偽史倭人伝 ~ Carnea Historia

march madness の次が April Foolなんて小粋ぢゃないか。

続々・それでも山Pが成功できる7つの理由~長州力を笑うな!

2020年11月29日 06時14分25秒 | ◎ツッコミ思案neo
   

 この投稿は「続々」となっているが厳密には「続2」という位置づけの話題だ。(だから最初から読んでね♥)
 しかも「主人公かわっとるやないけ?」といわれかねないくらい、ちょっと見スピンオフ気味にみえる。だがこの点については最後まで読んでいただければ「そーともいいきれない」とぺこばばりの肯定感をもっていただけるかと思う。

 さて前j回、アメリカにおける日本人のサクセスモデルとして中邑真輔をあげたが、その周辺の資料探しのプロセスで興味深い動画に行きあたった。

長州力「ギャオ!!」ずっと見ていられる中邑真輔との初対談!!


 色んな意味で示唆に富んだコンテンツだと思う。まずはもういい加減、長州力をいきおいだけで笑うなと言いたい。昨今、「長州いじり」がバズってるようだが、この動画を見るとその殆どは不当だということがわかる。
 テレビなどでは氏が「ハッシュタグ」を「ハッシュドタグ」といったというエピソードを「これでもか」というくらいこすっているが、一体なにがおかしいというのだろう。
 私は初見の段階で可笑しいとすら思わなかった。例えば複数形と単数形の使い分けを間違えたりとか三単現のSをつけ忘れたりしたのを見てここまで大笑いするだろうか?笑うどころか日本語の会話の中ではその類のことは「スルー」が常道だ。ツッコムほうが無粋というものだ。

 むしろあのパターンは英語知識のある人の間違い方とすら感じる。名詞の前につく単語がその名詞を修飾しているときしばしば「ed」の語尾になる。例えばBlue eyed soulのように。
 覆面レスラーはMasked manでもmask manでも通じるだろうが、英語的なのはむしろMasked manのほうだ。ハッシュドビーフと間違えたんじゃないかなどと突っ込んでいる人々のほうがよほど浅はかでボキャブラリーが少ないにちがいない。そもそも笑っている人はハッシュの意味をちゃんと説明できるのだろうか?
 この対談で真輔が試合会場で爆弾探知犬に噛まれてケガを負ったという話題の部分で長州氏は
「ステッチとか?」と尋ねた。
 つまり縫合施術(stitch up a cut)を要した怪我か?(何針か縫ったのか?)と聞いたのだ。この意味がすぐにわからなかったやつはハッシュの件を笑う資格はな~し。(というか何人(なんぴと)も)

 ドライブという単語は今はフツーに日本語化しているが、「移動」のことをそう呼ぶのはアメリカ的だ。「巡業」をサーキットするなどというのは、もはやジョン・ボン・ジョビ(w)
 WWEのことをニューヨークと言っていたが、組織の代名詞に地名を使うのもアメリカ的。
 多分、長州氏は海外修行中、生活の中で英語のエッセンスを生吸収していたのだ。これが長州氏の発言ぢゃなかったら「気取ってんぢゃねーよ」とか「欧米か」ツッコミたくなるくらいのアメリカンテイストだ。
さらに
 不動産で儲けたタイガー服部氏のことを「ミスタートランプ」などというのは、やはりアメリカ文化に造詣があるひとのワードセンス。
 ちなみに蝶野正洋氏が、やはり長州氏との対談した際に、ボロい家を安く買って自分でリフォームして高く転売するタイガー氏を「非道い」呼ばわりしていたが、そうなると工藤夕貴さんも非道いということになってしまうがDIY文化の浸透しているアメリカではこれはむしろポピュラーなしのぎらしい。バブルに乗じた土地ころがしと比べたらよほど上品なものだ。工藤夕貴さんといえば非ネイティブにもかかわらずパーフェクトに近い発音を身に着けてハリウッドで成功した先駆者だ。山Pも彼女から学ぶ点も多いんぢゃないかと思う。
 ほーら山Pにハナシつながったでしょ?
 ちなみに上の動画に出てきた「トップレス」って「見えちゃってる」くらいのことだろうというと思うかもしれんが、これがびっくり、ほとんどポルノ。女優ってすごいなあ…と。

 さて、長州いじりだけど、
これこそプロレス(お約束)じゃないか、
長州のほうもおいしいはずだ、
これをウインウインっていうんだよ
などというもっともらしい反論があるかもしれない。
でもこれは女芸人に対する「ブスいじり」と一緒で
たとえ当事者が合意していても、社会的責任というものがあるはずだ。
たとえばフォーリンラブ・バービーの容姿に関する自虐ネタに対して
女の子のファンから「悲しい、傷ついた」と手紙がきたというし、
そもそもこの件でも長州氏は業界人という水平からのいじりに対し
さほど有りがたいとも思ってないと思う。
ここでは五万歩くらい譲って
「いじり文化」の全般については保留にしておいてもいい。
それでもなおこのケースが問題なのは
天然を演出するために「事実」をすら捻じ曲げようとしている点だ。

以前「さんま御殿」で
何にでも米酢をかけるという八代亜紀が
すでにバルサミコ酢を使っている料理でさえも
米酢をかけてバルサミコ感を薄めるといったら
知ったかぶり芸人が
「中和させるんですね?」とつっこんだ
「ちがうの薄めるの」と八代氏が返したら笑いがおこり
「同じ事ですよね」と今度は芸人だけでなく
関西出身のアホイケメン俳優まで加勢してつっこむ。

酢に酢をいれても「中和」はできない。

芸人たちは小学校で習う「中和」の意味をご存じないようだ。
もちろん「中和」という表現を喩えで使うことはあるが
この場合、話題の中心は「酢」なので
中和は本来の意味で使うべきだ。
ショックだったのはインテリ芸人のカズレーサーまでツッコミ隊にいたこと
天然いじりを盛り上げるためには事実をまげてよいという間違ったメッセージを子供たちに送ってしまう
(そもそも天然いじり自体ありなのか?とも思うが…)

twitterをメールのように使ったという件も、
そこまでひっぱることか?
というかんじ。
→連絡したい相手がいる。→
→たまたま今twitterを開いている→
→相手もtwitterは見るだろう→
→ぢゃあここに書いちゃえ
↑そこまで可笑しくない
プライバシーとセキュリティ面で問題がなければ
いくらでもやればいいさ
それを見てファンが笑うのは自由だ。

「代用連絡法」といえば
お笑いコンビ・ラランドのサーヤは
相方が遅刻していてつかまらない時には
ラインを通じファンに呼びかけ
一斉に相方に電話をかけさせ
それによって生じる受信側端末の「発熱」で気づかせるそうな。
携帯まわりの発熱はしばしば事故にもなるから
よい子はマネしないでねと言っておいたほうがいいかも


 冒頭の動画に話を戻すと、これは対談というより凱旋した中邑真輔への長州力という優秀なМCによるインタビューといえる。長州氏のどこが優秀なのかといえば視聴者の知りたいことをちゃんと聴いてくれている点だ。
 優秀なインタビュアーというのは時には自分の知っていることも知らないふりをして、質問を設定し構成し、体裁を整えるものだが、長州氏は知らないふりとまではいわないまでも変に先輩風を吹かせ知ったかぶってマウントをとりにいったりはしない。なにより長州氏がいまだ「興行」というものの「経営」や「運営」に関心もって日本のプロレスのことを気にかけているという真摯な姿勢もいい。
 真輔がもっと早く動いとけばよかったかもと言ったのに対し、早く動けば早く成功したとは限らないと指摘したのは、さすがわかってらっしゃる。真輔が新日を抜けたことで新日のためにもよかったのかもしれないという考察もさすが。環境に恵まれた野球のOBではこんな会話は期待できまい。

 冒頭に「真輔の活躍はYouTubeで見ている」
といったあと、慌て気味に
いや「YouTube」ではなく「ニュース」かもしれない
と訂正するなどコンプラぶりもなかなかのものだった。
 童貞喪失の相手はプロだったなどと公言し法律の無知さを晒す某大物芸人とは大違いだ。(今なら立件まであるような#metoo案件を武勇伝のように語る大物俳優もいたっけ。)

 どうやら中邑真輔はテスト生のような身分ではなくスカウトなのかなんなのか、とにかく請われて海を渡ったようだ。長州氏絶賛のあのテーマ曲にしても「ある程度名のあるやつ」にはあてがわれる制作スタッフをつけてもらえたらしい。それでも衣装については自前というのが意外。逆の見方をすればキャラ作りなどの演出に本人が直で関われるということでもある。

 あとで知ったがテリー伊藤氏も山Pは悪役やったらいいと言っていたそうだ。彼もなかなかわかってるね(笑)でも単に悪役ではなく、ここはカルト的に人気が出そうなキモかっこいい怪人キャラがいい。(ウィル・スミスの会社経由で企画書とともにNetflixへGo!)

 真輔のアメリカ土産話も興味深かったが一番示唆に富んでたのは、長州氏の反応の方だったかもしれない。日本のプロレス界も確実に変わったが、ファンはどういう「納得感」でリングを捉えているのか気になるといっていのが印象的だった。「納得感」というワードがプロレスのすべてを表現しているのではないか。
 日本のファンは長らく「ショー100%」というのを受け入れずにきた(今でも受け入れてないかもしれない)。その間に格闘技ブームがあったりして、よせばいいのに「本当に強いのは誰か論争」などもありーので、もうグチャグチャカオス状態だった。
 これはプロレスに限ったことではないかもしれないが日本のファンというものは「信者化」しがちだ。そこらへんがあらゆることをややこしくする。
 だから実力があってキャラの立ったやつはさっさと渡米したほうがいい。
 日本のプロレスファンの特徴として「つっみみ」ながら楽しむというのがある。コアなホラー映画ファンと似ているかもしれない。中邑真輔も例にもれずアメトークではしっかりいじられていた。あのクネクネキャラは日本ではつっこみどころ満載という扱いだったのが、海を渡ったら芸術になってしまった。WWEにも笑かしにかかるヘンなキャラは歴代存在したが、真輔はその範疇ではなかったらしい。
 前回、中邑真輔の成功がオリンピックメダルとは違う次元のすごさと言ったのは、その場で審判がジャッジできる「勝ち負け」の世界ではなく基準があいまい(或いは完全なるブラックボックス)で慣習や文化背景などに左右される「好き嫌い」の世界だからだ。
 以前、田尻(TAJIRI)というレスラーもWWEで活躍したことがあったが、そのキャラ付けの中にリーガルという英国人レスラーの執事というのがあった。執事は奴隷でも召使でもなく誇り高き職業だという主張もあるかもしれないが、「猿の惑星」の原作者に関するエピソードを思い出してしまってあまりいい気はしなかった、というか屈辱的とさえ感じてしまった。そのエビサードというのはフランス人の作者は戦争中に日本人の捕虜となりそれまでプランテーションでアジア人をこき使っていたのが立場が逆転してしまい、その体験を小説にしたというやつで、のちに作者が捕虜なっていたのは日本軍ではなかったという事実誤認があったということで「完全否定」されるのだが、そもそもデフォルトとしてアジア各国が植民地化されてたという図式はがっつり存在してたし、フランスという国のが異文化に対する姿勢についてはいまだに色々と聞こえてくるしと考えると「捕虜きっかけ」ではないにしても、その他の動機はいくらでもありそうだなと思うのだ。
 フランスで日本のアニメが人気といってもそれは作品単位での完結していて日本人そのものをリスペクトするという次元ではきっとなかったのだ。真輔みたいな次元の「好き嫌い」の好きを勝ち取る成功者が5人くらい出てきたら潮目は変わってくるかもしれない…と密かに期待している。

 長州氏はチャリティについても質問する。ここで少し驚いたのは真輔はレスラーが参加する活動の中で「メイクアウイッシュ」というのがあるが自分はヒール(悪役)だから参加しないといっていたことだ。ヒールとはいっても入場の時は「ナカムラ」の大合唱ががおこるしベビーフェイス(いいもん)との試合の時は最初はブーイングを浴びるものの中邑がフォールしたときは会場全体を巻き込んでスリーカウントの大合唱になったりする。ファンの方が楽しみ方を知っているといえばそうなんだろうが、キャラの住み分けはどうなっているんだろう?ここまで有名になったら中にはシンスケに来てほしいと願っている子供もいるんじゃないだろうか?と思ってしまった。
 長州氏はといえばチャリティ活動について
「必要なんだろうなそういうの」とプロレス界の未来を見つめるような視線。
そんなわけで
無理矢理ないじりなんてしなくとも
捏造された笑いなどなくとも
プロレス昔話、裏話だけでも
長州氏のハナシは充分おもしろい
ずっと聞いてられる。

かつて引っぱたくスタイルのつっこみが
外国人などからアンビリーバブルと指摘された時
これが日本の文化じゃい
と必要不可欠さを主張していたが
しだいに実は沖縄芸人 他の方々も否定的に感じていたと発覚
結局、いまではあまり見かけなくなった。
お笑いは退化したか?
そんなこたねぇだろ
「キャラ立ち」はあらゆるエンタメジャンルで重要かもしらんが
外からのキャラの強制はいかんし
それに寄せるために事実をるじまげるなんて
犯罪的ですらある

えー
結局今回は
長州力7
エンタメ論5
文化論5
山P2
という構成のハナシでした。

そーいえばさっきのさんま御殿の「八代亜紀vsつっこみ」の回
八代氏がチャーハンには「酢7、醤油2」の割合でかけるといったら
あと「1」はどこいったんやというツッコミがはいった
たして「10」にならなきゃいけないという勝手な思い込み
「めんつゆ1:水1」
という説明見て
あと「8」はどこいったんやとつっこむのかよ
と、逆につっこみたくなった。
次回は
「続々々・それでも山Pが成功できる7つの理由~デイブ・スペクターを笑え!」
の予定です。
いやマジで。


   

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