偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

上地雄輔、ブッシュ、そしてバラエティ番組と

2009年01月29日 02時38分02秒 | ◎ツッコミ思案neo
 前に書いた、というか昨日も引用した日本テレビ「デジタルの根性」に抗議殺到の件では、このご時世に借金苦を面白がるネタはデリカシーに欠けるんぢゃねーかっつーハナシをしたけど、それよりずっと前にハウス食品やコーワ並の頻度でオンエアされてた「ハムナプトラ3」のCMの中で上地雄輔が叫んでいた
「命がけってサイコー」
ってセリフがこのご時世、不謹慎ぢゃねーかと思ったことがあった。…っていうか個人的にはかなり不快に感じた。

 当時ネットを見てたら、さほど多くはないものの同じように不快に感じた人はいたようで「どう思う?」と意見を求めるカキコミがいくつかあった。
 そんな中で「上地雄輔さんのファンだったけど嫌いになりました」って書いた人にたいして
「あんなもん作家が考えてんだからそれで嫌いになるなんてトンチンカンだぜ」というレスがついていたこがあった。

 たしかにドラマで主人公を苛める役をやっている役者本人を悪者と思いこんでしまうとしたらアホなことだけど果たしてこれはそれと同じ次元のハナシといえるだろうか?

ぢゃ例えば、「タレントの●●氏も推薦!」といってパンフレットにもそのタレントの顔が掲載しているような投資会社がインチキな詐欺集団だと発覚した場合、そのタレントが「名前を貸しただけだからカンケーねーよ」って弁明した場合は納得できるだろうか?

「タレントの●●氏も推薦!」とわざわざギャラまで払うってことは●●氏に訴求力があるってことだし●●氏はその影響力に対してギャラを得ているのだ。

 そして推薦とかいわれたらてユーザーのほうはそのタレントが経営者とつきあいがあるか、それなりに商品内容を知っているか、もしくはその本人も実際に投資をしているって思うのは当然ぢゃねーか。

 だって堀北真希や成海璃子がiPhone自慢してたら詐欺だって叫びたくなんだろう。

 つまりドラマの役と宣伝キャラは次元の違うハナシだってこと。

 最近、オバマ・フィーバーの影響でスピーチ・ライターなるものがにわかに注目を集めたけど、かのキッシンジャーはどんな原稿だろうが誰の口から語られるかが意味を持つといったそうな。
 あの有名な「悪の枢軸(axis of evil)」という言葉はブッシュのスピーチ・ライターだったデビッド・フラムという人が考案し、この言葉がきっかけで世論をイラク戦争支持へと走らせたとまでいわれている。
 フラムは後に“ミスター悪の枢軸”と揶揄までされたが、これとて最終的にこのコトバについて責任を負うべきはブッシュなはずなんだ。

 上地くんとてあのセリフを絶叫するまでにはいくつかのプロセスを踏んでいるはずだ。本人がもし台本の段階でこんな胸の痛むセリフ言えませんって思ったら、タレントイメージ的なアプローチで事務所経由で断ることはできたはず。
 あまり意味や影響力を考えてなかったとしたらそれはそれで問題だ。

 だから「上地雄輔さんのファンだったけど嫌いになりました」っていう(もしくは彼)の発言はトンチンカンでもなんでもない。
 だって送り手は「上地くんが宣伝してるから観に行こうと思ったのよ」ってのも期待してるんだから。

 上地にしてもスピーチ・ライターにしてもなんでいまさらこんな話題ってかんじだけど昨日の投稿書いてるときにふと思い出したのさ。

 つまりさんざん“影響力”を使って金儲けをしておいて、悪影響にクレームがついたときだけ「それは受け手のリテラシーの問題です」と逃げるのは整合性がないぜってハナシ。それは広告に限らずバラエティとかもね。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「まことちゃんハウス」は勝... | トップ | HYの「366日」のパクりはサブ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

◎ツッコミ思案neo」カテゴリの最新記事