ちょうど6年前の今日、まさに挙式に間に合わせるべく、木目金の結婚指輪を作っていた真っ只中でした。
私が当時通っていた彫金教室の先生は、伝統工芸にも詳しい方で、私が「木目金の結婚指輪を作りたいんです」と相談した際には、様々な事をご教授下さいました。
まず、材料をどの金属にするのか。
木目を綺麗に表現するために、どのように金属を叩くのか。
さらに、叩いただけでは単調な木目の柄になってしまうという点から、それをどのようにして複雑な木目にしていくのか。
それを最後、どのように指輪に仕上げるのか。
そういった、全ての事に助言を下さり、今の私の手におさまる指輪を完成に導いて下さいました。
感謝の一言です
まず、材料については、色のコントラストや金属の硬さ等、諸々の事を考え、純金では軟らかすぎるため18金とシルバーを用いる事になりました。
用意した金属を長方形の板状に、糸ノコでカットしたところからスタートです。
それらをミルフィーユ状に重ねてロー付けします。
※これは、ロー付けしてから叩いた後です。
※木目の柄をいかに面白くするか、という観点から、金属をロールしました。
しっかりロー付けしたら、いよいよそれを金槌で叩いていきます。
イメージとしては、刀鍛冶のような様相です。
ひたすらひたすら無心になって叩いて叩いて叩きまくります。
途中、叩いているうちに金属は硬くなってきますので、再びバーナーで温め、これでもかと叩きます。
常々、自分は粘り強さに欠けると思っていましたが、先生に「根性がある」 とお褒めの言葉を頂いたくらい、金属を叩くのは大変でした。
場合によっては、自分の指を叩くこともありますし、手は次第に痺れてきます。
でも、自分が興味を抱いていた木目金に挑んでいる喜びと、切実なタイムリミットが私を突き動かしていました。
そんな地味な作業を、お昼休憩を挟みつつ、朝10時頃~夕方5時頃まで、この頃には最低でも週2回は教室で行っていたと思います。
おかげで、一般的な20代女子が鍛えないような部分の筋力を獲得しました。
そんな作業を続け、どんどん凝縮されたように小さくなっていった金属の塊を、いよいよ指輪の形にするため、真ん中に穴をあけます。
初めは小さな穴で、乱暴に説明するならば、そこに棒を突っ込んで棒を金槌で叩いて無理矢理広げていく。そんな感じです。
とても、これから挙式を控えている花嫁の所業とは思えませんよね。
そして、自分と旦那さんの指のサイズまで穴が広がれば、あとは削ったり磨いたりして、ピカピカの指輪に仕上げていくだけです。
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自宅にも自前の工具がありましたので、この作業だけは毎日自宅で行っていました。
さすがに金属を叩くことは、騒音問題になりかねないので自宅でやることは控えていましたが、ヤスリで削ったり磨いたりする作業は、さほど音が出ませんので、ひたすら自宅で満足のいく形までやりました。
そして、完成。
感無量でした。
デザインは本当にシンプルな形ですが、そこに込められた私の怨念😝に近いような気持ちと、木目金ならではの味のある柄は、唯一無二の美しさです。
子ども達がもう少し大きくなって、自分の時間を持つゆとりができてきたら、また何かもの作りに励みたいなと思います😊