旧杉田劇場の広告で、これまで確認されている最も古いのは、昭和21年4月10日の神奈川新聞に掲載されたものだった。メインは大高ヨシヲが率いる暁第一劇団で、演目は「新舞踊 野崎村」、「喜劇 見會」、「時代劇 花吹雪武士道仁義」だ。
そこに、美空楽団が特別出演していた。これが新聞紙上に登場する「美空楽団」の最初でもある。もちろん、この舞台には美空一枝(のちの美空ひばり)が立っていたことは明らかだ。
昭和21年の神奈川新聞を検索する限り、これ以前の広告や記事がないことは確認済なのだが、なんと、このたびFT興行商社の社長が、読売新聞神奈川版に出されていた昭和21年2月16日付けの広告を見つけてきたのである。
これが、その広告である。劇団薔薇座が❝横浜初出演”ということで、2月16日より5日間、旧杉田劇場で公演していたことが分かる資料なのだ。
しかも、この薔薇座について社長は細かく調べており、氏によると《劇団薔薇座は終戦後に俳優の千秋実が妻の佐々木踏絵とともにつくった劇団⦆だという。
千秋実!
なんと! 千秋実といえば映画『七人の侍』『隠し砦の三悪人』やテレビドラマなど多数に出演していた人気俳優ではないか。そんな人が旧杉田劇場の舞台に立っていたというのである。
それもオープンした翌月に。
これも社長から送っていただいた資料である。千秋実・佐々木踏絵共著による『わが青春の薔薇座』に書かれている旧杉田劇場に関する部分。確かに、千秋実、佐々木踏絵、長浜藤夫らが出演していたことが書かれている。
ということで、杉田劇場のホームページの《旧「杉田劇場」に出演した主な人々⦆に、千秋実を加えなければならないことになった。
FT興行商社に感謝
↓【参考サイト】おすすめです(^^♪
by うめちゃん
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます