3年か4年ほど前だったでしょうか,WEBで話題になっていた廉価なDDSユニットの話題です。
AD9850を使ったDDSユニットを$7ほどで手に入れましたので,これを使ったVFOを作ってみました。
発振周波数の上限は45MHzくらい,この辺りまで行くと出力も低下し,スプリアスも少し多めになってきます。
田吾作1号の局発に,ぎりぎりセーフくらいの感じですね。
制御プログラムは,以前,AD9851用に作成したVFOのプログラムを焼き直しています。このプログラムは,BASCOM-AVRで作ったもので,ローカルの皆さんに使っていただき,自分で言うのも何ですが,結構良い評価をいただいているものです。
貴田電子さんのDDS-VFOキットのCPUを,このプログラムを焼いたCPUに差し替えて使っている方もいらっしゃいます。
VFOの機能は,
①メモリ 10CH ②表示オフセット機能 ③RIT機能 ④メモリスキャン ⑤メインダイアルを早回しするとエンコーダのカウントステップ幅が大きくなり,周波数可変が早くなる(これが大きな特徴です!) など,リグに実装しても,通常の運用には十分(と私は思っています・・・)
基板はこのとおり(写真をクリックすると拡大されます)
下側の写真の緑色の基板は,DDSユニットに使ってあるクリスタル発振器が,どうも3.3V動作のものらしく,5Vで動作させると,とんでもなく熱くなったため,DDSユニットは3.3V動作,CPUは,LCDが5V動作なので5Vとしたため,動作電圧の差を埋めるためのレベルコンバーター(秋月製)です。おかげで,動作電流が5V時130mAほどだったのが,100mAでに大幅減少しました。
LCDの色違い2種類を並べてみました
左側は,18MHz付近を発振させ,生の周波数を表示させていますが,左はその周波数(付近)でオフセット表示させています。IFが11MHz,VFOが18MHz,出力が7MHzというリグに使用するものです。
表示部の基板にプッシュスイッチも取り付け,本体基板には,2SK241を使ったRFアンプとバンドパスフィルタも組み込みました。
で,まともに動作したので,PCB CARTに基板を注文,出来上がったのが これ(本体と,ディスプレー基板)
快調に動作してます。
が,ここで使っているのは,コパル製の100パルスの光学式ロータリーエンコーダ,最近通販で手に入る同等品は,岩通アイセックのもので,千石電商でなんと¥3,000-以上します。
一方,機械式のロータリーエンコーダーは,秋月で¥200-で入手できます。
右が¥200-,左が¥3,000- うーーん ですね。
右の秋月エンコーダーは,1回転24パルス(クリックあり)で,おまけにチャタリングがひどく(機構上仕方ないですが・・・)カウントミス多発!というわけで,これまで,何台か製作したこの手のVFOでは,お値段高めの光学式エンコーダーを使っていましたが,なんとか値段の安いエンコーダーは使えないものか・・・ と考えていると,BASCOM-AVRに「ENCODER」という命令があることを発見!エンコーダーの状態を逐一受け取って,1回転24パルスのエンコーダーで4倍の96パルスをカウントできる!!
早速試すと,ゆっくーり・ゆっくーり回すと,確かにそんな感じですが,そんなんダメでしょ というわけで,チャタリング防止回路を,CMOSロジックICででっち上げ,ついでに,JA9TTTさんのブログで紹介されていた,秋月エンコーダーの「クリックなし化」もやってみました。
まずは,クリックなし化ですが,
左のように,本体のツメを起こして,分解
上の写真のピンセットで示した部分がクリックの元なので,これをドライバの先などで押し込んで,回転子に当たらないようにして,元どおりに組み立てます。
この加工を済ませたロータリーエンコーダーを,チャタリング防止回路基板に装着
基板裏側は
74HC14のフラットパッケージとチップCRで仕上げました。ICに電源を供給しますので,高級光学式ロータリーエンコーダーと配線もコンパチになりましたHi
とはいえ,接点の構造も考えると,耐久性は光学式のものに比べると劣ると思われます。でも,付加回路込みでも1/10の値段はそれを十分カバーすると思います。
というわけで,このDDS-VFOも田吾作CQマシン同様,ご希望の方に頒布させていただくことを検討しています。
現在,制御プログラムの一部改良を行っています(発振周波数の初期値セットの操作性改善)ので,頒布までにはもう少し時間いただきたいと思います。(ご希望の方がいらっしゃればですがHi)
というわけで,久々の書き込みは,少々長めになりました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます