーマスの青を全身にまとっています。その上に目が痛くなるような色合いのラッピングをまとっており、中も外も元の面影はどこにもありません。いったいどうしてこうなった……

駅の案内は自動放送。なにげに電光掲示板装備です。

運転台の後ろには、お子様用のミニ運転台がありました。え? 操作するわけないでしょ? だって子供用ですよ?
ちなみに、この写真の後2、3人の子供が使ってました。マスコンとかブレーキとかそういうことはわからないままいじっていたようですが。

そんなこんなで、5000形は高度を下げながら大月に向かいます。
国鉄717系をベースに富士急用に製造されただけあって、急カーブ・急勾配の中でも乗り心地は上々でした。
ちなみに、5000形は運用が決まっているので、乗りたい方、あるいはトーマスを避けたい方は要チェックです。
《谷村町 12:57着》

谷村町で降ります。
この駅では「フジサン特急」と行き違いするため4分ほど停車します。

13時丁度。「フジサン特急」が現れました。今回富士急に来た最大の理由である、「パノラマエクスプレスアルプス」色の2000形2002編成です。


ゆっくりと通過していく「フジサン特急」。

13時1分。定刻通り「トーマスランド号」も離れていきます。

谷村町は都留市役所を始めとする都留市の中心街にあります。

駅舎は大きな木造平屋です。

駅構内。構内踏切が残る、2面2線の駅です。

外に出てみました。

駅舎外観。

次の列車までは30分近くあるので、周りを歩いてみることに。
」
この辺りは城下町だったそうで、水路がめぐらされています。


国道沿いにある「都留市資料博物館」。商家の中に入れるようになっています。

入場は無料です。

なにやら立派な建物ですが、これは消防署。江戸時代の雰囲気を残す木造家屋が残るこのエリアでは、新しい建物も町の雰囲気を壊さないようなデザインになっています。

駅に戻ってきました。

待合室で一呼吸。

ホームに出ると、旧富士急色をまとった1200形1202編成がやってきました。現在の1000形が登場する前は全てこの色で、5000形も真っ青になる前はこの色でした。

後ろには1205編成「富士登山電車」をつないでいます。座席指定制の快速で、1日2往復しています。
ちなみに谷村町には停車しません。

本題は大月方面からやってきたこの電車。

1000形1001編成。現在は京王色をまとう編成です。
[富士急行 19 大月13:08→河口湖14:07]
《谷村町 13:27発》
元京王5000系の1000形/1200形は、現在5編成が活躍しています。以前は9編成おり、普通列車は全て1000形/1200形で運転されていましたが、6000系の導入で廃車が進んでいます。1000形と1200形の違いはロングシートかクロスシートかのみで、構成はMc-M'cで同じです。
この1001編成(1001-1101)は、2013年に京王5000系が誕生50周年を迎えたのを機に、京王時代の色が復活しました。しかし、運行は1日1往復に限られており、しかもほぼ固定化されているようです。残る編成も、1205編成は「富士登山電車」ですから運用固定ですし、その増結車は必然的に1200形というわけで、通常ダイヤにはほとんど運行されません。6000系に放逐されてしまった感はあります。

車内の中吊り広告も京王時代のものが使われるなどしています(中のロングシートも京王時代そのまま)。

1000形には電光掲示板はありません。案内も車掌の肉声で行われます。

大きな前面窓は前方を眺められるとあって人気でした。

目に見えて分かる勾配を昇っていきます。

十日市場駅でのひとコマ。
《三つ峠 13:39着》

三つ峠で下車します。


車体番号も京王時代のものが復刻されています。

1001編成の後ろには、1206編成がくっついていました。この塗装が本来のカラーなのですが、改造だの復刻だのをしているうちに、気づけばこの色で残るのは1206編成だけになってしまいました。
(参考:1001編成……京王5000系リバイバル色(クリーム+赤帯)
1201編成……マッターホルン色(赤+白)
1202編成……富士急リバイバル色(水色+青)
1205編成……「富士登山電車」専用車(臙脂色))

この駅で6000系の普通列車とすれ違います。

さて、京王色の1000形とはここでお別れ。駅を出ることにします。

三つ峠駅は西桂町の中心地にあり、富士急の中でもある程度まとまった需要があります。
ここでも谷村町同様周囲を散策……してみたのですが、あまりにもなにもなかったのでカット。

25.0パーミル勾配標だけ撮ってきました。一般の路線なら急勾配ですが、最大40パーミルの富士急ではまだまだ「急」ではありません。

小ぶりな待合室。

三つ峠で降りた理由の一つは、ここで「フジサン特急」が交換するからです。
もちろんそれをファンが見逃すわけもなく――2002編成の引退が近くなっていたこともあり――2人同業者がいました。
ちなみに2人は兄弟だそうです。

大月から「フジサン特急11号」が到着。本来は2000形なのですが、2001編成が検査中なので6000系がその任についています。以前は1200形が代走に入っていましたから、ここでも1000/1200形が追いやられています。
三つ峠駅の交換では安全のため改札内に入れません。仕方なく改札から見守ります。

しばらくして、2002編成が登場! が、望遠をミスってしまいました……

2002編成がいなくなったあと、6000系も発車します。

三つ峠駅の改札口。
次の列車までの間、待合室で時間をつぶします。

14時43分。大月から「トーマスランド号」がやってきました。

河口湖からは6000系が到着します。

ここで乗るのは6000系のほうです。
[富士急行 24 河口湖14:21→大月15:15]
《三つ峠 14:43発》

元205系の車内はロングシートになっています。1000/1200形と同じく、クロスシートが6500系と別区分となっています。

JR東日本式の車内放送がついていますが、案内はアナログな案内図です。
ここまで3本の普通列車に乗ってきましたが、放送・案内・車内全て統一性のかけらもありません。各車両が個性を主張していて、中の人は困っていないのでしょうか。

《東桂 14:48着》
一つ隣の東桂に到着。東桂町の玄関駅です。
時間がないので散策はしていません。

先程までの駅(下吉田・谷村町・三つ峠)に比べると小さな駅舎です。

ホーム側の入口。雑然としているところに、生きた鉄道を感じます。

東桂駅最大の特徴は、上下線のホームがずれていること。それぞれ3両分の長さがあります。

15時8分、河口湖からやってきたのは6000系でした。

大月から私の乗る列車が……って、こっちも6000系ですかそうですか。

そんなわけで続きは次回へ。

「富士」と富士山を見れました。
2013/12/28 12:35 下吉田駅

とある中小私鉄に、JR西日本金沢支社も真っ青な電車が存在します。
その名は「富士急行5000形」。
真っ青な車体にカラフルならラッピングをまとい、今日も大月と河口湖を行ったりきたりしています。
[富士急行 20 河口湖12:18→大月13:11]
《下吉田 12:35発》
現在の富士急行の車両は、ほとんどがJRや大手私鉄の中古車両です。
2014年3月初めの時点では、以下のようになっています。
・1000形/1200形(普通列車用) 2両×5本 ←元京王5000系
・2000形(「フジサン特急」用) 3両×1本 ←元JR165系「パノラマエクスプレスアルプス」
・5000形(普通列車用) 2両×1本
・6000系/6500系(普通列車用) 3両×4本 ←元JR205系
(※6000系/6500系のみ『系』となっているのは誤字ではありません)
・形式不明(「フジサン特急」用) 3両×1本 ←元小田急20000形RSE 2014年夏より運転開始
これ以前の主力車両は元小田急2200形の5700形でしたから、やはり中古にはかわりありません。
その中で唯一自社製造の車両が5000形なのですが……

富士急では貴重なクロスシートの車内は、見渡す限りトーマスの柄で埋め尽くされていました。
そう。5000形は「トーマスランド号」として、トーマスのラッピング電車となっているのです。
トーマスのラッピングでは京阪が有名ですが、本来の車体色を残している京阪とは異なり、富士急のラッピングはトーマスの青を全身にまとっています。その上に目が痛くなるような色合いのラッピングをまとっており、中も外も元の面影はどこにもありません。いったいどうしてこうなった……

駅の案内は自動放送。なにげに電光掲示板装備です。

運転台の後ろには、お子様用のミニ運転台がありました。え? 操作するわけないでしょ? だって子供用ですよ?
ちなみに、この写真の後2、3人の子供が使ってました。マスコンとかブレーキとかそういうことはわからないままいじっていたようですが。

そんなこんなで、5000形は高度を下げながら大月に向かいます。
国鉄717系をベースに富士急用に製造されただけあって、急カーブ・急勾配の中でも乗り心地は上々でした。
ちなみに、5000形は運用が決まっているので、乗りたい方、あるいはトーマスを避けたい方は要チェックです。
《谷村町 12:57着》

谷村町で降ります。
この駅では「フジサン特急」と行き違いするため4分ほど停車します。

13時丁度。「フジサン特急」が現れました。今回富士急に来た最大の理由である、「パノラマエクスプレスアルプス」色の2000形2002編成です。


ゆっくりと通過していく「フジサン特急」。

13時1分。定刻通り「トーマスランド号」も離れていきます。

谷村町は都留市役所を始めとする都留市の中心街にあります。

駅舎は大きな木造平屋です。

駅構内。構内踏切が残る、2面2線の駅です。

外に出てみました。

駅舎外観。

次の列車までは30分近くあるので、周りを歩いてみることに。

この辺りは城下町だったそうで、水路がめぐらされています。


国道沿いにある「都留市資料博物館」。商家の中に入れるようになっています。

入場は無料です。

なにやら立派な建物ですが、これは消防署。江戸時代の雰囲気を残す木造家屋が残るこのエリアでは、新しい建物も町の雰囲気を壊さないようなデザインになっています。

駅に戻ってきました。

待合室で一呼吸。

ホームに出ると、旧富士急色をまとった1200形1202編成がやってきました。現在の1000形が登場する前は全てこの色で、5000形も真っ青になる前はこの色でした。

後ろには1205編成「富士登山電車」をつないでいます。座席指定制の快速で、1日2往復しています。
ちなみに谷村町には停車しません。

本題は大月方面からやってきたこの電車。

1000形1001編成。現在は京王色をまとう編成です。
[富士急行 19 大月13:08→河口湖14:07]
《谷村町 13:27発》
元京王5000系の1000形/1200形は、現在5編成が活躍しています。以前は9編成おり、普通列車は全て1000形/1200形で運転されていましたが、6000系の導入で廃車が進んでいます。1000形と1200形の違いはロングシートかクロスシートかのみで、構成はMc-M'cで同じです。
この1001編成(1001-1101)は、2013年に京王5000系が誕生50周年を迎えたのを機に、京王時代の色が復活しました。しかし、運行は1日1往復に限られており、しかもほぼ固定化されているようです。残る編成も、1205編成は「富士登山電車」ですから運用固定ですし、その増結車は必然的に1200形というわけで、通常ダイヤにはほとんど運行されません。6000系に放逐されてしまった感はあります。

車内の中吊り広告も京王時代のものが使われるなどしています(中のロングシートも京王時代そのまま)。

1000形には電光掲示板はありません。案内も車掌の肉声で行われます。

大きな前面窓は前方を眺められるとあって人気でした。

目に見えて分かる勾配を昇っていきます。

十日市場駅でのひとコマ。
《三つ峠 13:39着》

三つ峠で下車します。


車体番号も京王時代のものが復刻されています。

1001編成の後ろには、1206編成がくっついていました。この塗装が本来のカラーなのですが、改造だの復刻だのをしているうちに、気づけばこの色で残るのは1206編成だけになってしまいました。
(参考:1001編成……京王5000系リバイバル色(クリーム+赤帯)
1201編成……マッターホルン色(赤+白)
1202編成……富士急リバイバル色(水色+青)
1205編成……「富士登山電車」専用車(臙脂色))

この駅で6000系の普通列車とすれ違います。

さて、京王色の1000形とはここでお別れ。駅を出ることにします。

三つ峠駅は西桂町の中心地にあり、富士急の中でもある程度まとまった需要があります。
ここでも谷村町同様周囲を散策……してみたのですが、あまりにもなにもなかったのでカット。

25.0パーミル勾配標だけ撮ってきました。一般の路線なら急勾配ですが、最大40パーミルの富士急ではまだまだ「急」ではありません。

小ぶりな待合室。

三つ峠で降りた理由の一つは、ここで「フジサン特急」が交換するからです。
もちろんそれをファンが見逃すわけもなく――2002編成の引退が近くなっていたこともあり――2人同業者がいました。
ちなみに2人は兄弟だそうです。

大月から「フジサン特急11号」が到着。本来は2000形なのですが、2001編成が検査中なので6000系がその任についています。以前は1200形が代走に入っていましたから、ここでも1000/1200形が追いやられています。
三つ峠駅の交換では安全のため改札内に入れません。仕方なく改札から見守ります。

しばらくして、2002編成が登場! が、望遠をミスってしまいました……

2002編成がいなくなったあと、6000系も発車します。

三つ峠駅の改札口。
次の列車までの間、待合室で時間をつぶします。

14時43分。大月から「トーマスランド号」がやってきました。

河口湖からは6000系が到着します。

ここで乗るのは6000系のほうです。
[富士急行 24 河口湖14:21→大月15:15]
《三つ峠 14:43発》

元205系の車内はロングシートになっています。1000/1200形と同じく、クロスシートが6500系と別区分となっています。

JR東日本式の車内放送がついていますが、案内はアナログな案内図です。
ここまで3本の普通列車に乗ってきましたが、放送・案内・車内全て統一性のかけらもありません。各車両が個性を主張していて、中の人は困っていないのでしょうか。

《東桂 14:48着》
一つ隣の東桂に到着。東桂町の玄関駅です。
時間がないので散策はしていません。

先程までの駅(下吉田・谷村町・三つ峠)に比べると小さな駅舎です。

ホーム側の入口。雑然としているところに、生きた鉄道を感じます。

東桂駅最大の特徴は、上下線のホームがずれていること。それぞれ3両分の長さがあります。

15時8分、河口湖からやってきたのは6000系でした。

大月から私の乗る列車が……って、こっちも6000系ですかそうですか。

そんなわけで続きは次回へ。
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