夏の思ひ出 今中 京都
富良野てふ夏の花野に人の群
倉本聰の暗き話やラベンダー
涼しさや大雪一気に駆け下り
先陣を争う漁の明け易し
北海の浜ははまなす花尽くし
夏熊の背中間近き知床湖
丹頂の睦みて夏を舞いにけり
釧路川午睡に任せ舟一つ
連獅子の舞の速さよ夏の月
待ちかねて闇に火の点く大文字
延暦寺法灯絶えず山涼し
蜃気楼水面に浮かぶ美術館
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リゾートに本三昧や雲の峰
千年の松の息聴く神無月
ペダル踏み疾走と言う冬の道
比良颪琵琶湖叫びて冬の虹
冬の世に燃るがごとくなもあみだ
初仕事卒業証明取りに行く
長き冬いぶりがっこを噛みしめて
処女雪をきゅきゅっと踏みし輪かんじき
悔過(けか)すれど混迷深し春の闇
啓蟄や五体投地に地は振るえ
果無の天空に尽く白き梅
土石流爪跡残し山笑う
檸檬風受けてしまなみ . . . 本文を読む