外の空気に、稲を刈り取った後の田んぼや籾殻を焼く、煙の匂いが混じるようになると、
秋の深まりを一段と感じる。
私は一切タバコは吸わないのだが、秋の田畑を野焼きする煙は何故か大好きだ。
昔は、霧がかかったように辺り一面、野焼きの煙で覆われたのだが、最近は家で籾の
乾燥や籾摺りを行わず、刈り取った籾を直接JAのカントリーエレベーターに搬入する
農家さんが増えたことや、消防署の指導もあって籾殻を野焼きする光景もすっかり減った。
子供の頃は、あの籾殻の中にアルミホイルで包んだサツマイモを入れて、よく焼き芋をした。
野焼きの煙に、さらに金木犀の香りが加わると
「もうじき冬やな・・」
なんか分からないが、キュッと胸が締め付けられるような感覚になる。
季節の変わり目というのは、私も施設の利用者さんも、精神的にやや不安定になるね。
ところで、私には秋になると聴きたくなる曲がある。
燃える秋/ハイ・ファイ・セット(78年)作詞 五木寛之 作曲 武満 徹
実は長い間、私はこの曲をCMソングだと思っていた。
しかし、今回ブログへ載せるにあたって再度確認したら、なんと映画のテーマ曲だと知った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/47/a4eea33a133c1142413e18006591225f.jpg?1632741543)
五木寛之の小説「燃える秋」を映画化したとのこと。
この映画が、後の「三越事件」に繋がるとはねぇ。
一応、Kindleで五木寛之の原作も買って読んでみた。
ペルシャ絨毯に魅せられたヒロインが、最終的に婚約者も捨ててイランで
自分探しの旅を続けるようなストーリー(かなり大雑把です)だと思うが、
私のような下衆な人間が読むと、どう考えても三越でペルシャ絨毯を売る為の
タイアップ作品にしか見えなかった。
内容的にも、何かヒロインの考え方に釈然としない物を感じ、映画化されても
正直見たいとは思わない。
実際、映画の評価も芳しくなかったようで、三越はこの作品を負の遺産として、
お蔵入りさせてしまったそうな。
もっとも、原作を読んで
「そういうことだったのか!」
と初めて分かったこともある。
「燃える秋」だから、燃えるような
「紅葉」
をイメージしていたのだが、原作の最後の方でヒロインが婚約者に、私的にはかなり
理不尽な別れの手紙を書いた後、秋のイランでヒロインの気持ちが
「高揚」
しての、「燃える秋」だったのだ。
まぁ、そんな事には関係なく
現代音楽の巨匠、武満徹の旋律と、ハイ・ファイ・セットの素晴らしい歌声が
融合して、独立した世界を築いているこの曲を、秋の気配を感じる度に
聞き続けていきたいと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/bc/19bf1b91d2e1b653894d0537685b4b5c.jpg?1632745379)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/95/24a4241e43fe519b0b4a765ef54b333e.jpg?1632745379)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/72/57378a2a58c30e7bf4349ab30c9cc9f6.jpg?1632745379)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/a2/f6ba251476221728278dc7d3dcab0868.jpg?1632745379)
今日は天気が良かったので、コスモスの花が
みんなお日様に向いていた。
写真や動画を撮りだすとiPhone13Proが欲しくなるな・・
ヘタしたら、家計が燃える秋だね。