いのちの源

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夫の裏切り-不倫の混乱状態から抜け出す方法とは?

2019-12-05 11:54:27 | 賛美の心

 11月は既にとても寒くなっていました。夕暮れ時、道にいた他の人たちは誰もがそれぞれの家に向かって急いでいました。シャオユウのみが、まるで足が死んでしまったのように弱々しく自転車をこぎながら家に向かっていました。以前、彼女は、通常できるだけ早く自転車をこいで家に帰っていました。しかし、今彼女は家に帰るのが嫌でした。なぜなら、つい先日、予想外の出来事が彼女の心をもやのように包み込んだからでした。

 その朝、シャオユウは夫がトイレに行こうとした時、夫の服を片付けていました。意外にも、これを見た夫は怒ってこう言ったのです:「どうして俺の服を持って行くんだ?俺の財布に触るな。」シャオユウは大抵いつもの時間に同じように夫の服を片付けていたのですが、夫のこのような激しいリアクションを見たことはありませんでした。一体彼はどうしたのでしょう?夫の普段と違う振る舞いを見たシャオユウは困惑し、軽率にこう言いました:「何がいけないの?どうして私はあなたの財布を触ったらいけないのよ?何か恥ずかしいことでもしたの?」彼はそわそわした様子でこう言いました:「何もしてない!ばかなことを言うな。」シャオユウは夫の見せた不安そうで後ろめたそうな表情に驚き、夫の財布を開けたくてたまらなくなりました。予想通り、彼女は電話番号が書かれた一枚の紙切れを発見し、その裏面には「妻」と書かれていました。彼女はすぐに夫を睨み付けながら問いただしました:「この’妻’って一体誰なの?外で不倫しているの?」彼は素早く目をそらしてシャオユウを見ようとしませんでした。彼はしばらくためらい続け、何も説明できませんでした。シャオユウは夫は行動の素早い人で、何か悪いことをしていない限りこのような振る舞いはしないことを知っていました。彼の隠蔽行為はシャオユウの言ったことを一層はっきりと証明していました。

 少しの間、シャオユウは怒りでカッとなって何も言うことができませんでした。彼女はすぐに、夫が他人になってしまったように感じました。とても悲しくなり失望した彼女は、こう考えました:「長年の間、家族のために沢山のものを犠牲にしてきたのに、夫は単純に価値のあるものと無いものの区別がつかないから外で浮気をしてしまうなんて。」絶えられないほどの困惑が心の中で込み上げてきて、彼女は泣き崩れそうになりました。しかし、彼女はほんの僅かの不快も我慢できず、こう考えました:「夫は外で女と浮気したんだから、もう一緒には生きて行けないわ。離婚するしかないわね…」しかし、一度は幸せだった家庭がバラバラになってしまうことを考えると、彼女はそう踏み切ることをしぶりました。彼女の目から涙が湧き出し、心臓に突き刺さるような痛みが彼女の各神経を襲いました。この痛みの中、シャオユウは心の中で神に助けを求め続けることしかできませんでした…

 夜になると、シャオユウは1人で道を歩いていました。冷たい風がうなり、彼女のコート吹き抜けていきました。彼女はとても寒くて体が震えました。ほのかな街頭の明かりの下で、シャオユウは道の両側には明るく輝く灯りのついた住宅が並んでいたのに気付き、それはとても温かそうに見えました。彼女はかつて同じように温かかった自分の家のことを考えずにはいられませんでした。しかし、それはもう崩壊してしまうのです。彼女はとて惨めな気分になり、過去の出来事が彼女の目の前に浮かびました。

 シャオユウと彼女の夫は一度工場で働いていたことがありました。当時、彼は口数の少ない男で、女性とは滅多に話さず、工場内では何をするにも一生懸命でした。正直な同僚が虐められることがあれば、彼はいつも彼らの味方をしていました。シャオユウは彼は正直で優しい人だと感じました。沢山の人が彼よりも裕福な結婚相手をシャオユウに紹介しましたが、それでも彼に本当に惹かれていた彼女はその全員を断っていました。そして、シャオユウは家族の反対を押し切って貧乏だった彼との結婚を選びました。

 その後、シャオユウはビジネスに貯金の全てをつぎ込みました。その1年後、彼らには長男が生まれ、彼女の夫は家の中と外で今まで以上に全てをこなしました。彼らの次男が生まれた後、シャオユウは体調を崩してしまい、彼女の夫は何の文句も言わずにビジネスを経営しながら子供たちの世話を手伝いをしました。後に、彼らのビジネスが立て続けに何度か損失を被ると、シャオユウは何とか資金を集めて夫と一緒にビジネスを築き上げる努力をしました。彼らはお互いを助け合いながら今日まで共に歩んできたのです。加えて、彼らの子供達は2人とももうすぐ大学を卒業するところまできていました。家族全員が漸進的により良い生活を送っていたのです。裕福な生活を送っていたわけではありませんが、シャオユウはとても幸せでした。しかし、彼女はどんなことがあろうとも彼女と一緒に25年間共に苦労してきた夫から裏切られるとは決して思っていませんでした。

 こう考えていると、シャオユウの視野が涙でかすみました。彼女は全く理解できませんでした:「以前、彼女の夫は常に彼女に気を使って、他の女性と冗談をいうことなどなかったのです。近所の人たちは彼を模範的な夫だとまで言って褒めていました。どうしてこのような正直な男が不倫などしてしまうのでしょう?彼女は考えれば考えるほど増々悲嘆していきました。長年に渡って払ってきた犠牲全てが浮気されることにしかつながらなかったことを考えると、彼女は彼に対する嫌悪感でいっぱいになってこう考えました:「私をこんな風に扱うんだから、あなたの浮気をあなたの家族と私たちの息子に話してあなたにも苦しい思いをさせてやるわ。私は息子があなたを嫌うようにして、あなたをこの家族から追い出して、二度と顔を合わせないようにしてやるわ。」しかし、その時、彼女は自分は神の信者であり、そんなことはするべきでないと考えました。悲しみの中、シャオユウは神に助けを請い続けました:「ああ、神様!私の夫は浮気をしてしまいました。私は彼が嫌いです、そして悲嘆に暮れています。私はこの事態とどう向かい合えばいいのか分かりません。神様!…」

 知らぬうちに、シャオユウは既に自宅のドアに到着していました。彼女がドアを開けるとすぐに、夫が立ち上がって謙虚にこう言いました:「ご飯が冷たくなっちゃったよ。2回暖めたんだけどね。早く食べてね。」シャオユウは彼に返事はせず、テーブルに向って真っすぐ歩いて怒りながら腰を下ろしました。彼女の夫は急いで食事を出し、何も言わずにビクビクしながら横に座りました。一瞬にして、空気が凍り付いたように寒くなり、部屋の中はゾッとするほど静かになりました。聞こえるのは頭を下げていた夫の溜息だけでした。怒りと嫌悪感でいっぱいだったシャオユウは、彼に背中を向けたままコンピュータの前に座りました。そして、その時、彼女は振りむき、冷たくこう言いました:「ちゃんと考えたの?考えたなら、離婚しましょう。」この瞬間、夫は彼女の後ろで長い溜息をつきました。彼は低い声でこう言いました:「俺は離婚なんてしたくないし、考えたこともない。そんなに怒らないでくれよ。お前には悪いことをしてしまって、今は自分が悪かったって分かってる。今は子供たちが勉強を終わらすのにお金がいるから、俺が働いて稼ぐ必要がある。半年もすれば子供たちは卒業するし、子供たちの学業が終わり次第、お前が俺を見るだけでイライラするようなら俺は出ていくよ。ここ数年は俺も心の調子が悪くて、放心状態のまま生活してるんだ。仕事に行っても、落ち着かなくてしょっちゅうミスをおかしてしまう…」彼はすすり泣きながらむせてしまい、こう言った後トイレに行きました。


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