子供の頃、台風やら、日蝕やらの非日常の自然現象に異常に興奮しませんでしたか?
スコールのような夕立の中を駈け抜ける爽快感。
氾濫する川を見つめる瞳はキラキラしてたっけ。
それによってこうむる現実の不具合を考えなくてよかったから、
と言ってしまえば、それまで。
この感覚は、誰にでもあって今でも感じるはず。
でも、抑えてしまってる。
電車止まってるじゃん、とか、傘させないじゃんに邪魔されて。
恥かしさ、もあるのかもしれない。
野生を呼び覚まされるんでしょうか?
母なる自然から逸脱してしまった人間が、母の偉大さに目を見張っている。
己が卑小さを悟る。
不安な自我が解放される一瞬なのかもしれない。