ＳＭＡＰと石井克人と野上照代と

ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ特別編　ザッツ・ジャパニーズ・エンターテイメント　蘇る日本映画黄金期

草なぎ剛主演の「山のあなた・徳市の恋」という陳腐な企画映画のPRのための陳腐な特集だと思った。
最近「母べえ」の原作者として表舞台に出てくることも多くなった元黒澤組スタッフの野上照代氏が「天国と地獄」のあの有名なエピソードについて語っていた。
　車窓から見える二階建ての家がイメージと合わなかったので二階部分を取り壊させたというやつ。

「あとでこちらで費用を出して復元したので全然迷惑ではなかった」

というのだけど、この言葉に映画人の傲慢さがにじみ出ているなと思った。

自分の意志でリフォームする時だってけっこう大変なもんだ。
撮影期間と工事の期間、家が半分になってしまった挙げ句に、二階から運び込まれた家財道具でさらに半分になってしまった階下での不自由な生活が絵に浮かぶ。

まぁ、「映画黄金時代」だったということ、で結果としてこのうちの人たちは黒澤の名作に関われたと光栄に思ってるなんてこともないとはいえないけど少なくともこのばぁさん言い草はねーだろうよ。

　よく日本の街は撮影に協力的でないとかいう批判を聞くけど、確実に外貨を稼いだり町興しにもなったりするハリウッド映画と同次元で語るなよ…っていう。

　それに自分の経験から言わせて貰えば最低限のマナーも守らないロケ隊に協力しなくっても罰はあたないと思う。当たるとしたら彼らのほうだ。

　メインの映画の宣伝のほうだけど清水宏監督の「按摩と女」の完全カバーって…。アホか！
“完全カバー”ってコンセプト自体がやれやれだけど、どれだけ似てるか比べてみせるこの番組の企画、なんだか見てるほうが恥ずかしくなっちまう。
　完全カバーという時点でもうナシなのに、なんでわざわざ草薙剛の三文芝居？

　バラエティ芸人としてのスマップは嫌いぢゃないし、実は「ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ」もほぼ毎週見てたりするが（笑）今週はいろんな“エライ方々”の勘違いを見せられた気がした。