職業病?

2007-01-02 | ART
昨日、たまたま数年前まで高専で化学の教授を務めていた

親戚の方と話をする機会があった。


こういうことも、お正月ならでは。


その方は定年後に絵を習い始め、風景画や静物画を

趣味で描いている。



とても努力家で、ここ数年でメキメキ上手くなった。


こちらも昔から絵やイラストを少しかじっていることも

あって自然と絵の話になる。


聞いてみると遠近法や陰影、構成など学者だっただけあって、

すごく論理的に絵を描いているw。


時々美術館にも足を運び、いろんな画家の作品を見ては

いろいろな角度から、なぜこういう絵を描いたのかとか

なぜこういう構成にしたのかとか、分析している。



しかしながら、ピカソやパウル・クレーのいわゆる抽象画を見て

とても悩んでいるという。


ぜんぜんわからないと・・・。


評論家の解説を読んでも、「神がかり」だとか「何かに取り

憑かれたような」だとか抽象的過ぎて何を書いているのか

理解できないらしいw。




そりゃそうだろう。

ああいう、ぶっ飛んだ絵を理屈で説明しようとしても、

絶対に無理w。


作者がそれまで経験してきたこと、考え方、性格等が

複雑に絡み合い、感性で描いていると言っても過言

ではないから。


閃きやそのときに湧き上がってくる感情のおもむくまま

に描いているわけで、描いている本人ですら説明がつかない

に違いないw。


数学や物理、化学のようにきちんと説明できるような世界

ではない。


アートに関しては、どう感じるかがもっとも大切であって

理屈なんてあとからくっつけたようなもの。


理屈ぬきに、見る人に感銘を与えれば勝ち。



などと、お正月からこんな話をしていて、ホント職業病やなぁ、

と痛感したしだいw。


ちょうどその時、テレビで細木数子の番組をやっていた

のだけれど、あんなのぜんぜん当たらんよ、デタラメだよ

と一蹴していたっけ。



数十年もそういう理論的な世界にいると、なかなか感性だとか

インスピレーションだとか説明のつかない事象を受け入れられなく

なるのだろうか。


何でも数式や法則に当てはめないと気がすまないようだ。



死ぬまでにピカソやパウル・クレーの絵を解明したいと

ポツリと言っていたのが印象的だった。


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