就職活動に於いて、面接は第一印象で間引かれる。
面接官は、第一印象から其の者の内面を見抜くのは難しい、と云うか無理である。
ならば関わってみれば解るのではないか。
併し、其の本性が判った時には手遅れだったと云う事もある。
吾を含めて、人間は得体の知れない生き物である。
と、こう云い切ってしまっては身も蓋も無い。
のほほんとお気楽な人がいた。
「嗚呼、こんな性格で羨ましい」
と其の人を見ていた。
或る時、其の人の壮絶な過去と経験を知った。
聞くも涙、語るも涙である。
だが、そんな辛い過去が在った事など微塵も感じさせない人である。
こう云う人こそが本当に強い人である。
自分もそうなりたいが、もう愚痴を撒き散らしているので、到底及ばない。
其々の人が、敢えて表に出さぬ十字架を背負って生きている。
皆が強い。
何処かに逃げ道を作っておけば、全力で取り組める。
背水の陣を敷く。
退路を絶って取り組むと云うが、吾には無理だ。
潰れてしまう。
日本の社会では、逃げる事を良くないと云う風潮が在る。
細く長くやって行くには、
辛ければ辞めてもいい。
凡てを投げ出して飛んでもいい。
薬に頼ってもいい。(吾は薬漬けである)
痩せ我慢が出来ない歳になった。