昨日(6/21)の部分日食の時に使用した極軸望遠鏡のない赤道儀の極軸合わせについて書きました。(少し専門的な内容で恐縮です)
6月22日夜、曇り。6/21昼から部分日食準備でT社の8cm屈折赤道儀の極軸合わせを行いました。
昼間ですから、北極星は見えていません。三脚の架台を丸型水準器(市販品)を使って水平出しして、極軸傾斜角度を赤道儀側面に付属する角度板の目盛で自宅の緯度に合わせました。(付属の丸型水準器は破損して使えません)
次に方向磁石を使って目視の真北(偏角補正して)方向へ極軸向きを合わせました。
これで大体の極軸合わせが完了です。日食の観察・1コマ撮影はこれで十分です。ずれ分は手動ハンドルでその都度補正します。
今回の極軸合わせは日食待ち時間が長くありましたので、赤経軸をモーター駆動しながら投影板の太陽像ずれをチェックしました。
単位時間当りのずれ量とずれ方向(南北)を確認して、架台の水平方向固定ボルトを緩めて反ずれ方向へ何回か適量ずらして極軸水平ずれを精密合わせして本締めしました。
これで投影板の太陽像(倍率×48倍)が約15分間大きくずれない程度に極軸合わせできました。
つまり、極軸傾斜角度をほぼ正確に緯度に合わせ、投影板の太陽像のずれの反ずれ方向へ何回か微調整してやれば、かなり正確に極軸合わせできます。
夜、十字線入りアイピース(接眼レンズ)を使って星のずれ量とずれ方向(南北)を確認してやる場合も同様です。(極軸傾斜角度がずれている場合は傾斜角度の微調整も必要となります)
また、V社のポーラメーター(市販品)を赤道儀に取付けできるように工夫してやれば、簡易極軸合わせができます。夜、かなり正確に極軸合わせするには、星のずれを確認して何回か微調整する必要があります。
極軸望遠鏡の付属する赤道儀は、極軸合わせに使う星が見えていれば極軸望遠鏡で極軸合わせするのが一番早く正確です。
今回の部分日食準備で40年以上昔にやっていた極軸合わせ方法を思い出した次第です。参考になれば幸いです。