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魚を食べない人は食べる人より6倍の認知症リスク アミロイドβタンパクの蓄積防ぐ不飽和脂肪酸

2017年11月26日 | 健康情報
【健康寿命UP術】

 認知症の原因の半数以上を占める「アルツハイマー病」では、アミロイドβ(ベータ)タンパクがたまり、脳の神経細胞が変性して死滅していく。結果として、脳が萎縮してさまざまな症状を引き起こす。しかし、高齢になったからといって、アミロイドβタンパクが急に増加するわけではないそうだ。

 日本認知症ケア学会理事長などを兼務する和光病院の今井幸充(ゆきみち)院長が説明する。

 「アミロイドβタンパクは、中年期以降、誰もが脳内に少なからずたまってきますが、それがアルツハイマー病の原因になることは知られています。さらに最近の研究では、アルツハイマー病を発症する何年も前から、このタンパクが蓄積され、性質が変化すると発症することが分かってきました。早い時期から予防に努めていただきたい」

 今井院長によれば、日頃の生活を少し見直すだけでも、認知症予防につながるという。

 たとえば、魚をよく食べるようにすること。疫学調査では、魚を1日1回食べる人のアルツハイマー病の危険度を「1」とするならば、食べない人は6倍に跳ね上がっていた。サンマやイワシ、サバ、マグロなど、魚に含まれる不飽和脂肪酸(DHA、EPA)が、アミロイドβタンパクの蓄積を防ぐそうだ。また、野菜や適度な飲酒もリスクを下げ、有酸素運動も役立つ。この食生活の見直しは、生活習慣病の改善にもつながっている。

 「九州大学久山町研究(疫学調査)では、糖尿病が主にアルツハイマー病の危険因子になり、中年期の高血圧は、血管性認知症の危険因子と報告されています。認知症予防では、生活習慣病予防も重要なのです」

 血管性認知症は、脳卒中による血管障害で脳神経がダメージを受け、認知機能が低下して起こる。九州大学の久山町研究報告を見ると、老年期に高血圧になった人より、中年期に高血圧だった人の方が、血管性認知症のリスクは高かった。血管性認知症は、アルツハイマー病と合併することがあるので、中年期から糖尿病と高血圧を抱えていると、認知症になりやすいのだ。生活習慣病を放置してはいけない。

 「認知症予防では、食生活の見直しで健康管理をすると同時に、コミュニケーション能力を高めて、脳に刺激を与えることも大切です。社会活動や社会参加をほとんどしていない人たちは、参加している人と比べてアルツハイマー病の危険度は、8倍以上も高いのです。リタイア後の引きこもりは、アルツハイマー病につながりやすいといえます」(今井院長)

 “定年後”も、人や地域との交流を忘れずに。(安達純子)

 ■生活改善で認知症を予防する5カ条

 一、野菜や魚などをふんだんに取り入れるなど、食生活の改善を行う

 二、週に3回以上、有酸素運動をする

 三、十分な睡眠時間を確保する

 四、楽しく学習するなど知的な行動習慣を持つ

 五、社会活動や社会参加を心掛ける
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