17年前から住んでるマンションに棲みついて、私が夜だけ餌を運んでた「しろちゃん」。子猫を2匹産んで、誰かが与えた餌を子猫が食べてるのを見守っていたのがいじらしくて、親にもと餌を運んだのが初めだった。その後子猫はいなくなって、昼間は垣根のなかに隠れていて、夜、私の足音を聞きわけてニャーと言って出てきて餌を食べた。隣の公園を散歩したりして、最後は私が帰る階段を、8階までついてきた。端部屋だけにある外ベランダにはいって、冬は段ボールで寝ていたこともあった。
朝になると一人で下におりていった。
その後、毎晩餌を運び、年をとってくると散歩はしないで、背中をなでてあげたりして30分ぐらいそばにいて、深夜の空気を楽しんでいた。
他の猫をきらって、寝場所を変えていったが、今年になって受水槽の囲いのなかに移った。人目につく場所なので、マンションの管理組合が(ずっと餌やり禁止の張り紙)処分したいとのうわさを聞いて、気が気でなかった。
もう年老いて、痩せて目も見えないくらいなので、何人かの人が気にかけて餌をあげてくれていた。
私は9月17日の夜遅く、行ったときも出てきて餌はしっかり食べたのに、その翌日から何日も姿が見えなくなった。
処分にまわされたのかと不安にもなったけど、毎晩さがしまわって、眠れないくらい案じていたら、猫餌友達から有る方が引き取ったと聞いて、どんなにほっとしたこたか…。
その方に招かれて今日お邪魔して、きれいになった姿を見て嬉しかった。夜行性の生活をしていたので、夜になると大声で鳴いて困っていたらしい。でも可愛がってもらっていることが分かって最後の何年かを安心して暮らせるなんてなんと幸運な猫かと、うれしくなった。
今日が見おさめと思って写真を撮ってきた。
私にとって酒井でただ1匹の唯一の特別なしろちゃんでした。 |