シロネコ衛視隊
僕の召喚に応じてくれたシロネコの衛視隊が、次々と決め
台詞を叫びながらポージング。
「僕たち! ケットシーのシロネコ衛視隊!」
「同志ブリオッシュのピンチと聞いて駆けつけ参上!」
「得意技は毛玉吐きといつでも昼寝!」
なんだか心配になってきたぞ。
クロネコ封竜隊
「我はクロネコ封竜隊。召喚に応え、見参!」
トラネコ技師隊
「うひひ、これをこうすれば……ネコ大砲になる!」
ゴールデン・ベア
「ぐふふふふ! お久しぶりですな! あなただけのマブ!
黄金熊のモンブランさんですぞ!」
ブチネコ鉄騎隊
「これは? 鋼百足に見えますが?」
「ちがう! こいつは鉄騎! ワイの相棒や!」
ナガレ里の猫又
『オメエ、おもしろいことを考えるのう』
心を同居させている猫又が、僕に語りかけてきた。感心し
てもらえているようなんだけど、なんでかな?
『これまで何人かの召喚術師に呼ばれたことはあったけんど、
オマエみたいな考えを持っているヤツはいなかったぞ。オ
デもギリギリまでがんばってやってやる』
タンゴの黒猫キャラット
「また猫で、なんか文句あるんすか!」
アース・ドラゴン
「ブレスの吐けない地竜を相手にするときは、空を飛んで
魔法ぶつけまくればいいのよ」
ストーン・バジリスク
「バジリスク! ってことは、石化……」
「大丈夫よ、ブリオ。あいつにはそういう力ないから」
ベヒモス
「あまり大きな地震はダメですぞ。こちらに被害が出てしまっ
ては、元も子もないですからな」
ラー
「ラー! あいつの前でぴかっと!」
シルヴィアの竜太子
「キミもドラゴン? じゃあ好都合だわ」
ヒート・インフレーション
「イライラしたときとか、興奮したとき、なんでもできるよ
うな気がするでしょ? それがこの呪文の源なの」
アーニャ先生の得意呪文ってことですね。
マジック・シールド
「ブリオッシュさん、後ろにおさがりをー!」
キャラットさんの声が、大きな輝く魔法の盾を作り出す。
蟲殺しの灯火
「これがなくては、夏がはじまりませぬな!」
銘刀「紅まぐろ」
「秘剣! ──まぐろ斬り!」
ドラグーン・エナジー
「だったら行くぜ! ドラグーン・エナジー!」
深き森の人形使い
「ほっほう、ここまで造形にこだわりなさるとは──さすが
は深き森一の人形師殿ですな!」
感心するモンブランの手は、ドレスを着せられている人形
のスカートをまくりあげていた。
ゲパルト魔石
「ぐふふふふ、さあその石を人形の口に!」
俺たちの戦旗
俺たちの戦旗。違いのわかる男のための、魂の勲章。
マッド・モール
「さて、これからどうするかだが」
「モグラに穴掘ってもらうってのはどう?」
ゴルゴン・スネーク
「ブリオ殿! あやつの口から吐き出されるブレスには気
をつけてくだされよ! 石になってしまいますぞ!」
ヴァンパイア・キャリアー
人の気配がしない廃村。軒先の影よりふらふらと歩み出て
くるものは、まるで動く死体。
「ジルベール殿は約束を守らなかったようですな」
ソムナ・マンティコア
「あいつも呪い持ちか。ブリオは隠れていろ」
クローヴィスの風使い
「風を読む……かぁ。ケンタウロスにできるんだったら、
竜騎士であるラインズベルにもできるよね?」
「まあ、そういうのは自然と覚えるもんだ」
「ってことは! 同じく竜に乗るあたしにだって!」
ヒポグリフ
「空を得意としているのは、なにもキミだけではないってこ
とだよ、竜騎士くん」
「なるほど、ヒポグリフってわけか! ――アーニャ、振
り落とされんなよ!」
嵐の魔神パズス
「雷を使う悪魔か。ならば――剣号解除!」
プラズマ・ボール
「ビリビリビリビリ! バーン!」
イノセント・スピリット
まるで純粋な妖精かなにかのように、懇願するアーニャの
大きな目は、卑怯だと思う。
「ねえ、いいでしょ?」
「わかったよ。この唐揚げはアーニャにあげる」
ホーリー・ロータス
「きれいな蓮! それにこんな大きいの初めて見たわ」
「近づいちゃダメだよ、アーニャ! そいつは……」
アーニャが不思議そうな表情で僕に振り返ったそのとき、
巨大な白い蓮の花びらが、大きな拳のように──
シャドウ・スピリット
まるで悪魔か闇の精霊か。そんな悪戯っぽい表情を浮かべ、
モンブランがポケットからなにかを取り出した。
「これは蟲殺しの灯火と言いましてな。夜中のうるさい蚊
を落とすために開発された、まっこと由緒正しい――」
ゴブリン盗賊団
大きな荷物を抱えた三人組のゴブリンが、猛スピードで
路地裏を駆けていく。
「こんなところにゴブリンなんて、珍しいなぁ」
「追わなくていいのか? どう見てもあれが犯人だろう」
黄金のヴァンブレイス
「冒険者としてそこそこ余裕ができると、今度は装備を黄
金化していくのです。故に、中級冒険者というものはやた
らきらっきらしているのですよ」
「へえー、そういうもんなの」
イビル・ホーント
「ひっく……あなたも、あたしをいじめるの?」
ガネーシャの象騎兵
「道のりはまだ長い。……あの象をいただきましょうぞ」
ブラッディマリー
「うふふふふ、こっちにいらっしゃい、坊や」
鬼巫女レッドソニア
「アレックスと名乗る男が、姐さんに会わせろと」
キューピッド
「あのギャルとナイスガイをくっつけるですねー!」
「あれはアーニャとアレックスだよ、違うって!」
「ぽっくんの愛の矢はすごいですよー! えーい!」
太陽を睨む天使
「かー! やっぱり天使っていうたら、太陽はんやろ!」
ワルキュリア騎兵隊
「ねえ、ワルキュリアが三騎、追ってくるわよ!」
「チッ、こっちは三人乗りなんだ……こうなったら、覚悟を決めるほかねえな」
ワルキュリア採魂隊
「大鎌には気をつけてね、フリスキー」
アーク・エンジェル
大天使の振りかざした巨大な剣を、アレックスが見事な回
し蹴りでたたき落とす。
「ここはワイにまかせんかい! ブリオちゃんはさっさと胸
なしちゃんを助けにいったりや!」
七色の火口箱
「今です! 箱の中の赤い石を投げなされ!」
サーベル・タイガー
茂みの先、一匹の剣歯虎が気持ちよさげにお昼寝中。
「トラ……ってことは、プラリーネさんだったらなんとか
できたりするかな?」
「ふむ、花園の歌姫の旋律ですか、いけるかもですな」
パンチパンチ
「はーい! 皆さん、出番ですよぉ!」
少女の懐から、無数の小猿が一斉に飛び出す。
ウィンド・ウィード
「ウィードさーん、クローバーちゃーん。そして、トラさー
ん! 用意はいいですかー?」
みんなのうなずきを確認すると、プラリーネさんが悪戯っ
ぽい顔で呪文を詠唱し始める。
マーブル・クローバー
「こんな可愛い子をいじめるなんて、どうかしてます!」
クローバーの妖精は、泣きじゃくりながらプラリーネさん
の豊満な胸元に飛び込んだ。
「なんという、役得! ずるいですぞ!」
クローヴィスの新兵
「あんな子供にまで武装させて、戦場に立たせるの?」
「はい、ケンタウロスの一族は生まれながらの戦士。子供
だからこそできる任務もあるのですぞ」
イフリート
蜃気楼のようにゆらぐ魔神が、大きく息を吸い込む!
精霊の火炎樹
ヴァローカの巫女の資格は、精霊が与えるのだという。
コーラル・ウォーラス
それは珊瑚色のアザラシたちがくつろぐ、南西の楽園。
「なんであたしが、あんな恥ずかしい格好……」
「お願いだよアーニャ。ヴァローカに入るためには、アー
ニャに巫女になってもらうしかないんだよ」
ブルーベル
「うふふふふ、精霊祭が近いと供物が増えて幸せ!」
「あ、そのリンゴはあたしのよー!」
「ずるーい! じゃあこのオレンジはあたしが……」
「では拙僧は使い古しの下着でもいただきましょうか」
リトルアリス
「前々から思っていたのです。一部の妖精には女性しか存
在しない。であるのに、なぜ衣服が必要なのかと」
言われてみれば確かにそうだ。日常化した当たり前につい
て、僕たちはもう少し疑いを持つべきなのかもしれない。
ワインド・センティピード
僕たちの行く手を遮る、無数の機械百足の姿。
「お師匠様であれば、蟲さんたちにも歌を届かせることがで
きたんですけどねぇ。私ではムリです」
プラリーネさんが申し訳なさそうにそう言った。
シー・ジャイアント
「海に来たら、やっぱり海の女にお願いするしか!」
「って、男の巨人、喚びだしてるやんけ!」
「いやいや、フリスキーはん。あいつ、こう見えて……」
アレックスとフリスキー、気が合いすぎだろう。
クローヴィスの騎兵
精強なる人馬の騎兵を見て、アーニャがぼそり。
「ケンタウロスなのに、騎兵っておかしくない? 騎乗して
いる兵だから、騎兵って言うのよね?」
ワイアーム
翼を持った蛇……という印象が強いその生物は、大きな頭
をアーニャのほうにすり寄せてくる。
「そっか、この子もドラゴンなのね」
「昔はワイアームの竜騎士もいたって話だ」
ジン
ジンの秘宝を狙っているのは、オマエらかぁ!」
ストーム・ジャイアント
「いや、ムリだよ。だいたい、僕はスカディさんとキュベ
レイさんの仲裁に来たのであって……」
「もういい! ブリオちゃんがやってくれないなら、こっちだっ
て嵐の巨人にお願いしちゃうんだから!」
アイボリー・スタチュー
「守りは、この象牙の戦士にお願いしますかな」
ポケットより取り出した小さなアイドルにモンブランが呪
文を唱えると、見る見るうちに大きくなっていく。
「これでよし。ささ、シェルハウスに入りましょうか」
アヌビスの魔拳士
僕たちを追ってきたのは、武器を一切持たないジャッカル
の戦士たちだった。
アヌビスの烙印魔導師
「あれは烙印魔法! そうか、この世界では……」
アヌビスの死神騎士
「墓所を守護しているのは、死神騎士団だよね。であるなら、
オシリス王があそこにいる確率は高いね」
「正面から行くわけにも行きませんし……弱りましたな」
アーニャがいなくて、本当に良かったと思う。
タウラスの荒武者
「ここにもタウラスですか。これでブタ、ウマ、ウシの三
部族が手を組んでいるのは間違いないようですな」
「そしてダークエルフか。この調子だと、世界が戦乱に巻
き込まれるのも時間の問題だな」
タウラスの護衛兵
「押し通る! 遅れるなよ!」
ブルタスク
「じゃあ、ここの調査終わり! 次はっと……」
「いやいや、もしオルクスがブルタスクを戦場に投入しよ
うとしているなら、大変なことになるよ!」
「なんで? ただの大きなブタでしょ?」
角将キハダ
「大将クラスか……少しは楽しめそうだな!」
タウラスの暴れん坊
轟音とともに壁が砕けたかと思ったら……土煙とともに現
れたのは巨大なタウラスだった。
「モンブラン、ブリオ、フリスキー! みんなを連れて先
に行け! ここは私が食い止める!」
タウラスの母衣武者
砦と砦をつなぐ渡り廊下に出た僕たちを待っていたのは、
巨大な黒馬にまたがる、凛々しい出で立ちの武者。
飛車王メバチ
「チェックメイトですぞ! 飛車王メバチ殿!」
ブラック・オッター
探し物はこの河の流れに飲み込まれたのだという。
「どこのもの? あたしがなんとかするわ」
いや、お師匠様。なんでもお金で解決するのは──ほら、
せっかく僕がオッターを召喚したんだし……
ダーク・エレメンタル
すると、闇の精霊がいじわるな笑いを浮かべたときのように、
周囲に暗黒の帳が降りた。
「どういうことや、ワイの目でもなにも見えへんで!」
この状況、普通の人だったら泣き叫ぶかもしれない。だけ
ども僕は冷静だった。
「フリスキー、耳を澄ましてみて。なにが聞こえる?」
ブルーアイズ・ロック
ロックのあまりの大きさに、僕はぽかーんと口を開けていた。
青い瞳がなんとも素敵。
「でかいからってなによ! あたしだってゲオルギウスを召
喚すれば──」
「なに言ってるんだ、アーニャ。ボケてんのか? あいつ
はこないだ、休眠期に入ったじゃねえか」
ストーム・ドラゴン
「カモン、ラスターシャ! 感電させちゃってよね!」
雷とともに現れる、風属性を代表するドラゴン。
バルバロッサ・ブラッド
魔法の力により、地竜の身体が膨れ上がる。
「赤髭王バルバロッサは、呪いによって竜に姿を変えたんですが……この魔法はかなりの皮肉ですな」
レジスト
「もしブレスがきたら、プラリーネさん……」
「レジストの魔法ですねぇー。まっかせてください!」
カルバレットの閃光玉
「使うときは、ここをこうしてですな……」
肝心のところがよく見えなかったんだけど。
豪傑の酒
「お嬢ちゃん、いける口じゃな。もう一杯どうじゃ?」
ああー、やめてほしいなぁ。でもこのまま他人のフリして
通り過ぎたら、後でうるさいだろうし……
斑蜘蛛のネット
「その網を、あまり大物に使ってはなりませんぞ。それはあ
くまで小物を一網打尽にするものですからな!」
タウラスの戦斧
「早いですな! 姫様、大丈夫ですか!?」
タウラスの鉄鎚
「あの構え……簡単には通れないようだな」
マリッド
「水の魔神が前屈みです。ブリオ殿はどうですかな?」
スライム
液体状の不気味な生物を前に、モンブランが下品な笑み。
「覚えておりますかな、姫様。喜び勇んで飛び込んだ浴場
がすべてスライムまみれ……」
「その話はするな!」
波を纏う天使
「拙僧にも、あなた様の聖なる水を!」
クラウド・ホエイル
「快適な空の旅もこれまでのようだな」
ドラジェが睨み付ける空の端。黒い影が徐々に悪魔の姿
をかたどっていく。
「あれはアバドンですか。ということはとうとう……」
「ああ、冥界の貴公子が復活したようだな」
火吹山の乙女ペレ
小さな女の子なのに……どこにあんな力が!」
オーガの炎踏使
「求婚されたオーガの娘は、踊りで応えるのだそうです」
無限のローラー
「ガブリ様のためなら、えーんやこーら♪」
灼熱のガントレット
「なんや、この鉄甲か? これはな……」
黄金のグレイブ
「この際、文句言っててもはじまらねえからな」
ラインズベルは、立てかけられていた一本の長柄の武器を
取り、重さなどを確かめる。
「よし、これならなんとかやれそうだ」
スポア・ジャイアント
僕たちを見下すその影の主は、キノコだった。
魔力のスクロール
「残りのスクロールはあと一枚ですぞ!」
豪傑の酒
今日もアレックスは、筋肉兄弟と陽気に酒盛り。
「どうや、ブリオちゃんもたまには一杯?」
眠りの粉
ついに巨人同士のとっくみあいが始まってしまった。僕は
ため息をつきながら、モンブランにもらった粉を……
オーガの女呪術師
グヒヒ……オメエの肉、すんげえうまそうだ」
太ったオーガの女性が煮込む大鍋のにおいをまともに受け、
僕は一瞬、意識が遠のいた。
マッスル・ボディ
「兄弟! いつものヤツ、頼むで!」
「オウケイ、マイ・ソウルブラザー!」
オーガの蛮兵
「ガツンといっぱつっ!!」
オーガの猛牛騎兵
猛牛騎兵の突進によって、城門は簡単に破られた。
エウロス
「エウロス、風の守り神。我らを守ってくれる」
ソムナ・キマイラ
「なんだあのブレスは……呪いの類か?」
ナイチンゲール
「拙僧専用のメンテナンスガールです! ぐふふふ!」
スカル・サーペント
無数の墓標を吹き飛ばし、地下奥深くから現れたもの。
「無念の死体で作られた髑髏蛇とは――また、派手なもの
を作りだしましたな!」
「あんなのが街に行ったら! モンブラン、止めるよ!」
プレーグ・ウィンド
「その風を吸い込んではなりません! 呪われますぞ!」
炎の魔神スルト
「本来、その魔剣はあやつのものだったりするのですよ」
リジェネレーション
戦天使に負わせた傷が、見る見るうちにふさがっていく。
アヌビスの槍士
「今年で世界は滅びる。アヌビスたちの予言書にも、似た
ようなことが書かれてあるそうです」
「精霊たちの狂宴を予言できていたと言うことか?」
「ふむ、そう考えるより……我々のような存在が他にいる
と仮定した方が、しっくりきませんかな?」
ワルキュリア鐘音隊(
「あの鐘の音が、天使もどきを強化しているのか」
巨霊神アトラス
ドラジェの一撃を受けてなお、巨人は再び立ち上がる。
「急所を貫いたはずだぞ! 不死身なのか!?」
グレート・グリフォン
鷲獅子の雄々しき姿は、しばしば紋章に用いられる。
ライカの大鷲使い
ハーピィのお姉さんが、大鷲に突撃命令をくだす。
ツインヘッド・グリフォン
「双頭ですと!? 気をつけなされ、魔法を使いますぞ!」
ダマスカス・ゴーレム
「その昔、ダマ・スカス伯爵という研究者がいましてな」
スカーレット・テイル
「ブリオ殿、ヤツの尾に気をつけてくだされ!」
レッド・ホーン
「赤角のあの魔力。前の世界ではなかったものですな」
フィジカル・ブースト
「――ブースト! 決めてよね、ラインズベル!」
「言われるまでもねえ!」
ガネーシャの虚無僧
たちの前を無数の巨漢が通り過ぎる。みんな、同じよう
な笠をかぶっているけど……ガネーシャ?
「そうでしたな、ここらは無心教の力が強い土地でした」
ガネーシャの武闘家
「ガネーシャたちは皆、武神拳の使い手ですぞ!」
スカル・タランチュラ
「ザルヴァーザ殿の眷属……というわけですな」
ハリケーン・イーグル
プラリーネさんが旋律を紡ぐと、洞窟を覆っていたコウモ
リの群れが霧散した。僕はそこに嵐鷲を突入させる。
「しっかりとイーグルさんに精神の糸をつなげておいてくだ
さいよ。抑えることができるのは少しですから」
ガリュンバーの瞳
「うぉおお怖い、めちゃめちゃ怖い!」
ガンロックの豪傑
トロールの斧が嵐竜に襲いかかる!
ギガンテス
太古の巨神族が住むと言われている大洞窟。その中はまる
で別世界のようで、すべてのスケールが違っていた。
「今まで見たどの巨人よりも、デケえ!」
巨大すぎる人影を見上げながら、竜騎士が驚く。
フォモール
「すまない、巨神族以外は帰ってくれないか」
ガンロックの少年戦士
「そう、あの子たちもガンロックの一族。太古の巨神を護
るトロールの亜種族よ!」
アーニャはそう叫ぶと同時に、召喚の門を開く。
「どうする気!? まさか戦うつもりじゃないよね?」
ストーン・ウォーム
「うげえ、あれってミミズよね?」
ウォームの姿を見て、露骨にイヤな顔をするアーニャ。
「あたし、ああいう足のないのとか、パス。ブリオ、キミ
がなんとかしなさい。これ、師匠の命令よ」
ストーム・ナイト
氷刃山の一角、そこより向かってきたのは嵐の騎士。
「あれが氷結晶の牢獄! ということはあそこに……」
「そうですぞ。冥界の貴公子にして蠅の王とも呼ばれる、
かの魔王が眠っている場所です」
グレーター・デーモン
屍となった魔神の奥に描かれていたのは、六人の魔王の壁
画だった。それぞれが個性的な姿をしている。
「この世界の六皇子と前の世界の六皇子では、メンツが違っ
ていたりするのですぞ」
スカルミリオーネ
髑髏のような魔神を操っていたのは、金髪の少女だった。
レッサー・デーモン
「ブリオちゃん、後ろから団体さん来たで!」
襲いかかってきた悪魔を逆に切り伏せ、フリスキーが声を
荒らげる
シャドウ・ストーカー
「アーニャ殿の影にはこやつを忍ばせてくだされ」
ホーリー・ブレイズ
「いつまで、その聖焔に耐えることができるかな?」
スマッシュ
ラインズベルの槍の穂先に、いくつもの水塊が浮かぶ。
アダマンタイト・リベンジ
「どぉぉぉぉぉぉおおおおす、こぉぉぉぉぉぉい!」
紅河の火龍艦
「なんという火のエナジー! やばいですぞ、姫様!」
ラヴァーの猟騎兵
ドラジェが見下ろす黒い大地に駆ける、六騎の赤い騎兵。
「このまま歩いて行くのも骨が折れる。私があの騎竜を奪っ
てくる。オマエたちはここにいろ」
「奪ってくるって、そんな簡単に……」
紅河の強襲艇
「精霊の井戸への道は、簡単ではなさそうだな」
紅河を行く数隻の船を横目に、ドラジェがつぶやく。
「どうなさいますかな、姫様?」
「時間がないのだ、突破するほかあるまい」
ラヴァーの矛槍兵
ラヴァーたちが構える得物の矛先が、僕たちを囲む。この
ままでは……
「ブリオ、身体を借りるぞ!」
僕は言われるがままに力を抜き、魔剣を握りしめる。
ラヴァーの突撃兵
溶岩渦巻く、灼熱の大地より現れたのは赤い鱗。
「件の魔王騒ぎの元凶はヤツらか。地下の奥深くでおとな
しくしていればいいものを」
「牛頭より神像を奪ったというのは本当のようですな」
パイロ・ファントム
いくつもの小さな炎のファントムたちが、ふわふわと舞い
ながら僕たちを導いているようにも見える。
「ついてこいってことかな?」
「罠の可能性も捨てきれませんが、行ってみましょう」
忘却のスクロール
「なんと、マテリアルにそういう使い方があるとは……!」
剛力の薬
「今日からキミもガチムチさん! 剛力の薬ー!」
頑強の薬
「滋養強壮から夜の相棒まで自在! 頑強の薬ー!」
ガンロックの守備兵
「だって、ガンロックの一族は武人の一族よ。認めてもら
うには戦いで勝って証明するのが……」
「召喚術で奇襲しといて、認めるもへったくれもねぇ!」
あ、うん。僕も同意見。
ガンロックの蟲騎兵
すっかりトロールの騎兵に囲まれてしまった僕たちは、両
手を挙げて降参するほかなかった。
「これでよし! あたしの強さはわかったはずだわ!」
この状況に小さくガッツポーズする、僕のお師匠様。
ロック・ウォーム
「大木がへし折れるとは……なんて威力だ!」
ヘカトンケイル
「ここは我々に任せよ、小さき者よ!」
多腕の戦士が、僕たちを守るように立ち上がる。
「しかし、その身体では……」
「あの方は我らの希望。エスリン様をお願いする!」
ウォームの黒焼き
「ぐううむ、まずい! でももう一本!」
大きな大きな岩
大きな黒い影がびゅん。僕の頭上をかすめていった。
ガンロックの穴掘り
「屈強な肉体にしたたる汗! ぐふふふふ!」
バードマン雷神強襲兵
「バードマンの一族の中には、雷神を信仰する変わった部
隊がいると聞いたことがありますな」
「あいつらがアーニャのカバンを盗んだやつらか」
言うが早いか、ラインズベルが飛竜に乗って空に舞う。
バードマン雷神偵察兵
「かかれ! 稲妻の陣!」
それはまるで雷光だった。目にもとまらぬバードマンたち
の槍が、ラインズベルの飛竜に襲いかかる。
「チッ! やってくれるじゃねえか! ――竜鳴印!」
テンペスト・ジャイアント
「我ラ雷神ノ一族モ、巨神族ヲ手伝ウ」
大樹よりも巨大なふとももを持つ女性の巨人が、カタコト
の言葉でバロールに挨拶をする。
「それはありがたい。トール殿は息災か?」
パウアンネ
「パウアンネ、オマエはどっちの味方なのだ!?」
ネイチャー・ライオン
「生まれ変わることがあるなら、獅子がオススメです」
レオーネの御魂使い
崖の上からこちらを見下ろしていたのは、獣の耳を持つ女
の子だった。あれは確か……
「バステト族ではありませんか! 懐かしいですのう」
「ああ、しかもあの旗を見ろ」
レオーネの見習い騎士
「レオーネ殿の旗でしたかな? ますます懐かしい!」
「感心している場合か。レオーネが目覚めたということは、
何を意味しているのかわかっているだろう」
「はい、予想以上に進行が早いですな」
アルカナ・ライオン
金属製の獅子が、城壁の上から僕たちを見下ろす。
「ココヨリ先ハ、レオーネ様ノ宮殿。オマエノヨウナ者ガ通ッ
テヨイ場所デハ……」
「かーっ! 生みの親の顔を忘れるとは、情けない!」
レオーネの盾髪騎士
「こら、レオーネ! 今すぐ、盾髪の騎士たちをさげろ!」
「いやよ。だってまた閉じ込めるんでしょ?」
言いながらツンとそっぽを向く、獅子姫レオーネ様。モ
ンブランから聞いていた話と、ずいぶん違うような……
ヒート・インフレーション
「今からあたしが、キミに炎の――」
「ご託はいい、さっさとかけやがれ!」
ヴェノム・ミスト
「ほっほう、魔力に反応する毒霧の呪文ですな」
エンタングル
「危なくなったらその呪符を使いなされ。大地から出でる
無数の蔦たちが、あなたを守りまする」
雷電鼓
「ひとたび叩けば、稲妻が落ちるという太鼓ですな!」
狩猟竜
シンプルで単純なかみつき。だからこそ、力強い。
暴君竜
「じっとして! ヤツは動きに敏感なんだ!」
剣山竜
「尾に気をつけろ! ただではすまないぞ!」
豪角竜
豪角竜の猛進に、ラインズベルが……!
巨雷竜
あいつ、巨雷竜! 大きくてたくましい! ワタシたちダー
ナ一族の守り神ネ!」
「うん、かっこいいしかわいい! 種族がドラゴンじゃない
のだけが、ちょっとアレだけど!」
ゴールデン・メイン
メアのたてがみが黄金に煌めき、巨神の拳を退ける!
ゴッド・フィスト
「はい、ずどーん!」
シャイニング・シールド
炎に対しては輝きの盾ですか。やりますのう」
パワー・アブソーバー
「わかりましたぞ! 前屈みになるからですな!」
夢魔の媚薬
「ぐふふふ、ではアーニャ殿。この薬をお飲みくだされ」
マッド・エレメンタル
「でも明らかに自然に出現してなかったっけ?」
「それが問題なのですよ。化合元素霊は錬金術によって作
られ、六王国時代に戦争に使われた。そのいくつかが野生
化……というか、元素返りしてしまったのですよ」
ストーン・エレメンタル
「すなわち、極端な例ではありますが、あのような自然なら
ざる不純物を定期的にリセットする。それが精霊たちの狂
宴が持つ役割の一つというわけです」
「誰かが管理しているってこと? それとも……」
ラヴァ・エレメンタル
「そもそもエレメンタルというのは、精霊力が具現化
したものです。そういう意味では、サラマンダーやウンディー
ネといった下級のものよりも、数倍の属性値をもっており
ます。精霊王とはつまり――」
アイス・エレメンタル
「じゃあ、この間の氷の元素霊っていうのは……」
「アレは似て異なるモノですぞ、ブリオ殿。もともとの水
の元素霊に風元素的魔法加工を施し、人間の手で管理し
やすくしたもの。それがヤツら化合元素霊です」
クール・マナティ
流氷の上、色眼鏡をかけたマナティがなにやら騒がしい。
「きゅーきゅー、うるさいわよ! 言いたいことがあるならはっ
きりと言いなさい!」
「ひょっとして、力を貸してほしいんじゃない?」
メデューサ・アイ
「や、やりなおしを要求するー!」
ファラオ・コブラ
コブラの模様を見つめていると、頭がぼうっと……
ファラオ・アリゲーター
砂地に見え隠れする巨大なワニには包帯が巻かれていた。
「砂漠ワニ? でもなんか様子がおかしくない?」
「ほっほう、このピラミッドの生物にはすべて、不死の呪
印が刻まれているようですな」
ファラオ・トータス
呪亀の大きな甲羅に乗って登場したのは、想像していた姿
とずいぶん違う、それは若く美しい皇妃だった。
「あの人、あれでアンデッドなんだよね?」
「ふむ、まさかアギアト殿。時の秘術を使ったのでは?」
フィフィの蜥蜴騎兵
「フィフィ様、今宵もひときわ美しく……」
蜥蜴に乗っていた騎兵が皇妃に跪く。
「世辞などよい! 早く陛下を見つけるのじゃ! さもなく
ばこの身体が……ええーい、早くせぬか!」
ファラオ・ファング
僕たちの隠れた壺を通り過ぎていったのは、包帯まみれの
大蛇。あれにも不死の呪印が刻まれているのだろうか。
「その昔、琥珀の国から嫁いだ姫君は、無類の爬虫類好きだっ
たと聞いておりますぞ」
ヴォーテックス
神より放たれた真空の刃が、ぬいぐるみを一刀両断。
シュート・アロー
弓がないのに、矢を何に使うのかと思えば……なるほど、
そういう使い方もあるんだね。
ウィンター・ウルフ
「ブリオはん、なんかつけられとるで」
フリスキーの視線の先には、雪に紛れるかのような白い毛
皮の狼が多数、こちらの様子をうかがっていた。
「狼に面倒かけた覚えはないんだけどな」
サンダー・ホーク
「ブリオはん、なんかつけられとるで」
フリスキーの視線の先には、雪に紛れるかのような白い毛
皮の狼が多数、こちらの様子をうかがっていた。
「狼に面倒かけた覚えはないんだけどな」
ブリザード・アウル
純白の大梟が、若き女王の玉座にとまる。
「モンブラン様、お久しぶりでございます」
「ゼノビア殿、大きく美しくなられましたな。あのときの
スノー・ホワイトが、まさか女王に就任なさるとは」
チラー・ドレイク
氷のような竜鱗が太陽の輝きを反射した。
「氷結晶の塔まで、あと少しなのに……」
「どないする? 強行突破するか!?」
言いながら、フリスキーが紅まぐろに手をかける。
ブリザード・ファルコン
雪隼が甲高い声をあげたとき、僕の心が凍り付いた。
「まさか……ドラジェの声が聞こえないよ!」
「なんですと!? そうか、あのときの封印解除のツケですな!
だからやめておけと言ったのです!」
ハーピィ風神巡回兵
「あの人は、確か……」
僕の記憶に間違いがなければ、ハーピィたちを焼き払うあ
の金髪の少女は、エリュシオンで会ったあの娘だ。
「とにかく、助けないと!」
ハーピィ風神追撃兵
空には空のやり方があるということですな」
ハーピィ風神追撃兵
「空には空のやり方があるということですな」
スカイ・ワイバーン
「行くわよ、アスモデウス。ここにもう用はないわ」
「ちょっとキミ、待ちなさいよ!」
剣の魔神の肩に乗って空に舞う少女を追うため、アーニャ
が大いなる翼の飛竜を召喚する。
ピンク・インプ
認識できる夢というのも、珍しいんじゃないだろうか。目
の前で桃色裸体のインプが、跪いて許しを請う。
「で、オジサンは誰?」
「フッ、オレかい。通りすがりのただのドMさ」
ピンク・ウィッチ
「なんだいなんだい、ワタクシに向かってそんな口の利き
方が許されるとでも思っているのかい!」
桃色裸体のインプを鞭で乱れ打ちしているのは、同じく桃
色裸体の太った女性だった。
ピンク・ウォーム
「桃色……環状のモノ……汁……」
ピンク・デーモン
門を守るようにして、桃色の悪魔が怪しい動き。
「この夢から覚めるためには、どうすればいいんだろう」
いつもならここでモンブランがいろいろ解説してくれるん
だけど、夢の中では孤立無援。
サフォケイション
「窒息とか、残酷だなぁその呪文」
「まあ、使い方よね。懲らしめるにはピッタリじゃない」
ティンダー・ストライク
「じゃあ、行くわよ! ――着火!」
ファナティシズム
「みなぎってきたでえええええ!!」
アーニャの唱えた呪文に、アレックスの目が血走る。
フラッシュ・ファイア
物質に宿った魔力を燃焼させる呪文だったっけ。
アクア・ドレス
「隠れているほうが良く見える。人魚がこの呪文を使えば、
衣服をまとうがごとくなのです。つまりですな……」
ダイアモンド・ショール
女王の冷たい言葉が、輝きのショールを紡ぎ出す!
グランド・ディフェンサー
「しかしまた、土の呪文を覚えたいとは……」
「アーニャが火だからね、僕は守りを固めようかと」
ファラオ・カース
「これは……避けるという選択肢はなさそうですな!」
「では、どうする!」
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