Toshichanの独り言

海外、国内旅行の旅日記。私の俳句手帳、などなど筆の進むままに書き連ねてまいります。

鳥取、島根訪問記

2012年12月23日 | 芸術
2012/12/13~15にかけて鳥取、島根を訪れました。寒さの間の日で雪も少なく、比較的穏やかでした。
《車窓より見る大山》


〇足立美術館(URL:http://www.adachi-museum.or.jp/ja/index.html)
米子の西隣に島根県安来市があり、安来節で有名だ。安来駅からバスで30分弱の所に足立美術館がある。ここは明治以降の日本画のコレクションが充実していることと、素晴らしい日本庭園があることで知る人ぞ知る美術館である。
 足立美術館は地元安来市出身で一代で事業を急成長させ相当の富を築き、後半年は日本画の収集、美術館の設立、庭園の充実などに力を注いだ足立全康氏が、昭和45年に設立したものである。
☆日本画コレクション
 ここのコレクションは明治以降の日本画の膨大なコレクションが一つの特徴である。特に横山大観のコレクションは約120点所蔵するとともに、竹内栖鳳、川合玉堂、菱田春草、上村松園、鏑木清方、橋本関雪、川端龍子など日本を代表する日本画家の作品が所狭しと展示されていたのには圧倒されるとともに、日本画と言っても作家により、またその年齢、時代背景により相当違うものだと言うことも多くを見比べられられるので大変参考になった。
・横山大観
 横山大観は足立氏の思い入れがことのほか強く、相当のコレクションであり、またそれらを集めるに当たっての苦労話、秘話も書かれていたので面白かった。大観の作品は日本を代表する日本画家なので勿論素晴らしいものが多く、29歳の時描かれた「無我」と言う作品は素晴らしく彼の出世作である。(「無我」「雨はる」の画像のURL:http://www.adachi-museum.or.jp/ja/c_taikan_2.html)それ以外にも素晴らしい作品が多かった。
 しかし「頂けない」シリーズがあった。それは「山海二十題」と称する作品シリーズであり、昭和15年紀元二千六百年奉祝記念作品展に出品され、その売り上げは軍の装備充実の為に寄付されたと言う。大観は「彩管報国」の志を強く持っていたので思い入れも人一倍強かったのであろう。
 足立氏もこの作品シリーズを相当苦労され手に入れられ、保有されているそうで7,8点が展示されていたが・・・。この時は展示されていなかった「雨はる」と言う作品は図録で見ると相当のもので「霊峰四種 夏」も良かったが、それ以外は敢えて言うなら駄作、凡作である。(私の見る目がないだけかもしれないが)「乾坤 輝く」などは雪を被った富士の横に太陽が輝いているのだが・・・・。それ以外も同曲であり見ていて情けない気持ちになった。大日本帝国への思い入れが強過ぎ、それが重荷となって芸術家の精神、目、力を曇らせてしまったのだろう。「恐るべし」

・それに比べて川合玉堂の「夕月夜」(URL:http://www.adachi-museum.or.jp/ja/c_gyokudo.html)、橋本関雪の動物画(URL:http://www.adachi-museum.or.jp/ja/c_kansetsu.html)など他の画家の収集作品はどれも非常に優れていた。
 また現代の日本画家のコレクションも建物一棟を充てており、題材も洋画と同じように多様化しておりながら、岩絵の具を使った絵の調子が非常に素晴らしい秀作が多かった。

☆日本庭園
“米国の日本庭園専門誌「Sukiya Living(数奇屋リビング)/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が、全国900ヶ所以上の名所旧跡を対象に実施した「2012年日本庭園ランキング(潮騒ランキング)」が発表され、足立美術館の日本庭園が「10年連続庭園日本一」に選ばれた”と言うことであったが、訪問してその素晴らしさに圧倒された。では何が秀でているのか。勿論庭の構想、造作が素晴らしい、工夫されている、いろいろな景を見せてくれるなどなど。しかし私は一番はそのメンテナンスの徹底さであろうと思う。枯れ枝一つ、塵一つ落ちていない、木々は常に刈り込まれ、手を入れられている。見えないように植木職人、掃除の人達が多数立ち働いている。素晴らしいの一言だが、ちょっと裃を着ていて疲れるような気がした。

 なお余談であるが足立美術館の隣に「安来節演芸館」があり、本場の安来節を見せてくれるらしい。時間がなかったので見ることは出来なかったが。
《足立美術館日本庭園(2枚)》

《出雲蕎麦》


〇訪れた温泉
☆皆生温泉
食塩泉系で肌に優しくいい湯であった。泊まったのは「皆生グランドホテル 天水と言う海の傍の旅館で泊まった部屋は少し古かったが、設備、サービス、温泉とも優れており、波の音を子守唄代わりに睡眠できた。価格は特別提供価格で蟹2はい付き一人1万円であり、美味しく本当にお得であった。

☆三朝温泉
温泉は「細胞を活性化させ自然治癒力を高める ホルミシス効果を与える世界屈指のラドン含有量ラジウム温泉」と謳われており、病気の療養に湯治に来て長逗留する人も多いと言う。(ガンにも効くらしい?)確かに温泉に入ると肌がつるつるして、最初はアルカリ系の湯かと思ったがPHは7近く中性であり、多分その成分によるのだろう。
 泊まった宿は「三朝温泉 後楽」と言う門構えの立派な宿であった。設備、温泉は良かったが、サービスは宿泊者を取り違えるなどなんとなくぎくしゃくしたところがあったのはまだ許せるが、夕食はひどかった。変色したマグロの刺身、しなびた小さい蟹の足、おいしくない肉のトマト煮など。それに比べて朝食はなかなか良かった。1泊1人13000円であり、安かったがメインの夕食があの内容では・・・。あのようなものを出したら評判を落とすだけぐらいのことは誰でも分かるはずだが?経営者がだめなんだろう、余り長続きはしないのではと他人事ながら心配してあげた次第である。

〇倉吉市街地 赤瓦と白壁の街
倉吉市街地の一画に「赤瓦と白壁の街」と称して古き町並みを売り出している。主に、造り醤油屋、造り酒屋の店と仕込み蔵などを中心に構成している。JR西日本のポスターでも有名?である。お土産屋も多数あるが、特産物の醤油、地酒などはいいが、何処にでもある「雑貨類」は見ていても嫌気がさす。やはりよそといい意味で差別化をしないとすぐに飽きられそうである。
《倉吉 赤瓦と白壁の街
(2枚)》


〇ゲゲゲの鬼太郎列車
JR米子駅で素敵な列車に出会いました。ゲゲゲの鬼太郎列車です。境港線を走っています。ここは水木しげるの出身地なのです。町おこしに一役買っています。シートも鬼太郎の絵が描いてあります。こんな列車で旅したら楽しいだろうな。JRも民営化してだいぶ変わりましたね。



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