『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 序章 》 〈 第十九話 〉 光の絹織

2019年02月01日 19時25分10秒 | 小説





    《 キャラクター&キャスト 》

氏神 スプリングフィールド (三十郎) / ジャン・レ〇
湖神 ナセル (チカチュウ) / キャサリン・ゼータ・ジョーン〇
うさぎの妖怪 : 信造 : 作者  / 伊藤  敦〇



東京光玉の聖者 ( 黒須 光明 ) 高橋  秀〇

聖者補佐 ( 土門 剣三郎 ) 渡〇  謙
聖者補佐 ( 土門 ミツエ ) 松坂  慶〇
     ( 土門  拳三 ) 妻夫木  〇
     ( 土門 かすみ ) 成瀬  璃〇

マーフィー・ラッセル / ヘイデン・クリステ〇セン
エミリー・マーティン / ベッ〇―
ミランダ・マーティン / アヤカ・ウィルソ〇

聖者補佐  川島 章二 / 草薙  〇
父島島民  駒田 幸雄 / 水谷  〇 




   二〇 X X 年十二月十八日(木) 22:10
        カウントダウン ( 80:50 )


《 さて、この聖紀のイベントを静観せねばならぬのは、無念であるが止むを得ん。 一瞬も見逃さず魂に焼付けようぞ。》 ソウシマショ。

「 は、畏まりました。」


さてさて、いよいよ見た事も聞いた事も無い「招喚の儀」 が始まるようです。剣三郎がトランシーバーで準備の為、他の二箇所と連絡を取り合っています。

   暫くして、聖者 黒須 からの通信があったようだ。
   彼の思念を読み取ると、
   「 招喚の儀 」 と 「 次元光廊 」 の説明がなされていた。

  彼はメモ帳に書き取ると、暫し戦慄で茫然としていたが、
  直ぐに気を取り直し、ミツエと川島に思念波で伝えた。

   聖者補佐同士は思念波での交信が可能なのです。
   思念波が使えない者はトランシーバーで交信しています。

  先程の皇居からの光の帯は、今は見えていない。
  即ち、救いを求める者の祈り次第ということだ。

   皇居内の様子はどうなのだろうか?
   少なくとも、数万以上にはなっている筈である。

《 五万五千名を越えたようだ。
スメラミコトと皇族は、宮中三殿の境内で祈りを捧げておる。
神前には上がらず、皆と同じ地面に座して祈りたいとの事だ。
 ミコトはそこまでせんでもよい事だが、
 その徹底した神に対する真摯な想い、見事と言う外ない。
その神々しい程の姿に群衆は心打たれ、
体力や自信が持てなかった者達も魂が震い立っておるのだ。

 何しろ、ミコトと皇后の肉体も年じゃ。
 それより若い者達が、不平不満を漏らせる筈もなかろう。
 このわしでさえ感動で涙が止まらん。
 これでなくてはならんのじゃ。

高貴で高潔に加え、威厳があるのに決して驕おごらない人間等、
この現界では数える程しかいなくなった・・・実に残念じゃ。》

    チュウチュウ~~。

「 何と、そうで御座いますか。
 陛下らしい慈愛と無私な御姿が目に浮かんで参ります。
 これぞ、世界を統べる王たる証で御座いますね。

 あ、あの、ところで皇居の情報はどのようにして
 お知りになられたので御座いますか?」

                       
《 戯けめ、あんな近くのもの「神の霊眼ひがん」では、
 いとも簡単に見えるわい!

鷹の目でも、数キロ先の獲物が見えるのだぞ。
それに地獄耳じゃから、ひそひそ話も聞こえるのじゃ。

 驚いたか! ふふ~~ん?
 ・・・いかん、しょぼい人間なんぞに自慢話とは情けない。 
                
ああ、それとな、次元光廊を潜れた者は、まだ三名しかおらん。
神の審査は厳しいからのう。》        


「 こ、これは恐れ入りました。
 しかし、まだ三名とは ・・・何とも歯痒いですね。
 裏を返せば認識が甘い、或いは危機感が無いか、
 信じていないか、知らないか? でしょうね。」    


    デチュウヨネェ。 チ、チーズタベタイデチュウ。
    ン~ト、カマンベールトカ・・・


《 まあ、そんなところだろう。
 今だにこの事態を知らぬ者も居るでな。
 それも己の曇りよ・・・ん~?

 どうやら一人目の依頼が来たようじゃ。》



         (推奨BGM)

    ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
    『 ロマンス 』 第二番 ヘ長調 作品五十   

    Orchestra: Berliner Philharmoniker

    Conductor: Daniel Barenboim

    Violin: Itzhak Perlman   





  剣三郎は 「 招喚の儀 」 の説明を皆にした後、
  どよめく群衆に対し正座をして合掌するよう指示を出した。

   そして、次にメモを見ながらこう言った。


「 ・・・ 招喚の対象となる人は、
 小笠原諸島・父島在住の駒田幸雄様、五十六才で御座います。
この方は、妻と子供一人をインフルエンザで亡くしているそうです・・・

 では、これより招喚の儀を執り行います。

私が祈りの文言を口に出して言いますので、
皆さんも私に続いて御唱和して祈って下さい・・・

 主神様、父島の駒田幸雄様を、
 この場に招喚賜りますよう御願い申し上げます。もう一度 ・・・」


   剣三郎は何度か繰り返した後、自分もその場に正座をして祈った。
   だが、暫くして後ろが騒がしくなったので振り向いて、驚愕した。

  彼が見たものは群集全員の美しき 祈りの光線 であった。
  それが上空に行くに従い左に巻き付き太い光の帯になっていく ・・・

   あたかも 「 光の絹織 」 のように ・・・
   太さや強さは違えどはっきり光線が見えるのだ。

    一人一人の脳天から美しき絹のような光線が ・・・

   剣三郎は元より群衆達は、
   自分の光と周りの人達の光を見て感動に打ち震え泣いていた。
        
  興奮の坩堝と化した競技場ではあるが、
  間も無く光が薄くなってきた事に皆気付いた。
  当然だ。祈っている者が少なくなっているのだから。

   剣三郎は慌てて、皆を宥(なだ)めてからこう言った。

                          
「 皆様、如何ですか?
 神の偉大なるみ業を、そして我等の祈りが通じることを ・・・

 さあ、感謝と感激を以って強く祈るのです。
 主神様と黒須様、そして駒田様と我等が繋がるようにと ・・・

 では、改めていきますよ・・・」

 
   剣三郎は、また愛の言霊を繰り返した。 幾度となく ・・・

    おお、これは ・・・

  先程とは比べ物にならない位、
  強い光の絹糸がゆっくり絡み合い紡がれてゆきます。

   その美しき愛の織物が次第に上昇し、
   聖者黒須が待つ皇居上空三千メートルへ向かって行きます。

  耳をすませば、その聖者の言霊が聞こえて来ます。


 ( ・・・ もう少しだ。もっと、もっと、がんばって下さい。
   もう少し ・・・ そう、三分の一位まで昇っています。
     がんばれ、がんばれ ・・・)


  こうしている間にも、続々と人が集まって来ている。
  「光の絹織」 を見て興奮したのだろう、目付きが違う者が多い。


「 三十郎様、我々は何も出来ないのですか? 」


《 出来る。観察じゃあ。一人一人感性が違うし、霊層も違う。
 守護霊の導きも違うしな・・・その違いを見極めよ! 》 チュウ!


「 は、はい、畏まりました。」


   いや~、しかし、小さいから良く見えないが、
   守護霊は皆必死で呼び掛けている。

    見渡せば、十人十色の魂の輝きです。

   ん~、祈りへの想い入れが弱く、
   広く深いイメージを持てない人が、多いような気がしますねェ。

  まだ、指示通り義務的な祈りの方が多い気がします。
  ただ、これは積み重ねでコツを身に付けるしかありません。

  それでも魂の光が強く愛情深い者の祈りは、
  人の何倍もの強く太い光線になっています。

   競技場では、およそ五百名中十名程か?
   中位の強さの光線は百名位。

    後は弱いですが ・・・ 徐々に強くなっています。

   体力が弱い人は、それに比例して気力も弱いようです。
   隣の病院からいらした方々は相当きつそうです。

  中には看護士に付き添われ点滴を打ちながら、
  車椅子で祈りを捧げるお年寄りの方も ・・・

   しかし看護士とお年寄りの祈りは、
   かなりの強い光を発しています。

  並々ならぬ覚悟が伝わって来ます。
  実に神々しくあります。涙が溢れて来ます・・・

   何とか一日でも持ってほしいものです。


  この段階で、亡くなりそうな方が数人おります。
  周りの人が励ましています。

    しかし、強い意志を感じます。
    きっと、死しても祈る資格がある人に違いありません・・・

   せめて明日の七時まで持てばよいのですが?


    ところで思い出しました。


「 三十郎様、一つ忘れていたことが御座います。

 明日の六時に何か御褒美があるような話を聖者がしておりましたが、
 それって一体何かお教え頂けますでしょうか?」


《 あん? まあ、よかろう。但し、守護霊達には内緒だぞ。》

「 はい、お約束致します。」

《 それはな、も~ち~じゃ。》 モチュウデス。喪中ジャナイヨ、プッ。

「 はあ、もっ、餅で御座いますか?」

《 そうじゃ、木になるであろう?》 ププッ。

「 はあ、はい。はっ?」

《 木に生る餅じゃ!》 モチュモチュモッチュモチュ♪

    オモチュウダイスキ。テヘッ、チ~ズアジガイイナ~。

「 木に生る餅ですか。どどど、どの木に生るのですか?」


《 光玉内、各聖域全部の木にじゃ。

 たわわに生るぞ、たわわにぃ。

 腹が減っては戦が出来ぬと申すでな。但し、一人一個じゃ。
 足りるじゃろ。前祝いじゃ、ははは・・・》


「 でえ~っ全部の木にですか、
 うっわあ、それは元気百倍になりますね。」


  だ、唾液出てきた。・・・チュウナノ? 垂らすでないぞよ。

  ・・・は、はい。


《 あ~それとな、木が少ない聖域や北国では降り積もった雪が餅になる。
 砂漠地帯では砂が餅に成るのじゃ。掌一杯が一人分じゃ。

 それを食べれば二、三日は食べずとも空腹にならずに済むのだ。
 どうじゃ夢があるじゃろう。
 これが神の愛なのである。感謝せねばな。》 チュウダゾヨ。

「 ははあ、もうお聞きしただけで有り難くて、
 お腹と胸が一杯になりました。」  アラチュ~ウ?



    二〇 X X 年十二月十八日(木) 22:30
       カウントダウン ( 80:30 )



  おお ・・・こうしている間にも、
 光の絹織が深紅のスクリーンに鮮やかに映し出され上昇してゆきます。

  次第に太い筒状の帯に織り込まれて行く様は、
  何と幻想的なのでしょう。

   それは神と人の愛 ・・・そして光の芸術、
   赤いオーロラとの競演 ・・・

  その様子を、第二の太陽となったベテルギウスと、
  深紅の三日月は優しく見守っています。

 暗黒惑星二ビルのアヌンナキは、神々の監視により地球に手出しできず、
 不満と鬱憤は頂点に達していることでしょう。

  ムムッ ・・・ 更なる共演者が合流してきた模様です。

  それは、蒼く輝く星 ・・・ あれが 「第二の地球」 と呼ばれる
  「 第十一番惑星 クラリオン 」 なのだろう。

 その「クラリオン」は地球と同じ軌道を公転しているという。
 いつもは太陽の影に隠れて見えないのだ。

信じられないと言っても見上げれば存在していますよ。ここでは・・・



  そのクラリオン及び主な太陽系内惑星情報 ・・・

 下記の情報は既に地球内部世界アガルタに、
 アセンションを果たされた K さんによるものです。


11.ク ラ リ オ ン ( Clarion )

  『 反地球 』 地球とほぼ同じ大きさ

  推定総人口数 : 3 億 6 千 400 万人
  物質 - 非物質次元領域 ー 5.1次元領域 ~ 6.9次元領域
  霊的次元領域 ー 8.1 次元領域


12.二 ビ ル ( Nibiru )

  『 暗黒惑星 』 地球の約250倍の大きさ

  推定総人口数 : 1278億人
  物質次元領域 - 3.1次元領域 ~ 4.9次元領域
  霊的次元領域 - 5.1次元領域


3.地 球 ( Earth )

  推定総人口数 : 70億人 ( 地表 )
           180億人 ( アガルタ )
            90万人 ( シャンバラ )

  物質次元領域 - 4.1次元領域 ~ 4.9次元領域 
           ( 3次元から上昇している為 )

  霊的次元領域 - 5.0次元領域 ( 地表上 )

  内部世界 ( アガルタ ) 
     - 5.1次元領域 ~ 6.9次元領域 ( 2010年2月時点 )
  内部世界 ( シャンバラ )
     - 9.1次元領域 ~ 11.1次元領域 ( 2010年2月時点 )

   シャンバラマスター ( 聖白色同胞団 ) 144000人
   アセンデッドマスター ( 大聖 ) 144人


〇 火星と木星について

  火星と木星は、現在、
  地球からの3-4次元領域移行転生の受け入れ中で、  
  これは西暦2020年末まで続きます。

   また、火星と木星では多少事情が異なります。

  火星は地球物質界での学びが希薄で、
  無に等しい方々が対象となっており、
  木星は霊性進化の学びを、
  少しでも習得することが出来た方々が対象となっているようです。

   火星よりは木星での転生のほうが、
   まだ比較的安心できる世界のようです。

  ちなみに、火星と木星の次元領域は以下の通りです。

物質次元領域 - 1.0次元領域 ~ 3.9次元領域
霊的次元領域 - 4.0次元領域 ~ 4.1次元領域


* 太陽の次元領域

( 太陽は地殻天体である。
 電波望遠鏡により証明済み! 当然隠蔽されている。)

 太陽内部世界の非物質次元領域 - 16.1次元領域
 太陽内部世界の霊的次元領域 - 23.1次元領域

 ニュートリノは、太陽内部世界より、
 1985年 2月3日 午前 0 時 0 分から、
 地球に降り注がれてきている素粒子です。

 太陽内部に住む太陽神人たちは、
 これを地球のアセンション計画に伴う、
 地球人類の霊性進化のために開始しました。


   K さん 情報はここまで ・・・



 あっ、忘れてならないのは太陽の存在です。
 例え夜でも関係ございません。

  つまり太陽は地球の裏側を現在照らしているのです。

 それでも太陽から放出されるニュートリノや、
 光子(フォトン)は、地球を貫き我等の体も貫き、
 一つ一つの細胞内の原子にエネルギーを、
 送っているのではないでしょうか?

  ニュートリノは人の体を、一秒間に数百兆個も貫いているそうです。

 これこそ太陽神の愛が物質化した姿なのだ。 
 ありがたいことですね。

  あなたの時間は今現在、夜ですか?

では休む時は、主神様と地球の裏で御活躍の太陽神に感謝して寝て下さい。

  あ~~宇宙は夢とロマンに溢れていますねェ。

そう、我等人類神の子人は常に、天の川銀河のオリオン腕に抱かれた
太陽系の宇宙共通惑星 地球という、奇跡の星に住まわせて頂いているのです。



 そこは、無限の主神の「天意の光と夢」に包まれた世界なのです。
 これ以上、何の不足があるというのでしょうか ・・・

あっ、宇宙科学、天文学の勉強もお忘れなく ・・・
要点だけでいいんですから。

 注意点としては、一つの事だけに熱中し過ぎると、
 他の大事な部分が身に付かず、
 欠陥人間になり神様は使いずらいですから、
 満遍なく学ばせて頂きましょう。

ただ人間様の作った仮説を捏ねくり固めた文明って、
つまらなさ過ぎますよねェ。

 それを真に受けて生きる人には、夢も希望もロマンも一握り。

 神の世界は無限の愛で満ちているというのに、
 いやはやお叱りを受けて当然ですね。


 こうして天空全体を見渡すと、赤き炎の正神軍が、
 愛と正義を誇示しているようにしか見えません。

  邪神軍からは鬱陶しくも嫌味な、
  宣戦の狼煙にしか見えないでしょう ・・・

 奴等の歯軋りが聞こえて来そうだが、
 恐らくはこれだけの神気が充満していれば、
 そうそう邪魔は出来ない筈です。

しかし、どこかで必ず奴等は隙を伺い潜んでいるでしょう。
何しろ 「神の光玉」 内で活動出来るのは、
後八時間十五分程でしかないのですから ・・・


 さて遥か彼方、海の向こう側からの祈りの主は、
 必死で叫んでいるに違いありません。

  もう少し、もう少しで光の帯は聖者黒須の十字架に届きそうだ。

 剣三郎や拳三、マーフィーにその他の奉仕者達は、
 光の弱い人に激励をしています。

  その甲斐あってか、あまり利他愛の無さそうな人も、
  祈りの波動が強くなって来ている。

   チラチラと、上昇する光の束を確認する度、
   勇気と力が湧いて来ているようだ。

   ・・・ あああ、遂に遂にこの時が ・・・


   駒沢公園に集結した、千数百名の皆様の祈りが、
   光の絹織が今、光の十字架に繋がった!

  おお、聖者黒須の十字架が強烈な閃光に包まれた瞬間、
  南の空の彼方に太い黄金のビーム光線が放たれました。

 しかし何故か、そのビーム光線と地上からの光の帯は、
 一瞬で弾け散りました。


  ・・・おおお、その光の粒子が頭上から、
  まるで大輪の花火が散った後の枝垂れ落ちる火花のように、
  宙を舞ってゆらゆらと降りて来ます ・・

  美しい ・・・ 言葉が出ません。

   皆、見とれて溜息があちこちで漏れています。

    「 あああっ!!」

   ぬ、群衆の後方で誰かが叫んだ。そうか忘れていた。
   皆が向いた場所には、光を帯びた一人の男性の姿があった。


《 良くやった、見事だ! 我が子供達よ。》

  チュウダワネェ、ホホホホ。

「 本当に良かったですね。」

 
  その男性、駒田の元に皆集まって行く ・・・
  彼は横になって倒れている。

  表情は夢見心地という感じである。
  だが、直ぐに意識を取り戻した。


「 ここは、一体何処です。・・・どど、どうなっているんだ。」

「 ここは、神の光玉内の駒沢公園、祈りの聖域ですよ。」

  近くの女性が答えた。
  彼は、興奮して事の経緯を話し始めた。


「 わわ、私は見たんです! 天使様を!
 ・・・ 薄っすらと光の中に、優しく微笑んで ・・・

 こっ、この私の体を抱きかかえ ・・・
 それから意識が無くて、気付いたら此処にいました。

  そ、それがまさか、駒沢公園とは ・・・
  信じられませんが、祈りが通じたんですね ・・・

 か、神様、本当にありがとうございました。
 天使様ありがとうございました。
 ううう、うあっ、ああああ~~~っ!」


   拍手喝采の中、駒田は周りの皆から胴上げをされた。


「 やった、やったんだ! 俺達はやったんだ。」
「 凄いよ! 奇跡が起きたんだ。祈りが通じたんだ。うあ~~!」


  皆、喜び涙を流しながら、
  お互いを讃え合い神の偉大さを実感していた。

   感動とは神動。歓喜は神喜なのだろう。

  皆の血が沸き立ち、無限の力が噴出するのを感じます。

  更に私が体感した、あの大霊宮、神議り場での
  究極の感動の一端を垣間見た瞬間でもありました。

   実に素晴らしいことです。

  しっかし、天使が次元光廊を潜って来ていたとは ・・・
  何とも凄い演出です。


《 そうじゃろう。神の演出とは芸術そのものじゃからのう。

   「神様お願い申し上げます。 ポンッ!」

 で目の前に現れたら芸が無いし感動も薄れるからのう。

 そうは思わんか?》


    ポンッ!?? 

  ・・・ああ、あ、アレッ? タマゴ 産まれた、フフ・・・


「 おっしゃる通りで御座います。
 では、先程三十郎様が天使の件をおっしゃられなかったのも
 演出といういことで ・・・」

《 おお、分かるようになって来たではないか。
 物事、始めから全部言ってしまっては、
 面白くないからのう。ホーホホ。》


   お、他の二箇所からの人達も駆け付け、祝いの輪に加わった。
   ミツエとあの姉妹の姿も見受けられる。

    剣三郎か連絡を取ったのだろう。

   そこに、群衆を掻き分け剣三郎が入って来て、
   南方からの同志に挨拶をし、
   涙ながらに 「招喚の儀」 の説明をして聞かせた。


「 ・・・ そのようなことで、あなたは此処に招喚された訳です。
 本当におめでとうございます・・・

  お集まりの皆様!
   盛大なスタンディングオベーションをお願い致します。」



    うおおおおおおおおお~~~~っ !!!


    と、歓声交じりに万雷の拍手が巻き起こりました。
    いやあ、彼は人をうまく乗せる術に長けていますねェ。

   すると、剣三郎に新たな指令が下った様だ。
   彼の大きな目が更に大きく見開いた瞬間、
   慌てて左のポケットからメモ帳とペンを取り出し書き取り始めた。

    そこを拳三がペンライトで照らしている。

   次に走りながら元居た場所に戻るよう皆に指示した。
   急いで拡声器のマイクでメモを見ながら話始めた。


「 え~、黒須様から、次の指令を頂きました。
 それは、この光玉外に救いを求める人がいるとのことです。

横浜市港北区の相田由実子様、62才、一人暮らしで足腰が弱く、
近所では直ぐにこちらへ向かう人が居ない為、
大通りで車に乗せてもらおうとして、
そこに向かう途中転んで足を捻挫して、
その場で動けなくなったそうです。

 この方を、直ちにこの場にお連れするようにとのことです。
 つまり、招喚の業は余程の事が無い限り許されないのです ・・・

  拳三、この役はお前に任命する! いいな!!」


   この時私は、拳三に流れる血が一瞬で沸騰したように感じた。


「 はいっ、喜んでお受け致します!」 けっ、敬礼ですか! 


  うひゃひゃひゃ、やったぞう! 一人レスキュー隊だあ。
  ヒーローだあ、くうう~。あ、いや不謹慎だな。
  それに、そうはしゃいでもいられない ・・・

   拳三の思念である。 彼らしい発想だ。


「 ねえ父さん、その相田さんは、ど、どうやって探すのかな?
 携帯もここ数日、通話もメールもダメだし、番号分かるの?
 それとも住所で探すの?」

「・・・それが、何でも赤い光が指し示すとの事なんだが、
 お前見えるかああ~、あれじゃないか?
 ああ~そこだよ、あそこ~!」


   剣三郎が指さした先には、
   光の灯台から伸びた赤い光が確かに見える。


「 えっ、うっわあ、見えるよ。
 あの先にいらっしゃる訳だ。凄いよ全く!」

「 えっ、どこどこ? 僕には何も見えないけど。」

  マーフィーが顔を顰めた。

「 あ~たしも、見えないいーー!」


  かすみが双眼鏡を覗きながら叫んだ。何持って来てるんだ。

「 ちょっと貸しなさい ・・・ああっ、あたしもーーー!」

  ミツエが、その双眼鏡をかすみから取り上げて叫んだ。 あのネェ ・・・

「 え~、どこなの、どうなってんのよ、お~い!

  叫んでどうすんのよ~い。

「 ああ、お姉ちゃんのお腹がグウッて鳴った。ププッ。」

  ソッチですかぁ~い。ミランダをニランダエミリー、ププッ。


「 ・・・ お、お前達なぁ、

 いいか、あの光は私と拳三、
 つまり救いに向かう者にしか見えないそうだ。

 これから、何人も人海戦術で救わねばならない為、
 混同しないようにとの配慮からだ。

 いやあ、全く素晴らしい ・・ ん? 
 おいおい、ミツエと川島君達は早く戻って ・・・

 あ、そうだ。体力、特に持久力に自信のある者を選抜しておいてくれ、
 指令が降りたら順次救いに向かってもらうからね。頼んだよ。」


「「 はい、了解しました!!」」


  そう敬礼して、ミツエと川島は、
  それぞれ連れて来た同志達と戻って行った。

  皆、高揚して益々血が熱く燃え滾って来たようだ。
  お互い笑顔で励まし合っている。

   団結心が更に増したことでしょう。




       (推奨BGM)

  ジョージ ・ ウィンストン  DECEMBER


  




  二〇 X X 年十二月十八日(木) 23:00
     カウントダウン ( 80:00 )



   さて、剣三郎は拳三と何人かで、
   地図を囲んで道順を検討している。

  これは大事な作業だ。

  赤い光線辿って行けばと思っても、
  徒歩で道を誤れば数十分かそれ以上の時間が無駄になる。

 光線はカーナビのように、道路の上には示されない。
 故に最短距離を導き出す作業は絶対不可欠だ。

  こういう時に無計画な奴は使えないし使われない。
  なんとかなるさ方式も通用しない。

   人の命が懸かっているのだ。

  どうやら道順が決まったようだ。
  車椅子を押しながら向かうことになるので、
  ここから横浜まで、片道一時間以上は掛かるだろうか?


「 父さん、じゃあ行って来ます。連絡は取れなくなるけど、
 必ず相田さんを連れて戻るから祈っててよね。」

「 勿論だとも。それと、今気付いたんだが・・・
 あの赤い光線は私にも見える訳だから、
 お前がこちらへ向かうようになれば一目瞭然だ・・・

 こりゃあ凄い。何かあれば、助っ人を向かわせる事も可能だ。
 これは、何と言う神様の御愛情だ。」


   なるほど~。ナルヘソ~。


「 いやあ、ホント凄いや。と、とにかく行って来るよ。
 それでは皆さ~ん、行って来ますので応援宜しくお願い致しま~す!」



  と、手を振り、群衆からの声援を受け、
  空の車椅子を押しながら拳三が走って行った。


「 お~い、ペース配分には気を付けるんだぞ。
 ああっ、おい待て~、水を持って行けぇ~!」


  慌てて剣三郎が、水の入ったペットボトルを抱えて走って行った。
  そう言えばそうだ。水無しじゃ無理だ。危ないところだった。

  ということは、予備の水がかなり要りますネエ。


《 まあ、それもそうだが程々にせんとな。
 人間、無いものねだりもするが、
 有ればいいだろうということにもなる。》 チュウダヨネエ。

「・・ それは、つまり明日からの話ですね ・・・
 二日目位で自分の水が無くなった時、
 予備の水をくれという事になると ・・・」

《 その通り。忍耐と自己管理の訓練でもあるのに、
 それではいかんじゃろうが。》 チ~カ。

「 水をニリットル以上飲むと、いったいどうなるのでしょう?」

《 いや、それは飲めんじゃろう。
 何せ規定の量を超えると、水が血に変るのじゃからな。
 神は甘くはないのじゃ。》 チ、チカ、血~カ? 血ュウ~~!

「 うえっ、血で御座いますか。それは、飲まないでしょうねえ。
 で、では木に生る餅を二つ食べたら、如何でしょう?」
      
《 その場はお咎め無しじゃ、
 だが勿論、神との約束を守れん奴は使えない。
 因って七時までの命となる。言うまでもないわ。》

    ハシタナイデチュウ。

「 はは、本当の最期の晩餐で御座いますね。怖い。」

《 ふん、食べられただけでも増しじゃろう。

 どれどれ、あまり一箇所に留まっていても状況は掴めん。
 あちこち視察と洒落込もうかのう。

 スミレ様からは、その辺の自由は与えられておるから心配は無い。
 どうじゃ、チカチュウ殿に信造よ。》 

 イイゾヨ、チャンチュウロウ殿。

「 私も賛成で御座います。」

《 しかし何だな信造。

  そんな姿なのに、おぬしだけ愛称じゃないとは・・・
   これから「 うさぞう 」と呼ぶが、良いな。》 

「 ははあ、有り難き幸せに存じます。」  

   ウサゾ~~オサン、ゾ~~オサン、ププッ・・・

《 よ~し、では出発進行じゃあ!》

 チュウ~~!

「 おおお~~~!」




 あああ、木に生る餅食べたいですねェ ・・・

ところで、その木に生る餅ですがぁ、架空の話ではないのです。
この地球は過去に幾度も大天変地異がありました。

 その都度、人類の救済措置として、木に餅が生ったと、
 人類最古の古文書である、「竹内文書」に示されているのです。

それ故、日本人は特にそのご恩を忘れまいと、
正月には餅を神前や仏前にお供えしたり、
東北や一部の地方では、
紅白の餅を小さく丸めて木に直接つける風習があります。

また旧約聖書にも、モーセとイスラエルの民がエジプト脱出した後に、
荒野をさすらい苦しみましたが、ある時の夕方、
うずらが飛んできて宿営を覆い、
朝には、宿営周辺に霜が降りたといいます。

その霜が、「マナの奇跡」と言われる、白く甘い食べ物だったのです。

 ただ、旧約聖書はサタンが書いた
 偽書であるとの情報がありますが ・・・

それに、これから起きうる七度目の大天変地異の際には、
どうなるかは知れません ・・・

 あったらいいですね!




最新の画像もっと見る

コメントを投稿