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朝の光を、昨日よりも強く。「また来たの?」
そう呟いたキミの瞳は、潤んでいた。
つまらなそうに、キミは外を眺めるから
ボクは時計の針を震える腕で必死に止める。
キミは涙を見せないから
ボクが代わりに泣いてみせる。
キミは突然傘を投げ出し、
両手を大きく空へと広げた。
そんな優しいキミにプレゼントをあげる。
「あ!虹だ!」
その笑顔に、つい神様もキミを甘やかす。
「あ!四葉のクローバーだ!」
街が闇に沈む時、
ボクの体は、指の先から
崩れゆく儚い城のように
その実体を無くしていく。
目を閉じようとしないキミは
またボクを今日に止めようとする。
でもね、それはまだ少し先かな。
臆病なキミも甘えん坊なキミも
ボクは誰よりもキミを知っている。
だから「また来るね」って言葉をかける。
するとキミは、
諦めたように深い眠りについてしまう。
頬を伝うその涙を、
いつかボクのものにしたい。
「また明日」
そうしてボクは、キミの為に
また朝を連れてやってくる。
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乾燥しきったその瞳に、潤いの日常を。
毎日同じことの繰り返しは、
どうしても慣れを生み出してしまいます。
当然のことですが
私たちが過ごした今日は
もう戻ってくることはありません。
そう考えると、
なんだか寂しいような気がします。
だからこそ、今日という日を
その瞳に心に刻み込むように過ごしています。
昨日見た景色、人、もの
けれど、それらは全て昨日とは違います。
その微妙な変化を楽しみにして過ごすと
世界は潤って見えます。
何だか今日の空は、いつもより青いな。
〇〇さんって、こんな風にも笑うんだ。
どんな些細なことでも、
見つけることができたのなら
あなたは今日を生きています。
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