アキ・カウリスマキ監督の作品は好きなのにすごく久しぶり、と思って調べてみたら2014年にキネカ大森で観た「ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区」はオムニバスの中の1本だったので単体としては 2012年の6月に川崎のチネチッタで観た「ル・アーヴルの靴みがき」以来かも。
なのに、やっぱりその時と同じ感覚で、なんか旧知の友人と再会した気分からの毎度ながら登場人物たちの顔を観ているだけで飽きなかったというか、ハラハラドキドキしながら、最後は至福の…ってほんと全く同じ感想そのままでのオチがまた絶品!
悲喜劇の匙加減も絶妙で、また昔の「コントラクト・キラー」や「マッチ工場の少女」とか観たくなった。
フィンランドの映画なのに昭和な香りを漂わせながらのラジオからはロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れて“今”を感じさせるところもさすがアキ・カウリスマキ監督、2023年・第76回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞も納得の作品だった。
機器のデザイン的な理由でNOコンピュータやNOケータイを守ってきたというアキ・カウリスマキ監督曰く、“この歳になって現代の実社会との関係性を少し妥協しないといけなくなったんだ、少しだけ”ということで、作品の中で初めて携帯やネットカフェが登場というのも貴重かも!
☆あらすじ☆
フィンランドの首都ヘルシンキ。理不尽な理由で失業したアンサと、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパは、カラオケバーで出会い、互いの名前も知らないままひかれ合う。しかし不運な偶然と過酷な現実が、2人をささやかな幸福から遠ざけてしまう。
※映画.comより
キャスト
アルマ・ポウスティ
ユッシ・バタネン
ヤンネ・フーティアイネン
ヌップ・コイブ
アンナ・カルヤライネン
カイサ・カルヤライネン
監督
アキ・カウリスマキ
原題 Kuolleet lehdet
81分
G
角川シネマ有楽町19:45〜観客50人程/237席