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日記、日々の想い 

こいぬの思い出を…

記憶を思わず
深掘りしている
仕事に縛られなくなった
そんなだからかな
引きこもり、ぷち隠遁の
思いは、跳び
思いは、飛ぶ
想いを、翔んでいる
翔んでいた筈
思いは、ふと
掘っている
記憶の井戸
闇の底
その底を手探り
そのまま、掘っている
大して掘れないけど
じんわりと滲み出し
溢れ出す、記憶
例えば、そうだな
おまえは、とうさんに
この子は飼えない
トイレを覚えないから
おまえが拾って来たから
おまえが捨てて来なさい
木箱に入れていたような
その中には
かあさんが渡してくれた
かあさんは、決して
こいぬには近寄らない
だから、おまえが入れた
少しの食べ物
古いタオルで
包んだかも知れない
おまえをそれを
両手で抱えて
坂道を降りて
折れて、やがて
野良道から、土手道
黄昏れが始まる
急がないとね
場所は決めていた
呆然としていて
時々、涙が滲む
土手道から
故郷の川の土橋
その向こうには
ただっ広い
野原が広がる
その真ん中を
隣り町に続く道
隣り町の小学校からの
とうさんの帰り道
その目立ちそうな
道端に、そっと
子どもの浅知恵
とうさんは
かあさんとは違う
こいぬは、嫌いではない
ひょっとして…

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