🌻ベルばらSS／アンドレ お誕生日に寄せて ◆◆ 白猫 ◆◆
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〜アンドレお誕生日に寄せて。短編SSです。
◆◆ 白猫 ◆◆
ベルサイユで白薔薇と称されるオスカルであるが、実はツンデレの猫気質だ。
動揺したり驚いたりすると咄嗟に怒鳴るし叫ぶし。
そういう素の態度を取るのも限定された人間の前だけであって‥‥幼馴染みのオレの前ではツンデレ加減が半端ない。
幼い頃から今でも。
以前も衛兵隊で雨に濡れた軍服を着替えようと司令官室で上半身裸になっていたら、入ってきたオスカルに怒鳴られた。
‥‥だって仕方ないじゃないか。
一班の連中は宿舎の方に着替えに行ったが、宿舎にあるオレのベッドや身の回りのものなんて夜勤明けの数時間しか使わないのだ。オレの軍服の替えは司令官室の隣の控え部屋に置いてあったんだから。
控え部屋は元々狭いし窓も無い。自分が使うようになってから荷物置き場みたいになっている。
〜で、司令官室の窓を開けて着替えていた。
黙って着替えてたオレも悪いけど、オレは「部屋で着替えてくるよ」と告げたハズだ。
廊下でオスカルとダグー大佐が話している時に伝えて、皆んなは宿舎の方に行ったけど、オレは司令官室に向かったのだから。
それなのに、司令官室に入ってきたオスカルの異様な驚き方にビックリしてたら、オスカルは真っ赤になってドアを思い切り閉めた。
ツカツカと遠ざかる足音。
おいおい。何処に行くんだオスカル？
普通なら「出て行け！」とオレを追い出すのが道理だろ？司令官室はお前に与えられた部屋だ。なぜ部屋の主であるオスカルが部屋を出て行くんだよ。
しばらくオレはポカンとアホ面をしていたと思う。
つい先日もこんなことがあった。
風邪気味だったらしい彼女が咳込んでいたから心配したのに「あっちへ行け！」と遠ざけて、次の瞬間オレの胸に飛び込んできた。
「どこへも行かないで‥‥一人にしないで」と。
幼馴染みから主従関係を経て恋人となったのだ。
オレにしてみれば長い長い片想いで身分違いの恋。
普段はオスカルの従者でもあるため沈着冷静を心掛け、宮廷や近衛では貴族達の言葉遊びや色恋話、第三身分で宮廷の出入りを許されたオレに対する嫌味攻撃も波を立てぬように上手くかわしてきた。
オスカルのことになるとオレは豹変するらしい。
いや、近衛にいる頃からオレはオスカルを護らねばと思っていたから、影ながら色々動いてはいたけれど。
貴族達はネチネチ感がハンパないからな。近衛隊にも良い奴はいたけれど‥‥極一部だ。
オスカルも自分は女だから・国王夫妻のお気に入りだから・将軍の娘だから‥‥など散々なことを言われても、負けず嫌いの彼女は日頃から努力し有言実行で周囲を黙らせてきたのだ。
ベルサイユで散々揉まれてきたオスカルとオレが衛兵隊に移って‥‥近衛隊と違い、まぁ皆んな人間くさくて行動も判りやすい。
拉致された時のオスカルも恐怖はあったハズだが、オレが助けに来ると読んでいたようだし、銃をブッ放したオレは衛兵隊員からドン引きされたけど‥‥オスカルの危機ともなれば頭で考えるより身体が勝手に動いてしまうのだから仕方がない。愛ゆえの暴走‥‥いや、行動だ。
オスカル絡みで思い込むと突っ走る傾向にある自身も自覚しているし反省することもある。
彼女がすべてだった。
初めてジャルジェ家でオスカルをみた瞬間、惹きつけられた。
いつの頃からか「好き」から「愛」に想いも変化し《長い片想い》と秘めた想いを募らせた日々。
オスカルはツンデレの猫気質。
真っ白な毛並みに青い瞳の猫のようだ。
猫は気まぐれとも言うけれど。
そんなオスカルがオレの前だけて見せる素顔‥‥素の彼女は自分だけが知っている。
天然で怒りっぽくて酒好きで、ツンデレ加減も自分の前では半端ない。
素のオスカルを知っているのもオレだけだという満足感、そして独占欲。
彼女も些細なことで他人に嫉妬したり、我儘に甘えてきたり‥‥彼女なりに独占欲もあるのだろう。
ふいに女性の一面をみせるオスカルが可愛くて愛しくて仕方がない。
オスカルが自然体でいられる場所が自分の元であるならば、オレは其れを守り続けるのみ。
日中でも夜でも‥‥全力で受け止める。
ツンデレで猫気質なオスカル。
しなやかな青い瞳の白猫。
そんな彼女を愛してやまない。
ベルサイユでは白薔薇と称されるオスカル。
白薔薇と白猫‥‥どちらも愛すべきオスカルだ。
長い長い片想いが叶ってオスカルと相愛となった今でも、彼女と共にある幸せを噛みしめながら今を生きてゆく。
◆終わり◆
アンドレ お誕生日おめでとう🎉
〜お読みいただき有難うございました。
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