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「Slice and Dice」というBoston Globe紙の見出しをフジテレビのすぽると!で“誤訳”していたとことは前の投稿で取り上げたけど、その後16日のフジの深夜番組「<登龍門/TRE-SPORT>ベーブ!MLBダイジェスト」では同じ見出しを画面に映しながら、何もなかったかのように
「松坂に批判的な記事はひとつもなかった」
と紹介していた。いけしゃあしゃあと
と思ったら今度は昨日(19日深夜)のすぽるとでは、今度は「Slice and Dice」を“めった斬り”と解釈。以前の“それた”と比べれば正しい英語の解釈になっているが、今度はまたもや「厳しい論調で批判された」ことになってしまっている。
ついでに言うと昨日は「JAYS SHAKE DICE-K」という見出しも紹介していたけど訳は「ブルージェイズが松坂を揺さぶった」となっていた(笑)
間違いとはいえないが日本語としてどうだろう?実際にもう負けているのだから、「揺さぶりをかける」という日本語のニュアンスを考えるとやや違和感がある。
これも結局のところは前回同様「SHAKE DICE」(サイコロを振る、まぜる、壺を振る)という言い回しに引っかけたシャレのきいた見出しなわけで、そういうのは掛詞をしたいがために無理をするときがあるので紹介するときは注意が必要だ。
でも今回の場合は単純に日本語のセンスの問題かもしれない。
まぁ、Shkeにしても揺さぶりをかけるという現在進行中みたいなニュアンスのコトバよりも「くじく」とか「振り切る」とかいった訳語のほうが“結果が出てます感”があって伝わると思う。
どちらも辞書に出ているはずだ。
同じ見出しにたいして解釈が二転三転したというのはきっと誰かが抗議の電話でもしたのだろうが、記事の内容までチェックした人は未だにいないようだ(笑)。
なんだか上から物を言っている風だけど、実のところはこのブログ名のメディアドランカが表すようにいままではテレビやら新聞にずっぷりとハマってきた身、垂れ流される情報は9割方信用してきた口なのでシッカリしてほしいというのが本音なのだ。
特に健康番組と外国語の翻訳という、巨大企業にとってはその筋の専門家を集めることのたやすいジャンルに関してはまず間違いないだろうと思っていたので正直うろたえているのだ。
フローラン・ダバディなんておっさんのことも信じ切っていたけど、最近どうも怪しい。アメリカでジャイロボールが噂になっているというのをいち早く伝えたのはいいけれどその当時は「ジローボール」とかへんな発音ををしていた。
ああいう人はアメリカ人の友達とかもいるので新語に出会っても直で電話するなり会うなりしてリサーチできるから発音に関しても間違いはないもんだと思ってたけどこれがどうも怪しい。
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Sporting News誌の「Baseball's Filthy New Pitch」という見出しを“野球界、謎のニューピッチ”と紹介していたが果たしてその訳でいいんだろうか?
Filthy New Pitchってのは多分「Filthy Rich」にひっかけた見出しで、ここで「Filthy」はスゲェとかいう強調の意味な気がする。「Filthy」はカッコいいという意味もあり「Pitch」も売り込むとか宣伝文句という意味がある。
だから、これを「新しい投球」ではなく「新手の宣伝文句」ととれば「ジャイロボールは実は存在しない、ただの盛り上げるための戦略じゃないのか?」というニュアンスで「謎のニューピッチ」となったと好意的に解釈できなくもないが、最近の杜撰ぶりを見ているといろいろと疑いたくもなる。
情報を鵜呑みにするなってしたり顔で言う文化人やらコメンテーターがいるけど新聞やテレビは正確な情報を伝えるというのが大前提だったはず。…っというかみんなが嘘つきになったら効率悪くてしゃーないわい。
とりあえずは今後のBoston Globeの見出しとフジテレビに注目だ。
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