住宅は、人生最大の買い物です。住居購入は家計に大きな影響を与えます。しっかり、資金計画を立てることが大切です。
また、住宅を選ぶときは、将来のライフスタイルが変化する可能性についても十分考えることが重要です。
賃貸住宅 OR 住宅購入
賃貸が良いか、住宅が良いかは一般論では結論づけられません。どのような場所でどのような住居に住むかは、その人のライフスタイルと大きな関係があるからです。
賃貸も購入もそれぞれメリット・デメリットがあります。ここでは、ライフスタイルと費用の観点から両者を比較してみたいと思います。
【ライフスタイル】
○賃貸のメリット
1.転居し易い
2.初期費用が購入に比べ少ない
3.メンテナンスは家主の責務なので、その手間が省ける
○賃貸のデメリット
1.間取りや立地の選択の幅が狭い
2.家具や備品の取り付けに制約がある
3.住宅ローン控除のような優遇税制がない
○購入のメリット
1.自分のライフスタイルに適した住居を選択しやすい
2.住居の所有者に対する社会的信頼が高い
3.「自分の家」という満足感、安心感がある
○購入のデメリット
1.多額ので長期のローンを組んだ場合、返済が困難になるリスクがある
2.メンテナンスの手間(労力、費用)がかかる
3.不動産価値が大きく下落するリスクがある
【住居費】
○賃貸
1.入居時:敷金、礼金、媒介手数料など
2.家賃、共益費、駐車場料金
3.火災保険料、更新料
○購入
1.購入時
・住宅購入代金
・取得費用(印紙税、登記免許税、登記手数料、不動産取得税など)
・ローン手続きの諸費用(融資手数料、保証料、団信保険料など)
2.購入後
・固定資産税、都市計画税
・管理費、修繕積立金(マンションの場合)
・メンテナンス費用など
3.その他
・引越し代、家具購入費用など
住宅購入資金と購入可能な住宅価格の求め方
【自己資金】
「頭金0でOK」といっても、住宅ローン以外の諸費用は住宅ローンでカバーできず自己負担ですので、100万円~200万円程度は現金で必要になります。
諸費用は、新築の場合、物件価格の3~5%、中古の場合は、5%~10%です。
また、住宅ローンは物件価格の80%を上限とする場合が多いので、頭金として物件価格の20%は貯めておく必要があります。
以上から諸費用も含め、最低でも物件価格の30%程度は貯めておきたいものです。
【借入れ可能額】
金融機関に言わせると融資限度額です。
一般的に基準は
1.物件価格の80%以内
2.年収に応じて年間返済額が年収の25%~40%(返済負担率)以内
でいずれか低いほうの金額が融資限度額になっています。
年収500万円の方は35%まで借入れ可能なので、年間返済額は175万円までとなります。
【借りられる金額で目一杯借りると危険】
借りられる金額と無理なく返済できる金額は異なります。
年収500万といっても、家族構成が専業主婦と子供2人の場合、実際使える金額は税金等を引かれると420万円程度です。
さらに、マンションを購入した場合には、住宅ローンの他にも住居費(管理費、修繕積立金、固定資産税など)として年間40万円~50万円はかかります。
もし、年間175万円目一杯借りると住居費だけで約210万円も支払いがあり、残りの210万円で家族4人が暮らしていかなければなりません。
【返済可能額を考える】
無理のある住宅購入は、その後長期にわたり家計を圧迫し、幸せなライフプランを実現できません。
無理なく返済できる金額を求めるためには、家計の収支計画表(キャッシュフロー表)の作成が必要です。現在の貯蓄と将来の収支計画から算出します。
将来何があるか分かりません。会社の倒産、リストラ、転職などで収入が激減するリスクがあります。また、お子さんの教育費は年々増加していきますので、教育費がピークのときにも無理なくローン返済ができなければなりません。
単に現在の家計収支から判断すべきではありません。
【購入可能な住宅価格を求める】
以上から、あなたの家計の収支計画表から算出した毎年のローン返済可能額を求めます。この返済可能額と金利、返済期間を決めれば、借入れても良い金額が決まります。
借入れても良い金額と頭金の合計が、あなたの家計の支払い能力から決まる購入可能な住宅価格になります。
つまり、返済可能額と貯蓄額から、購入可能な住宅価格を求めると安心です。
金融機関の選択
ここ数年、各金融機関は住宅ローンに力を入れていて、金利以外でもユニークな商品戦略で差別化を図っています。
例えば、保証料・事務手数料・繰上げ返済手数料を無料にしたり、ケガや病気で返済が負担になったときにも返済ができるように保険を付けたりとか、女性向けの専用ローンなど様々です。
最近は、「フラット35」(長期固定ローン)を専門に扱うモゲージバンクと言われる預金機能をもたない住宅ローン実施機関も躍進しています。
今まで以上に複数の金融機関の住宅ローンを比較して選ぶことが大切です。
住宅ローンの知識
借入れ金額が多いほど、借入れ期間が長いほど、金利が高いほど、支払い金額が増えます。ローンの計画を立てるためには、金利や返済方法についての特徴を理解しておくことが大切です。
【金利の種類】
1.固定金利:市場金利が変動しても最後まで金利は変わりません
2.変動金利:半年ごとに金利水準が変わる。
但し返済額は5年ごとに見直される。
急に返済額がアップしないようにアップ率は通常、
1.25倍以内となっている。
3.固定金利選択型:一定期間は固定で期間終了後に固定金利か
変動金利かを選択する。
金利上昇時には長期の固定金利を組むのが安心です。
【ローンの返済方法】
1.元利均等返済:毎回の返済額(元利合計)が同額です。
最初は金利の割合が大きく徐々に小さくなります。
2.元金均等返済:毎回の元金返済にあてられる金額が同額です。
返済額は毎回減少していきます。
元金均等返済のほうが金利の総支払い額は少さくなります。民間金融機関の住宅ローンは元利均等返済がほとんどです。
【返済期間を考える】
年利4%で2,000万円を借り入れた場合(元利均等返済)
返済期間20年:毎月の返済額121,198円、返済総額約2,909万円
返済期間35年:毎月の返済額 88,554円、返済総額約3,719万円
返済期間を長くすれば、毎月の返済額は少なくなりますが、総返済額は大きくなります。
どうしても気に入った住宅があった場合、毎年の無理のない返済額から考えると返済期間を長くせざるを得ない場合があります。この場合は繰り上げ返済や借換えなどで対応していきましょう。
会社の退職金や公的年金に頼れなくなった今、安心した老後生活のために、定年前に返済する計画を立てることが大切です。
住宅ローンの見直し
住宅ローンを組んだ後、状況に応じて返済方法を見直すことで、総返済額を削減して無駄な金利を支払わないようにしましょう。
【借換え】
新たに低い金利でローンを組み、それを原資に元の金利の高いローンを一括返済することにより、利息の負担軽減を図ります。
新たにローンを組む場合、諸費用が数十万円かりますので、費用対効果を考えて借換えの判断をすることが大切です。
【繰上げ返済】
余裕資金で元金を減らす方法です。元金に対する利息が減ります。早い時期に返済したほうが返済額は少なくてすみます。
繰上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。
「期間短縮型」のほうが利息軽減効果は大きいですが、家計への負担を考えて決めてください。また、トータルの返済期間が10年未満になると住宅ローンを受けることができなくなりますので注意が必要です。
繰上げ返済の場合、金融機関により、返済額に制限があったり、手数料がかかります。住宅ローンを組むときは、このような費用も考慮に入れて、金融機関を選択すると良いと思います。
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お役立ち情報
◇住宅金融公庫(フラット35の紹介など)
http://www.jyukou.go.jp/
◇全国銀行協会
http://www.morebank.gr.jp/simu/index.html
◇イーローン(住宅ローンの知識など)
http://www.eloan.co.jp/home/index.html
◇お金の勉強に役立つメルマガ
「お金を殖やす、貯める、今日からはじめる節約テク」
http://www.mag2.com/m/0000144979.htm
情報は下記からいただきました。
情報責任者 : T&Rコンサルティング有限会社 CFP 新美昌也
お問合せ: http://www.fp-trc.com
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