たとえば模型道楽

1/48 フェアリー フライキャッチャー

パイロのフライキャッチャー。以前作ったホーカーフューリーの仲間。かれこれ50年以上前のプラモデルだが、最近東欧のメーカーが恐ろしく凝った、高価なキットを出すまでは唯一の製品だった。ロバートテイラーさんの箱絵とも相成り、今でもそそられるキットだ。そもそも、インパクトと言う会社が出したキット。出来が良かったせいかパイロ、ライフライク、リンドバーグと流れ流れて売り続けられた製品だが、当然、今や絶版なので悪しからず。

と、持ち上げては見たが中身は大昔のプラモデルなので、それなりに手間暇、工夫、忍耐、諦め等が沢山有った方が良いね。正直、少し、くたびれた。資料はネットとプロファイル。ただ、現物は残って無いので色付きの写真は鵜呑みに出来ない。

一番苦労したのはやはり脚柱。見て通りのやぐら組で、(太目なのだが)細い、脆い部品をだましだまし組んで、直角垂直を出すのは一苦労だった。私は、当然折ってしまったりが有ったので一層大変だった。アフターパーツなんか無いし。

次に呻吟したのはエンジン。ジュピターエンジンは鳥の巣のような印象でプラモデル向きではない。更にフライキャッチャーはこれが剥き出しで付いていて、らしさを醸し出している。キットのエンジン、前側は年の割には頑張っていて、まー良いかなのだが後ろの吸気系と排気系のパイピングが無くて非常に寂しい。古いから、で、そのままでも味わいはあるのだが、つい色気が出てしまい一苦労。吸気マニフォールドはスクラップパーツ(多分何かのエンジン部品)排気管は1mmの電線(タミヤで売っている奴。単線だったら良かったのに。)の撚り芯を抜いて単線を仕込んで作ってみた。少なくともごちゃごちゃ感は出せたと思う。しかし、乱暴な排気系だ。

キャバネストラットはきっちり組めるように前後一体化してあるが繋ぎの部分の整形が大変そうだったので切り刻み、胴体部を綺麗にしてから組んだ。

張り線は黒テグス0.8号。やりたくなかったが目立つので頑張ったエルロン操作ケーブルはウイングナットで売っていた伸びる糸(多分ゴム系)Fine。これは、軽く張って固定してから、伸ばしてクォードラントに掛けられるので意外に使いやすかった。

デカールは当然別売品(モデルアライアンス)。グローリアスの搭載機が有名なのだが黄色のバンドはニムロッドが有るので渋めなこれに。

伊達にフェアリーを名乗っていない奇妙な形の飛行機なのだが、飛ぶにも着艦するにも非常に扱い易かったそうだ。尚、胴体に付いてる機関銃、当初、右側は手が届かなく操作出来なかったとの事。やっぱり、フェアリーだな。

 

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コメント一覧

辻堂ジップ
黒猫2号さん、おはようございます。有難うございます。
1/72に比べれば、大きいので目がくらむほどの事は無いと思いますが、それ故、ダブルはダブルにしたくなるので厄介です。このキット、黒猫2号さんが好みの腰が引けそうなメーカーに比べれば少しはましだと思いますよ。フライキャッチャー、鳥の名前と言われて初めて調べたら、キビタキなんですね。なるほど、グローリアスの黄帯塗りが有名なのが判りました。
黒猫2号
今晩は、辻堂ジップ様
完成、おめでとうございます(^^)
目の眩むような張り線ですね、ダブルの張り線がちゃんと平行になっている!
これ私はOS2Uでも出来ませんでした、本当に凄いと思います。
やぐら組みの脚柱も大変でしたね、としか言いようが有りません
兎に角、記事を読ませて頂いただけで、腰が引けてしまいました(笑)
フライキャッチャーなんて名前が付いているので
ド素人な私は一瞬「ハエとり?」と勘違いしてしまいましたが
イギリス軍の命名規則では、ちゃんと鳥の名前になっていたのですね(^^;
辻堂ジップ
クラキンさん、有難うございます。
やはり、好きな物を作る分には、多少の苦労も楽しみになるようです。このシリーズ、さすがに新しいエデュアルドの複葉機キットと比べるのは可哀そうですが大変良い雰囲気に仕上がるので贔屓にしています。さすがに最近は見かけないですね。hajimeさんにもお伝えした通り、別売デカール、これも随分前に買い込んだはずです、が手元に有ったのが一番の励みになりました。
辻堂ジップ
hajimeさん、有難うございます。古い製品なのでさすがにタミヤのキットのようには行きませんがクラエアとかスぺホの簡易キットよりは作り易かったですよ。若い頃、買ってみたは良いが作れなくて、仕舞って有ったのが作れるのはもろもろの材料・工具の進歩のせいだと思います。何より別売デカールが手に入ったのが一番です。
クラキン
完成おめでとうございます。
古いキットを丁寧に工作され、素晴らしい完成品に仕上げられています。
張り線、エンジン回り、主脚回り等、シャープで完璧だと思います。
当然と言ってしまえばそれまでかも知れませんが、ダブルの張り線もちゃんと再現されているのも流石です。
hajime
完成おめでとうございます。
記事を読んでいくうちに、どんどんこれは大変なキットなんだと思うと同時にそれをカバーしていくテクニックがすごいなあと心底思いました。
飛行機素人の私ですが、込み入った足回り、主翼上面のデカール、張り線などなどどれもすごいなあと感服いたしました。
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