無理矢理にでも笑えば、状態が好転すると云う。
今の心の状態に反してである。
此れはもう、ギャンブルのオカルト攻略法と同レベルの思考である。
そして、泣きたくもないのに無理矢理に泣いて涙を搾り出せば心身に好影響だと云う。
吾も其れに倣ってやってみた。
どうしても気分が上がらず、暫く引き摺りそうな時が在り、不細工な顔を鏡に向かって、最大限の作り笑顔をやってみた。
此の作り笑顔を、時間を決めて数日間続けた。
併し、一向に気分が上がらず、だんだん腹が立って来てイライラし始めた。
巷では、如何にも心身に好影響が在るとの謳い文句だった筈である。
「此れ本当に効能が在るんか?」
益々気分が冴えずやめた。
自然に、心の赴くまま流れに任せた。
そして吾は、向き合う事もしない。
落ち込みの原因が解った処で、気分の落ち込みは上がらない。
皆さん上がるだろうか?
追求したり、改善したりする事をやめて、落ち込んだ儘に引き摺り乍ら毎日を過ごす。
気が付けば、気にならなくなっており、気持ちも落ち着いて不安も消えている。
家庭の内情による問題、其れは或る程度解決の方向性が見えない限り、幾ら作り笑顔をしたとて気持ちが落ち着く事は無い。
吾は無理矢理に笑顔を作らずとも、八方塞がりになった時、自然に笑みが溢れる。
どう云う心境かと云えば、
「笑うしか無い」
もう幾ら考えてもどうしよう無い状態になった時、吾は笑いが込み上げる。
諦めの状態である。
「結局笑ってるじゃないか」
と云うかも知れぬが、喜ぶや嬉しさとは違う。
余りにも、策が思い浮かばず、為す術が無い此の状態が余りにも滑稽に思えて笑いが込み上げる。
落ち込みの底に到達し、其れ以上落ちない時、心の中で何かが弾ける。
「あとは野となれ、山となれ」
「なる様になる」
此れは吾の一例であって、万人に当て嵌まらない。
自殺念慮が湧き起こったならば、直ぐに心療科に行って頂きたい。
又、「涙活」なるオカルト攻略法も聞くが、此れも吾には一切効かなかった。
悲しくも無いのに、涙が出るであろう妄想を凝らしてはみるけども、一向に涙が出る気配が無い。
最近泣いたのは、祖母の一件で泣いた事位である。
此れ迄の数十年間、感動はするが涙が頬を伝った記憶が無い。
あのパン助で阿婆擦れの元嫁と結婚した時も泣く事は無かった。
吾に甲斐性が無く、カトリック系の幼稚園に在る小さな教会で友人とお互いの僅かな親類合わせて二十人位で式を挙げた。
費用は10万円ポッキリ。
娘が産まれた時も泣く事は無かった。
出産の日に仕事を休んで、病院に行くと行ったが、パン助の阿婆擦れ女は、
「来ないでいい」
と一蹴された。
其れも其の筈、勤め先の社長(愛人)が見舞いに来るからであった。
まぁ其れは置いといて.....。
今の心の状態に反して笑ったり、泣いたりするのは、吾にとってはストレス此の上無い行為なのである。
テレビや雑誌等で、此れ等の特集が在ったりして、感想を述べる輩がいるが、ヤラセか奇特な人なのだろう。
喜怒哀楽は自然の発露に任せるが良いと思う。
解決に向けて取り組んでも、自然に任せて放置しても、何方にしても潜在意識下に刻印されるのであれば、過剰に向き合ってストレスフルになりたくない。
喜怒哀楽で犯罪行為に走る者は精神疾患なので、此の限りでは無い。
巷には訳の解らぬオカルト攻略法が蔓延っておるので、皆さんお気を付け下さいませ。