マッド・リザード
一匹の泥竜を見つけることが僕らの任務なんだけど……ド
ロドロの沼を前に、僕らは途方に暮れていた。
「私は剣の中にいる。危機になったら呼ぶように」
「ああー! ずるいわよ、ドラジェ!」
消えるドラジェに対し、残されたアーニャの抗議の声。
「じゃあ、あたしは飛竜で空から調べることにする」
ウォー・ワイバーン
「空を駆けるもの、ワイバーン! 我が前にその姿を現せ!
我は竜王ゲオルギウスと契約せしもの! 呼応せし勇敢な
るものを愛でるもの!」
魔法円が完成してしばらく、門の向こうから飛竜の首が一
つ現れたかと思ったら……気がつくと、合計で三つもの飛
竜の首が所狭しと門から現れていた。
マッド・ドラゴン
「くそ、アーニャのヤツ、逃げやがった。結局は男三人で
汚れ作業かよ。はあああ、めんどくせえ」
僕はこの展開、予想してたけどね。
「うほ! いい泥竜! 見つけましたぞ!」
モンブランの指さす先。巨大な大地色のドラゴンがこち
らの様子をうかがっていた。
マッド・コーティング
瞬く間に周囲の泥が竜にまとわりつく。その姿は、さなが
ら甲冑をまとった武者のようだった。
「なるほど、あれが泥竜と呼ばれる由縁ですか」
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