天路歴程

日々、思うこと、感じたことを詩に表現していきたいと思っています。
なにか感じていただけるとうれしいです。

地上三センチの浮遊

2013-06-22 18:58:57 | エッセイ
「梅雨の間に間に」
今年はへんてこな梅雨です。ずっと雨が降らず、暑い暑い日々が続いたかと思うと、激しい雨が二、三日降りそそぐ。梅雨といえば、どんよりグレーな雲に覆われ、しとしと、じとじと雨が降るというイメージですが、今年はあまりその場面に遭遇していないような気がします。

数日続いた雨が上がり、すごしやすい一日がやってきました。雨がもたらした恵み。漂っていた熱気は薄れ、清々しい空気が流れています。萎れ、立ち枯れそうだった植物たちも生き返り、瑞々しい露を宿しています。

何よりも私の目を喜ばすのは、女性たちの夏らしい装いです。今年は色の当たり年。鮮やかな色彩にあふれています。レモンイエローのワンピース。コーラルピンクのカーディガン。スカイブルーのスカート。エメラルドグリーンのパンツ。レインボーカラーのサマーニット。カラフルな装いで、闊歩する女性たち。晴れやかで、爽やかな空気の中を泳ぐ熱帯魚のようです。
私は、夏の女性たちの素肌は美しいと思っています。ショートパンツから伸びる健やかな足。サンダルから見える愛らしい足指。ふくよかな二の腕も、華奢な手首も、滑らかな首筋も、素敵だと思います。女性なら、誰もが持つものです。(どんなに本人がコンプレックスに思っていても、そこには美が存在するのです。)
夏の素肌は、生命力に溢れています。だからこその美しさであり、誰もが持つ美しさでもあるのです。その美しさは、雨上がりの紫陽花のように、赤く光るホオズキのように、力強く、地についたものなのです。

梅雨の間に間の宵の口。黄色く輝く大きな月が鎮座しています。窓を開ければ、甘く青い草の匂いが漂ってきます。