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1、サントロフィーム修道院(アルル)
アルルと言う町は旅行記の中でも紹介したが、ローマ帝国時代の劇場、闘技場、浴場などの素晴らしい遺跡が犇めいているが、唯一中世、ルネッサンス時代の素晴らしい建築物がここサントロフィーム修道院である。ここはサンチアゴデコンポステーラへの巡礼路、ツールーズの道が通っている。
ここのタンパンの彫刻も素晴らしい。上の写真のように「最後の審判」の場面で、中央に厳かなキリストが座り、左右2人づつの四福音書書記を従えている。
その下のラントーには12人の使徒が補佐役として従っている。
入り口左側の聖人たちの彫刻である。
ブシュール下面の天使たちは楽し気に楽を奏でながら「最後の審判の時が来た」ことを告げている。
これは扉口右側の彫刻で「地獄に引かれる罪人の列」である。
モワサックのサンピエール修道院のタンパンを中心とする彫刻と並んで素晴らしいものだ。
これは付属教会堂の平面図。下の方が入り口で右上の横右方に回廊が繋がっているが、現在はそこからは入れず、いったん表に出て右奥の建物の奥の方に回廊の入り口がある。地図で右方向に入り口があるとはわかっていたが、探し当てるまでに15分ぐらいの時間を要した。
比較的こじんまりとした教会ですっきり感がある。
回廊の平面図であるが、ここで今までで初めて2階にも上れた。
回廊を支える柱は、壁体と円柱の組み合わせとなっている。
この回廊の柱の彫刻は立派で、柱頭彫刻と柱彫刻が概ねきちっと残っており、アーケードの上部にも彫刻があるのが分かる。
これは回廊四隅の柱彫刻。状態も比較的良い。
回廊横の寝室はシルバカーヌ修道院のそれとは若干違って両側に小さな窓群はない。
天井は尖塔ボールドと交差ボールドの組み合わせであり、尖塔リブ、交差リブで支えている。
図の左下が教会堂の入り口で、右上の四角くロの字型になっているところが回廊である。
2、サンソブール大聖堂(エクスアンプロバンス)
ここは旧市街地の北の方にあり、私が泊まったホテルからも至近距離。ガイドブックによれば、5~15世紀までのさまざまな様式が入り組んでいるが、2世紀の作られた部分もあるという。
教会堂の下部はいかにもロマネスク様式である。
内陣はゴシックであるが、なかなかエレガントである。
ガイドブックや平面図を見ると、右上の方に回廊があるはずなんだが、どうも入り口が見当たらない、というか、扉に鍵がかかっているようだ。おかしいなと思っていると、寺男の様な人がきて、何やら目配せして「ちょっと待ってろ」と言いたげな。少し待っていると、鍵束をどこからか持ってきて、2人ほど客?も連れてきて扉を開くと、あら不思議、扉が開き、回廊が現れた。どうぞごゆっくりと言って寺男は入り口に、我々3人はゆっくりと回廊を見学した。
回廊も彫刻もなかなかに素晴らしいものだった。
出口にはもの言いたげな寺男が立っていたので1€のチップを渡すと嬉しそうにしていた。「魚心あれば水心」