お払い箱

2006-11-01 | コラム
通勤途中で毎朝、小学校の前を通る。

道路脇に芝生の校庭があって、ちょうどその真ん中

あたりに白い「百葉箱」がある。


昔と変わらぬその姿形。



もちろん車で通り過ぎるから一瞬の出来事。

なのに懐かしさからか、妙に印象に残っている。


緑の芝生に白が映える様が、昔の記憶とオーバーラップ

して脳裏に焼きついている。



数日前の新聞に、この百葉箱の話題が出ていた。


日光を反射し、熱を中へとじこめないよう白で塗られた

百葉箱は、中に温度計や湿度計が入っていてより正確な

温度や湿度を計測するするための工夫がなされている。


かつて全国の気象台や小学校の校庭にあって、気象観測

や理科の授業で活躍した百葉箱だが、今では次第に撤去

されその姿を消しつつあるらしい。


自動観測装置が普及してきたおかげで、明治時代から

ずっと使われてきた百葉箱もとうとう役割が無くなって、

ついに「お払い箱」になったというわけ。



ちょっと寂しいけれど、気象観測のシンボルもデジタル化

の流れには勝てないということだろう。


なかなか趣のある箱で、撤去するのももったいない

気がする。


考えれば何か別の使い道があるかもしれない。





百葉箱の由来

「百葉」とは八重の花びら、牛や羊の胃のこと。

百葉箱の壁は風通しを良くするために格子やよろい戸

になっていて、これがヒダヒダのある牛の胃袋に似ている

ところから名づけられた。
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2 コメント

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Unknown (Cかず)
2006-11-02 10:58:59
小学校のかたすみにありました。
温度計と湿度計が入っているのは知っていましたが、私のころですら先生含め誰もそれで温度や湿度を観察する人はいなかったように思います。
百葉ってそんな意味があったのですね。使わなくても残しておいて欲しいですね
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Unknown (shibatex)
2006-11-02 22:35:45
Cかずさん こんばんは

確かにあまり活発に使われてなかったようなw。
でも、あれがあると学校らしいというか、
いい雰囲気の箱でした。
百葉の意味、おもしろいですよね。
習ったのかもしれませんが、わかりませんでした。
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