ヤンディーズ

現在闘病中で「病んでいる」ボーカル&ギタリスト、「太郎」の独り言

映画「アイアンクロー」

2024年04月29日 | プロレス
3月中盤に知ったのです。
フィリッツフォンエリック一家「呪われた家族」が映画になって
日本で上映されると。プロレスファンならコレは観ておかないと!と。
が、両親の健康面が良く無く自分も新たな病気を抱えてしまった中
3時間だけ時間貰い、映画館に行って来ました。
アメリカでは話題になっていた、という事でしたが
日本で上映されるのは‥映画館全館が扱う訳では無く
私の場合は検索したら後3日で上映終了よ知り映画館へ走りました。
体調不良で映画が100%頭に入っていたとは言い切れないのですが
感想を言うと


「えっ!!!末息子クリスが最初から居ない事になっている!!!」
ビックリな構成でした。フィリッツの現役時代はほんの僅か
(フィリッツ役の俳優は本人に似ていたなぁ)
事実上、主役は生き残った(?)ケビンでした。
生き証人というか長男のジャックは幼少期に感電死しているので
事実上の長男はケビン。そしてクリスは居ない事になっている。
120分の映画の映画でエンタメとして全てを表現するのは無理だったのでしょうね。
そして全員プロレスラーになった兄弟5人の内、3人が自死ですし。
重すぎたのかな?過去のプロレスを知らない一般層に観て貰うのですしね。
只、リアルタイムでエリック兄弟を観ていた世代としては
物足りない。しかし、そこまでを求めるのは映画というエンタメでは酷なのかも。
プロレスを知らない層の事を考えると、それなりに良い映画だったでしょう。

まだフィリッツがビッグになる前、ケビンとデビッドが子供で
夫人に連れられ会場に来るシーン。まだまだ生活が確立されていない事
「ビッグになる為にキャデラックに乗れ」とプロモーターに言われ
夫人の知らぬ間に会場にキャデラックが届いていて夫人が困惑するシーン。
晩年、フィリッツは離婚し人知れず、小さな家で寂しい生活を送っていた事
この時点で夫人との間に価値観の大きな違いが表れていたというか。
しかし役者達の役作りは見事ですね。
必要とされる体型作りが勿論、ロープワーク、ケビンの華麗な
フライングボディーアタック。
マイクがバンド志向だった事は初めて知りました。
兄弟の結束は強く、ジミー鈴木氏のYouTubeで
フィリッツと兄弟達は「YES SIR!」という
軍隊の如し関係性だったと。フィリッツは父と共に絶対な指導者ですし。
でも父を愛し、兄弟を愛しのエリック一家。
子を信仰で守ろうとした夫人との大きな考えの違いが見えます。
登場してくるレスラー(役者)はブルーザーブロディー、ハーリーレイス、
フリーバーズ、リックフレアーと豪華です。
ケビンの結婚(チェリーだったとは)にデビッドの死。
デビッドの日本での死は当時本当にショックでしたね。
直接の死の原因はわからないですがテキサスダラスが主戦場でフィリッツの信頼も厚かった
ザ・グレートカブキの本ではホテルでパケが見つかり、起こしに来た
ブロディーが急いでパケをトイレに流した‥と書かれていましたが、
来日前から血を吐いていた様で、その光景が映画では描かれて。
NWA会長にまで就いたフィリッツ。レイスからフレアーに
王座が移動しフレアーに挑戦するのケビンとケリーは
コインで挑戦者を決めたと。ココには兄弟のジェラシーも描かれていましたな。
ケリーがNWA王者になった当時、私は大変驚きました。
そしてケリーの王座戦を見ようと子供には高額のリングサイド券を買い
見に行ったら、メインは王者フレアーvsハーリーレイスになっており驚きました。
ケリーはアンダーカードのタッグマッチに出ていました。
ケリーのドロップキックのフォームが綺麗だった事が印象深かった。

しかし隆盛を誇ったフィリッツの団体ダラスのWCCWがWWF侵攻の煽りか?
合わない帳簿をケビンが見つけフィリッツの反対を押し切り売却したシーンは
寂しいモノが有りました。全盛期はテレビ東京の世界のプロレスで
ダラスのフィリッツ王国での試合が沢山流れていましたしね。
カブキもマジックドラゴンも、この番組で初めて試合を観ました。
(フィリッツの引退興行)
それにしても兄弟の絆は深い。
フィリッツも夫人も、プロレスに関する相談は兄弟で話し合え!でした。
しかし、コレはケリーの死で最悪の事態を及ぼす事に。
デビッドを求めらるマイクは悩み苦しみオーバードーズで自死、
バイク事故で片足首を失ったケリーはコカインを吸入し痛い義足を
はめ、まさかWWFインターコンチネンタル王者にまで登り詰める。
しかし痛み止めがわりか?コカインを使用し
後にWWFをお払い箱となり、映画では描かれなかった
コカイン使用の実刑収監前に実家の庭でピストル自死。
マイクもクリスも自死しケリーの奮闘は凄い事でした。
日本ではケビン、ケリーコンビで新日本に参戦
藤波、木村健悟が持つWWFインターナショナルタッグに挑戦したり
UWF前田vsケリーという超異色の試合が有ったり
(試合は前田の一方的な攻め、最後にケリーがアイアンクローを決めそのまま
両者リングアウトの引分け)
後、インパクト強かったのは、スペースローンウルフ時代の武藤を
猪木が徹底的にいたぶった時の猪木のパートナーがケビン。
事前に猪木から伝わったのか?いや伝わっていなかった気がするなぁ‥
血だるまの武藤をケビンがアイアンクローで場外からリングへ
引きづり回す光景も印象深かった。(パートナーの木村健悟は猪木の控室に殴り込んだという)

映画はケビンが赤字続きのWCCWを売却、ケリーの自死の時
気付かず作業していたフィリッツの喉を絞め殺そうとしたシーン
インパクト有りました。そして一般職に就き、普通の家庭を持ち
そこで涙するケビン。それがエンディング。
かなり胸が痛い映画でした。ケビンは「呪われ」に取り憑かれていましたね。



ケビン、デビッド、ケリー3人ともNWA王者の登竜門
ミズーリ州ヘビー級王座を獲得していたのですね。
日本では王者ケリーに天龍が挑戦し、若いケリーのアイアンクローがカミツキガメの様にキマり
両者リングアウトでしたな。

映画ではRUSHの「トムソーヤ」が沢山かかっていた事。
意外でしたが、兄弟、特にバンド志向だったマイクが本当に好んで聴いていたにのかも知れません。

離婚し晩年、身を隠す様に小さな家で過ごしていたフィリッツの取材に行った
ゴング(かな?)の記者が同じテキサス州のテリーファンクに情報操作を頼み
自身の工房で箱時計製作を生業にしていたキラーカールコックスがフィリッツの
居場所を知り、テリー、コックス、記者、カメラマンで尋ね
寂しい生活をしているフィリッツの奢りでステーキでは無く
ハンバーガーショップで食事。若いモンの世話にならん!と
全ての食費を払ったフィリッツ。
その後に葬式の取材が。夫人はおらず喪主はケビン、
プロレスを離れたケビンのインタビューが有りました。
兄弟は偉大な父を超えたか?そういう事は気にならない兄弟でした。

自分の記憶と映画が混在した文章になりましたが
やはり2時間では描ききれないなぁ、という
オールドプロレスファンの感想です。
しかし、映画としては良かったと思います。
ケリーが三途の川?を超えるシーンなんか日本的で印象深く。

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2 コメント

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Unknown (Home In My Shoes)
2024-04-30 01:29:48
太郎さん、面白いYoutube見つけたので報告です!
https://www.youtube.com/@mrs1808
一人語りで短めなんですけど、私はツボっております。全日でいいカッコしようとして首になった剛・菅原を鶴見が「拾ってもらった立場をわかってない」と説教したって話、笑いました(「馬場の評価でわかるプロレスの深み」より)。

武藤が猪木にボコられた試合、覚えてます覚えてます(*´ω`*)。大昔に藤浪にも似たようなことしてたのを思い出しながら呆れて見てました。「結局、この人は自分だけカッコよければいいんだな」って。
あのとき、健吾兄さんがガチの稲妻をキメて猪木とケビンをKOしたら時代は変わったのに。怒られるでしょうけど。

やっぱアメリカンプロレスと親日は合わないような気がしました。マードックもアレンも全日でこそ光ったというか、ちょっとシリアスな感じの新日はすきまを許さないという感じで。

まぁ、当時の全日はすきまだらけでしたから、それはそれでナンですが(*´ω`*)。夕方にのんびり眺める、マジック・ドラゴンや高杉セブンのゆるさときたら(*´ω`*)。

ケリーとケビンは新日登場時のゴングのインタビューで、新日レスラーのシェイプの良さを絶賛してました。はぁ、マジック・ドラゴンも高杉セブンもいませんからね(*´ω`*)。
それと、健吾兄さんの稲妻を「すごくいい技だね!」と大絶賛してました。あれはびっくりしたのですが、やっぱレスラー同士なら、あのヤバさがわかってたんでしょうね。私は全然わかってなかったのですが(*´ω`*)。

失礼しました。
返信する
Home In My Shoesさん (太郎)
2024-05-01 21:10:48
私、以前チャンネル見た事有ったみたいです。「俺たちの木村健悟」辺りで。
ジョー樋口編面白かったですねぇ。早速チャンネル登録しました、ありがとうございます。
菅原は自身のYouTubeで「色々憶測で書かれてますが他所から来た我々を拾ってくれた
馬場さんに言える訳ないじゃないですか」と語ってました。剛は人間的にどうだったか?
鶴見は最後迄、剛仲良かったですよねぇ。
流血戦は怖いもの見たさで好きでしたが、猪木の武藤への痛ぶりは引いてしまいました。
「武藤は映画に出たのが良くなかった」と語ってましたが、武藤へのジェラシーに感じますね。
アメリカで成功する武藤と田舎回りだった猪木と。
そう武藤が「猪木さんはアメリカンプロレスだからね!」と言っていたのも印象深くて。
結局猪木は引退カウントダウンのvsムタ戦でムタにこっ酷くやられ、試合後荒れてましたね。
全日本のアレンというのがあまり想像出来なくて。でも後にWWFでホーガンの
ライバルストーリー組まれメインイベントに立つんですもんね。
生意気に蹴り放つ桜庭の腕にアームロックかけタップ取った後七転八倒している桜庭を見て
アレン、強ぇぇ!怖ぇぇ!と思いました。
マードックは全日本に戻りたかったみたいですね。
一応PWFルールでJrのウエイトリミットが105kgというのが有ったからか?
マジック園田も高杉セブンもポテポテでしたね。高杉はルチャだった事も関係あるのかしら?
M井上は高杉はヨーロッパ向いていたと本で語ってました。そして女にモテる!と。
ジャパンプロ会長の竹田氏は馬場に「全日本はスピードアップしないと」と進言したそうで
馬場は「そう思っているんだけど長年の習慣でねぇ」と返してたそうな。
天龍革命でハイスパート化する全日本ですが、土曜夕方に見る全日本の緩さは良かったですねぇ。
他の方に聞いたのですが前田vsケリーでケリーは幾ら蹴っても文句言わなかったけど
ホーガンはアレコレやるな!と注文が煩かったと語っていたそうな。
アメリカではハードヒットなレスラーは対戦相手として嫌がられるそうです。
そう、稲妻の威力は凄いそうですね。最初に出した時は咄嗟的に飛んだそうですが
初披露の時の相手、谷津や健介は失神したそうで。健吾さんも自分の膝の骨かけたそうです。
噛ませ犬で当てられ全く技を受けなかったスコットノートン、稲妻だけは痛がってましたな。
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