のんびり行こう!

3歩進んで2歩下がる。
そんな感じでやっていこう。
思いついたら更新。気ままに気長に。

あれから3年たちました。  1話

2015年04月11日 | 銀魂 テキスト(未完)
シリーズにはなりそうだがなんせ気が向かないとアップしないので次はいつになるか、はたまた続きを書くのか…いろいろ不明。
勢い付のためとりあえず載せておく。
えーと、銀魂サザエさん化計画のためいったんチームB(仮)に政権を取らせてみました。


~ あれから3年経ちました 1 ~

ぼんやりと空を見上げれば、20年前も3年前も変わらない月が銀色に輝いている。
だが、今は、星々のかそけき光を邪魔する人工の光はない。
 20数年前に一度、宇宙に向けて開かれた地球は3年前再び鎖国状態に入った。
 天導衆と春雨、鬼兵隊は政権を略取すると将軍を軟禁、攘夷志士と真選組を反逆者とみなし、見つけ次第処刑を命じた。さらに半年以内の退去命令を出され、それ以降、地上にいた天人は不法滞在者とみなされ見つかり次第強制送還された。
神楽もいったん海坊主のもとに再びの再開のため修行もかねて戻っていった。
新八も再開した道場の後継者として修行中だったが時折時間のある時には万事屋にも顔を出している。
天人退去命令の日から、天人のもたらした化学や文化は一切使用を禁止させられた。ターミナルからのエネルギーの供給が停止したので電気製品も、自動車類も動かなくなったうえ、機械を動かせないので工場も止まった。通信機器、情報端末も言わずもがな、である。
 本来の夜の月の美しさも、それゆえ楽しめるものではあったが、便利さに慣れた人々にはただの暗闇さえ受け入れがたいもので、何かと物騒な時代になっていた。
先の開国から20年で地球は他に例をみないほどの進歩をしており、通常なら1世紀以上かかる連合への加盟も認められ一独立国とされていた。正式に認められた国へ宇宙連合はその自治に関して関与をすることはできない。現実には多くを外からの力でなしとげたクーデターであってもそれを証拠立てできない限り鎖国も自治国家の権利として認められている。反乱は地球人自身の手で成し遂げねばならないのだ。
 唯一、ターミナルからのエネルギー供給を受けられるのが政府関連の機関で、例外的に観光目的でやってくる天人に対し外聞を取り繕うため吉原や近隣の行楽施設、ホテルなどのみ、ほかは、天導衆が春雨や連合に認められていない国を経由して販売し利益を得ていた。
 持つ者と持たざる者が分かれれば世の中は混乱し、争いは起きる。地上のあちこちで再び戦争が起こっていた。高杉にしろ、神威にしろ、統治することなど望んでいない。為政者たちは世の中が壊れていくのをただ、見ていた。

万事屋のソファーに黒い物体が横たわっている。
「人間、しかも男だな…。」
客ではないようだとしかめつらのまま、正面に回り込む。
長い髪を結いあげているので首筋からあごのラインは見えるが顔には腹が立つほどまっすぐな黒髪がかかっていてよく見えない。わずかに見える肌の色は、まさに蒼白、である。そして、鉄の、血のにおいがする。
きっちり全身を覆う黒の洋装で分かりにくいがソファーには赤黒いシミができていた。
…髪をどけようと伸ばした手をつかまれた。
「多串、くん。」
「っざけんな。白夜叉。」
青灰の瞳孔の開いた目がにらみつけてくる。
「万事屋、だ。せめて坂田さんとかにしてくんない?お前にその名で呼ばれたことはないはずなんだけどね。」
敵意のなさを示すためことさらゆっくり手を下す。
土方もゆっくり起き上がると「帰ってきたのに気付かねぇとは。」とどうやらそれが不機嫌の原因であるようなことを呟く。
じーっとソファーについた血痕を見ているとばつの悪そうな表情を浮かべた。
「弁償は、あー。ホテルに戻れたら、する。」
ぎろりと今度は銀時が睨み付ける。
「そんなこといってんじゃねぇよ。第一、てめえ、指名手配犯だろ。何悠長にホテルなんかに泊まってんだ。追われてんだろ?で、ケガしてほかに行くとこもなくここに逃げ込んできたんだろ。とにかく手当が先だ。」
「弾は取り出したから、もうちょっと休んだら勝手に救急箱を借りて出ていくつもりだったんだが。」
 それもそれで万事屋に迷惑を(帰ってきたら血痕があって、室内があらされている状況だ)かけるという発想はないらしい。3年たっても土方としては万事屋などに借りを作りたくはない。
「それは、うまくないな。」
「んあ?」
「土方君のことだからここに来た時も周りを確認はしたんだろうが、確かに万事屋に見張りはついてないが、俺個人には尾行がついている。未だに、白夜叉は要注意人物らしくてね。」
「てことは。」
「今更、出ていったら見つかる、ってことだな。」
「つまり、やっぱりてめえが帰ってくる前に出ていきゃ問題はなかったってことだ。…今更遅いが、ってことか。」
「っそ。だから今はおとなしく手当させときなさい。」
ため息を一つついて上着を脱いだ。
長い髪も、黒地だが対服とは違う服も以前とは異なっているが土方を否定する要素ではないのに何か感じていた違和感を、遠目で見たとき分らなかった原因に気付く。
大刀を持っていない。そのかわり左の肩には拳銃と匕首の刺さったホルスターをとめていた。
灰色のシャツは右半分、べったりと赤く染まっている。破棄するしかなさそうだ。無言で促すとそれも片腕だけ脱ぐ。
 弾を取り出したといっていたが、右胸、鎖骨の下あたりの皮膚下にとどまっていたそれを自身で抉り取ったらしい。家に入るまでなかった血痕がここにあったのもそのせいだろう。入射側、背中の弾痕は血も止まっていた。縫う必要はないと判断し、消毒液を含ませた脱脂綿を傷口に当てテープで留め、さらに包帯を巻く。
「あいつらがいたときは、ケガなんて日常茶飯事だったのに、ここ最近、傷の手当なんかしたことなかったな。まあ、おかげで期限はきれてっかもしれねえが消毒薬も残ってたわけだが…。」
予想通り、銀時は土方の無事な左手で頭をはたかれる。手当のお礼にぶたれるなんて、といえば根が真面目な土方はむっとした顔をしながらも謝るだろうからあえて言わない。
かわりに「刀は、どうした?」と尋ねた。
「…隊服と一緒に近藤さんに預けてる。」
「いつもそばにあるもんがねえと落ち着かねえだろう。」
「最初は確かにな。代わりのを用意しようかとも思ったが、まあ、その。」
血でごわつくシャツを着るのも不快なので、片腕ぬいたまま上着だけを身に着ける。
「喧嘩は、剣だけでやるもんじゃねえ、だろ。」
「…!」
こいつが知るわけはない。つまりこれは紛れもなく土方自身の考えだ。
「似てるとは言われたことがあるが、まじかよ。」
頭を抱えた銀時をいささか薄気味悪いものを見る目で見つめる。
そして、コートの内ポケットから何か取り出すと、それを操作し「土方です。」と言った。
それはいわゆる、携帯のような、スマホのような…。
「ええ、無事ですのでご安心ください。…はい、でも、迎えはちょっと待ってください。またあとで連絡します。」
ありえない。固定電話すら使えない、テレビも見れない、せいぜい手動のラジオしか使えないこの状況にあって、こいつは何をした?誰と話してた?
「土方君。それ、何?」
「スマホだ。銀河ネットワークにつながってる。」
「銀河ネットワーク?つまり地球外とも通信ができる優れものってこと?自慢なの?なんでそんなもの持ってるの?いやいや、それ以前に土方君、君、なにしてんの?」
スマホを震える手で指さし、なぜかすごい形相をしている。
「なに、って、表向きはハタ皇子の護衛官だ。」
逆側の内ポケットからサングラスを取り出し、片手でかけた。
ポニーテイルにサングラスの黒服。指名手配犯とは思われないだろうが…うさん臭すぎる。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿