偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

池江璃花子さんへの意見を封じることは民主主義の死

2021年05月11日 07時41分49秒 | ◎ツッコミ思案neo
じゃあ、なんで池江さんはSNSのアカウントをとったのでしょうか?
「賞賛」と「感動」と「いいね」だけコレクションするつもりだとしたら都合がよすぎます。
…というか、だとしたらSNSというものをまるでわかっていらっしゃらない。
ファンだけでなく市井のみなさんの意見も知ることができるコミュニケーションツールがSNSのもつ重要な機能です。
 そもそもアスリートというものはSNSが発明されるずっと以前から批判にはさらされる存在なのです。長いプロ野球の歴史の中で「ヤジ禁止」のルールを設けた球場は皆無です。
 さすがに球場のヤジは稚拙で下品すぎるものがあるにしても、スポーツ選手に限らず表舞台にたつような立場の人々は甘んじて受けなければならない批判というのもあるのです。
 五輪代表の場合はアスリートという身分の上にさらに「公共性」がのっかるのでなおさらです。
 あの河野太郎大臣は自分に批判的なユーザーをブロックしまくってるらしいですが、これは三重の意味でアウトな行為といえます。
 まずは先述のようにSNSの本質を無視していること。
 次に、政権は常にチェックの対象であるわけだから批判的意見には耳を傾けなければならないということ。
そして、大臣のSNSは重要な情報チャンネル、情報インフラの側面もあるということ。新聞やテレビを見ない若者に対する若者へのブロックは「棄民」に等しい。ワクチン担当という意味では負要素はさらにブーストかも。
 よく「公人」の定義に関する議論で、自由に会見を開ける立場の人は「準公人」という意見がありましたが、池江さんなどまさにそう。別に会見など開かなくてもネットニュースを通じてコメントを発表できちゃいます。
 それにひきかえ一般人はなにか意見を届けようにも「窓口」すら見つからない。
 驚くのはテレビやラジオに出ているアタマのよさげなコメンテーターの方々が五輪開催を批判する場合でも枕のように「池江選手への批判は論外だけど」とつけたしていたこと。
 みんな炎上を恐れているのかもしれませんが電通の思うつぼです。 
 そう、
池江氏は先述の五輪アスリートという公共性にくわえさらにもうひとつのっかっているのです。あの電通プロデュースの白装束のスピーチなど、あきらかに五輪開催プロパガンダの広告塔になっています。
 だから「窓口」がわからず、途方にくれた棄民たちが池江氏のSNSに駆け込むのは無理からぬこと。
 そして、世の中が大変になっているときに彼女自身も
「五輪はメダルをとらなきゃ意味がない」
などとかなり刺激的なセリフも吐いていました。
 そもそものハナシとして、五輪の準備段階でヒトは死んでます。震災関連死って知ってますか?避難疲れなどで体調を崩してそのまま亡くなってしまう方々のことですが、いまだ数千人の避難民がいるのです。
 そして五輪のバブルのせいで土木リソースは中央に集中し、それどころか部材・資材も高騰し被災地の復興は遅れてしまっているのです。
 千葉の台風被害の時に
「五輪のせいで職人が不足しているので千葉の復興も心配」と発言した専門家は翌日から画面から消えました。恐ろしい国です。
 新国立競技場が建設されるおかげで立ち退きを迫られた高齢者の方々もいらっしゃいましたが、あとから旧競技場をリフォームする案があったことが発覚するなどなんともやりきれません。
 日大危険タックル問題の時に取り沙汰されたのが日本版NCAAの設立でしたが、NCAAというの全米の大学の体育会を束ねる組織でその機能のひとつとして「筋肉バカ」を生み出さないというのがあります。
 日本のように授業にでずに部活に直行などというのは許されないのです。
 コロナ禍真っ只中のまま五輪に突き進むこの状況をみるにつけ、これがアメリカだったらアスリートの中にも開催中止を進言する人が一定数いるだろうなと想像するのです。
 五輪中止が決められない日本は主権国家か?と心配になりますが、「上が言うがまま」だと言っている池江選手も個人として成立してるのか?と怖くなります。
 こういっちゃなんですが、コロナの煽りで手術が受けられない方々がいる一方で池江選手の治療には恐らく日本のベストな医療リソースが集まったことでしょう。
 そうした経験から「医療」を含め「社会的リソース」というのは有限で、五輪というのはそれらのリソースを莫大に消費してしまうという想像力はないのでしょうか?
 楽観的国民性のスペインで人々がロックダウンに意外と従順従ったのは、スペインの人々は祖父祖母を含む「家族大好き」な国民性があるからと現地の日本人の方が報告してましたが、池江さんも誰かの孫なはず。
 あ、でも、ひょっとしたら、流れに逆らえないのではなく、シンプルにご本人のメダルへの執着が勝っちゃってるだけかも。そうするとあの「メダルとれなきゃ意味がない」という五輪精神にも反する発言とも辻褄があいます。
とりあえず、昨日見たドラマのセリフを紹介しておきます。
フジテレビ月9「イチケイのカラス」
 裁判官役・竹野内豊がバカリズム被告に語り掛ける、感動と示唆に富んだ場面です。
五輪、絶対やったると信じて疑わない、
アスリートと五輪関係者にみなさまに捧げます。

ひとは一人じゃない
ひとりでは生きていけない
だからこそ
自身の行動が
知らず知らずのうちに
まわりに影響を及ぼす
いいことも
悪いこともです
自分が変わらないと
何も変わらない







巨大怪獣はしれっと歩くだけで
町を破壊もします
人も死にます





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