日本では1945年ポツダム宣言の地としてなじみ深い街。
ベルリンから約30分、人口14万人のブランデンブルク州の州都であるポツダムは、川や湖に囲まれた美しい町だ。
ユネスコ世界遺産のサンスーシ宮殿があり、10~18世紀にかけて選帝候や王家の城として大きく繁栄した。
宮殿や調度品などの遺産は博物館や美術館に公開され、森や緑に囲まれた牧歌的な風景の中で優雅なたたずまいを見せる。
18世紀にブロイセンが王都の座についていらい、栄光と悲劇の歴史を繰り返してきた。
鉄血宰相ビスマルクの時代には多くの建造物が造られ以降大ベルリンと称されるまでになった。
栄光の時代はナチス政権の樹立と陥落と共に陰りを見せ、敗戦により東西分裂の壁が築かれた。
以後長きに渡って東西分裂の悲劇の時代となり、1989年東欧革命の嵐と共にその壁は取り壊された。
幾多の戦争の傷跡を残し乍ら、今や華やかな芸術の香り溢れる文化が街に息づきつつある。
近代的なビルが建設されるかと思えば、また一方破壊された古い教会を相当な時間をかけて
復興するという都市つくりの姿勢は大いに共感される。東西統一後のいまも、
ドイツ連邦共和国の首都として新たな発展へと歩み続けているベルリンを何年後にはまた訪れたい。