ほりでぃ・キッチン

たわいもない日常を暮らす中で感じた
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お琴

2008-07-11 16:53:29 | 徒然なるハナシ
先日、ある方と「お琴」の話になりまして。

実は、私も、少しだけお琴をかじったことがありまして。
爪が角ばっている生田流。
学校の部活動だったので、合奏曲を多く練習しまして。
2年ほどやって、「中伝」という免状をとりました。

本当は、もうちょっと続けたかったのだけれども、
部活の顧問が、「免状をとれ」とうるさくて。

だってだって、
免状の申請費用が高い!

中伝の次の「奥伝」は、
10万円近くもかかる!

しかも、その間にも、師範の発表会のチケットの割り当てや、
自分の発表会の出演費や…

さすがに、琴は学校の備品だったので、メンテナンス代だけは
部費でまかなっていたのですけれど。
今にして思えば、部活だったんだから、
免状も無理にとる必要もなかっただろうし、
チケット割り当ても、無理やりな出演も、おかしな話であります。
たぶん、部活の顧問に問題があったのでは…と、
今になって、そう思うのですけれど。

日本の伝統芸能は、お金がかかりますね

…いえ、こんな話をしようと思ったのではなく…

今日の話題は…

お琴といえば、雅やかで優雅なイメージがあると思いますが、
これが、結構、体育会系なのではないか?という話です。

というのも、
合奏曲になれば、「17弦」というものがあり、
これは、洋楽器でいえば、ベースの役割をするのですが、
これが、とにかくデカイ!重い!私の身長よりも長い!

学生のレベルでは、ほとんどが下っ端なので、
発表会では琴のセッティングなどを受け持つのですが、
この17弦の担当になったら…そりゃあ、もう、大変です。
デカクて重いのに、持ち手などはなく、
ただひたすら、琴の脇を「そっと」支えて、抱え上げながら持ち歩くのです。

そして、この「そっと」というのがクセモノだ。

なんたって、琴はデリケートな楽器です。
ぶつけてはいけないし、琴柱の位置がずれると音がかわるし、
弦が切れようもんなら、張り替えの時間もかかるし、お金もかかる。

17弦だけじゃありません。
普通の琴だって、セッティングには、気も体力も消耗するのでございます。

それに、弾くのにも体力…というか、指力がいります。
半音にするのに、糸をグイッと押さえるのですが、
中途半端に押さえると、変な音になるので、
体重をかけて、「グイッ」と押さえる。
これが多いときは、練習の段階で、指にマメができます。
特に、「斗、為、巾」と呼ぶ高音の糸は、細い上に、
パンパンに張った琴柱の近くを押さえるので、痛い。

とある大学の部活では、良い音を出すために、
指と腕を鍛える「腕立て伏せ」をやるところも、あるとかないとか…


そして、お師匠さんは厳しい。
お師匠さんが間違えても、クスッと笑ってはいけません。
時には、指を扇子でビシッと叩かれます。
「姿勢」も大事で、「背筋!」と言っては、
ビシッと叩かれます。
お稽古の前後の挨拶は、絶対です。

お稽古が座敷であろうもんなら、正座もつらい。

私は、合宿練習のときに、
4時間正座での練習を続けて、地獄を見ました…

と、このように、実は体育会系の筝曲部。
テレビの時代劇のお公家さんのように、
雅やかにつまびくまでには、
裏で、並々ならぬ努力がいるのでございますね。