介護現場の課題

「2025年問題」が間近に迫っています。昭和22年から24年生まれの「団塊世代」約800万人が、2025年に75歲以上の後期高齢者となります。それによって現在1500万人の後期高齢者数が2200万人に増加。医療や介護.福祉サービスの需要の髙まりが予想され、国や民間事業者を挙げての対応が急がれています。75歳以上の後期高齢者が5人に1人といぅ超高齢社会を迎えよぅとする中で、介護業界では人材確保が急務と言われ続けてきました。厚生労働省の「介護サービス施設.事業所調査」によれば、2025年に必要とされる介護職員数は237万〜249万人とされています。対して2013年度の調査では、非常勤を含めても介護職員数は約177万人です。介護労働安定セン夕丨の調査では、介護事業所の53%が従業員の不足感を訴えています。残念ながら、いまだに人材不足の解決策は見いだせていないのです。人材の獲得.定着にもっとも"即効性"があるのは、賃金を上けることです。しかし介護報酬が定められている以上、賃金を上げようにも限界があります。それどころか報酬の引き下げによって、事業者に支払われる報酬がカットされてしまいました。
こうした中で、多くの事業者が人材の採用や定着に頭を悩ませています。私はこの人材不足の介護業界に、転職しました。決して賃金は高くないのに、入社希望者が後を絶ちません。そして介護職と比べて離職することは少なく、みなホスピ夕リティに溢れ、いきいきと誇りを持って働いていました。本来、介護業界は社会的な意義は大きく、仕事にやりがいがある職場と言っても決して過言ではありません。では、介護はなぜこんなに人材の獲得数や定着率が違うのでしょうか。介護業界で良い状況はつくれないのでしょうか。入社希望者が殺到するサービス業から、人材難に喘ぐサービス業へと転身してきた私は、自ら所属する社会福祉法人の職場改善によって離職率を大幅に下げ、就職希望者を増やしてきました。
そのような経験の中で確信しているのは、サービス業であればどのような業種でも、徹底的にホスピ夕リテイを追求することで、働く人のプライドとクリエイテイビテイを喚起できるということです。「エレガントな自分を演出したい」というお客様の希望を叶えるのがアルマーニのホスピ夕リテイなら、人生のエンデイング部分において「その人らしい生活を継続させたい」そして「安心して人生の最期を迎えたい」という夢を実現するのが介護のホスピタリテイです。介護職で転職をするなら、まずホスピタリティを重視すべきなのです。