livedoorブログが、リンク無しトラックバックの送信を不許可にするそうで、なんとも羨ましい限りなのです。
livedoor Blog 開発日誌:年末年始を写そう!livedoor ピクスリニューアル、トラックバックスパム防止につきまして
■トラックバックスパム防止策導入につきまして
今まで、トラックバックによるスパムを防ぐためにいくつかの施策を行ってまいりましたが、2006年1月10日より、トラックバック元の記事にトラックバック先のブログURLが含まれていない場合、受付を拒否する仕組みを導入します。
この仕組みの導入により不特定多数のブログに無関係のトラックバックを送信することができなくなります。トラックバックを送信する際に、2,3個のブログにまとめて送信される場合は記事の中で送信先ブログのURLを入れるようにしてください。トラックバックスパムの防止と、記事どうしのより密接なつながりを実現するための施策になります。もちろん今後のお客様の声などをいただきつつ、柔軟に対応していければと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。
ただ、このアナウンスを読む限り、リンク無しトラックバックに関する仕様が、イマイチ理解できません。
「リンクの無いトラックバックを拒否する」のか、「リンクの無いトラックバックは送信できない」のか、あるいはその両方なのか?
文脈から判断すると、恐らくは両方の機能が導入されるのだと思いますが、そうだとするのなら、
トラックバック元の記事にトラックバック先のブログURLが含まれていない場合、受付を拒否する仕組みを導入します
の部分は「受付を拒否する仕組み、及び送信を許可しない仕組みを導入します」と書いた方が分かりやすいかと思います。
ところで、このスパム防止対策の新機能、
livedoor Blog 開発日誌に寄せられたトラックバックを読むと、意外にも不評みたいなんですね。
新機能に反対する人の意見を読むと、その多くが、こんな感じ。
- トラックバックは自由であるべき
- 不特定多数の関連記事にトラックバックが送れない
- 過去ログからトラバすることができなくなる
- アクセスアップができなくなる
トラックバックは自由であるべき?
トラックバックは自由であるべきだから、リンクという絶対条件をつけないで欲しい、という人でも、全く無関係の記事やアダルトブログからのトラックバックはイヤ、と意思表示している事が多いです。でもトラックバックが自由であるのなら、そうした「自分が意図しないトラックバック」も許容すべきではないでしょうか。
個人的には、トラックバック機能には「言及通知>リンク通知>関連話題通知」という役割があると思っています。
関連話題通知も機能の一つとは考えますが、この機能を利用する人の多くが、送信相手の記事を読んでいる事を感じさせなかったり、あるいは「トラックバックはアクセスアップの為の宣伝道具」であると考えている節があります。
宣伝道具として用いられているトラックバックは、メールフィルタリング機能を潜り抜けてくるウザイ業者からの迷惑メールと大差無いものだと思います。
不特定多数の関連記事にトラックバックが送れない
過去ログからトラバすることができなくなる
同じ話題を扱っている「関連記事」は、それを読みたい人がブログ検索サービスを使えば、簡単に見つけることができるのだから、そういうトラックバックを許容している人以外には、送るものでは無いと思います。
自分は検索サービスを使って関連記事を見つけているのに、相手がそれをしないと思っているのは、ちょっと傲慢ではないかしら。もし本当に相手が検索サービスを使わないのだとしたら、その話題について、自分が語ったこと以上に知りたいとは思っていないのかもしれません。
また、検索サービスを使う事を、本当に知らないのだとしても、そういう人に向けて複数のトラックバックを送ったのであれば、その全てにリンクをしておけば、トラックバックを送られた人にとっても便利な物になるはずなのに、それをしないのは、「自分のブログのアクセスは欲しいけど、自分のブログから他人のブログにアクセスを流したくない」と言う邪推をされても止むを得ないことだと思います。
トラックバックの機能の一つとして、関連話題の共有化もあるとは思うのですが、そうしたトラックバックは、トラックバックセンター的なものに集約すればいいハナシであって、「他人のブログの記事を便利にするために、一方的にリンクの無いトラックバックを送る」のは「自分のブログに検索などで辿り付いた人にとって、関連性ある話題を共有する事ができない」し、共有化させるために、相手にお返しトラックバックを求めるのは、相手に労力を強いる事になるので、やはり自分勝手なトラックバックといえるでしょう。
過去ログからのトラックバックについても言えることなのですが、検索をかけて「関連性のあるブログ」を探し出し、そのトラックバックPing URLを見つけてコピペするという手間をかけているのに、その記事に相手の記事へのリンクを貼り付けるのが面倒、という言い訳も、ちょっと通せないなぁ。
リンクの無いトラックバックについて、以前よく見かけたのが、「トラックバックのシシテムでそれ(リンク無しトラックバック)を認めているのだから、イヤだったら自分で削除しろ」という物です。
ネガティブトラックバックの場合は、相手への言及通知の意味から間違ったトラックバックだとは思えないし、それがイヤだったら削除すれば? でも良いと思うのですが、「システムでそれが可能なんだから」という理由では、スパムメールやスパムコメント、コピペ荒らしだって認めなければならないはずです。嫌だったら削除すれば良いという理屈なのですから。
だいたい「リンクがあればトラックバック可能」なのですから、リンクすれば良いんですよ。リンクタグなんて、ブックマークレット等で、いとも簡単に作成できるのですから。
実の所、「トラックバックにはリンクが必要」という仕様は、「リンクさえあれば相手構わずトラックバックしても良い」という考え方を生み出しそうで、ちょっとコワイ部分もあるのですが、これについては、また改めて考察したいと思います。
アクセスアップができなくなる
これはもう、問題外ね。
アフィリエイトだけが目的の、中身のないブログからの検索トラックバックは、恐らく大部分の人が嫌っている事と思いますが、「アクセスアップをしたいから」という理由のトラックバックは、基本的にアフィリ厨が発するトラックバックと、ほとんど変わらないです。彼等がトラックバックを発するのも、「アクセスを増やして、一つでも多くの商品を買ってもらいたい」という理由でしょうから。
そもそも、リンクがあればトラックバックできるのですから、仮にアクセスアップのためにトラックバックを利用するのだとしても、リンクタグを書き込めばいいだけの話ではないでしょうか。
僕は「リンクがあるだけ」で送られるトラックバックは価値の低いトラックバックと判断する事が多いですが、今回のlivedoorの仕様変更では、リンクさえあれば、そのトラックバックを正当化することもできるのですから、むしろ大いに利用すべきだと思います。
あ、僕はたぶん削除すると思いますけど。
livedoor Blogのトラックバック制限機能:パンパでガウチョ
できれば、このようなトラックバック制限機能を使うか否かはユーザーの選択にまかせて欲しいと思います。
kyorecobaさんは、このように仰ってますが、僕はちょっと違う意見です。
リンク無しトラックバックを認めるか否かは、ユーザーの選択性があっても良いと思うのですが、送信について選択権を認めると、まだ「リンク無しトラックバック制限機能」を実装していないブログサービスユーザーがターゲットになる事が、容易に想像できます(gooブログなんか、かっこうの餌食ですね)。
これだと、受信者の方ばかりではなく、livedoorブログにとっても「自分のユーザーには検索トラックバックを防御するシステムをとりながら、自分のユーザーが検索トラックバックを送る事を容認する」という悪評を生み出す要因となり、livedoorブログユーザーにとっても不幸な結果となると思われます。
(もっとも、ブログサービスの方で、リンク無しトラックバックの送信を不可能にしても、簡単に送信する事なんてできるんですけどね、その方法については、ゴニョゴニョゴニョ……)
最近
gooブログ スタッフブログでも、(主に海外エロサイトからの)スパムトラックバックに対する苦情が増えています。
トラックバックをスパムと判断する基準は、ブロガーによって異なってくると思うのですが、とりあえず「リンクの無いトラックバックは受け付けない」にすることによって、少数の良質なトラックバックが犠牲になる物の、大部分の悪質なスパムトラックバックを拒絶できます。
書いていることが、
gooブログに「リンクなしTB」の受信拒否機能を要望しますとだいたい同じになってきたので、このへんで止めておこう。